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北区立赤羽西図書館

北区立赤羽西図書館 訪問記

last visit:2014/12/05

北区立赤羽西図書館は、赤羽駅の西にある赤羽台団地の中にある図書館です。赤羽自然観察公園が近いことから自然観察資料コーナーを設置し、草花・野鳥・昆虫などの本を収集しています。団地の住民による利用が中心で、それほど混雑しないのも魅力です。

§ 図書館の場所

赤羽西図書館がある赤羽台団地は、「台」という言葉から察せられるように周囲よりやや高いところにあります。赤羽駅から歩くと長い坂を上ることになるので、そうした道を歩くのが困難な方はバスでの来館がお薦めです。バスの場合は赤羽駅西口から出ているバスに乗り、「赤羽都営住宅」で降りて、バス通りから10号棟と11号棟の間の道を入っていけば、右先に赤羽西図書館が入っている建物が現れます。

赤羽駅から徒歩で行くと「亀ヶ池弁財天」という小さな神社があり、箱庭のようにぎゅっと凝縮された神社の様子が可愛らしいくらいで、私はつい寄ってしまいます。可愛らしいとはいえ弁財天なので、しっかり金銭関連のお願いことをしていますが(笑)。また、亀ヶ池弁財天と赤羽台団地への坂の間には、北区の昔話が大きな看板になって4つも紹介されており、まるで町の一角を郷土資料館にしてしまったかのようで、初めて通るとびっくりすると思います。

§ 図書館内の様子

赤羽西図書館が入っている建物は公共施設の複合施設で、1階が赤羽西福祉作業所、2階が赤羽西五丁目児童館・育成室、そして3階が赤羽西図書館となっています。それぞれの施設ごとに入口があり、入口を間違えると3階まで行けなくなりますのでご注意ください。図書館への入口は西側、バス通り側から見た場合、向かって右側にあります。エレベーターはなく、3階までは階段を上がることになります。

3階まで上がって図書館の入口を入ると、右に子どもえつらんしつ、左寄りに通路を進むと一般書架があり、その手前にカウンターがあります。一般書架向かって左に児童エリア、右にCDコーナーや新聞・雑誌コーナーがあるという配置で、閲覧席は新聞・雑誌コーナーの奥にまとまっています。

閲覧席は窓際にあり、曜日・時間帯によっては2階の児童館で子どもが遊ぶ声が聞こえてきて、ややうるさいこともあります。が、高台の団地内という立地のために団地住民以外の方の利用が少ないのか、座席の使用率が低く、いつ行っても座性の確保がしやすいです。机は片側2人ずつが向かい合って4人で大きな机1つを使うかたちで、一番奥の机では持参パソコンの利用もできます。

閲覧机の手前にあるソファも、1人分のスペースが大きくてゆったりと読書ができます。4人掛けのソファは背もたれが後ろに傾いているタイプが背中合わせに置いてあるので、背もたれに寄りかかってしまうと後ろにいる人と頭をぶつけてしまいます。背後に人が座っているかどうかを確認してから背もたれに寄りかかってください(笑)。

§ 書架の様子

一般書架の側面には全体の配置図と現在地が示されており、何がどこにあるか、そのうち今はどこにいるのかがわかりやすいです。欲をいうと、医学の棚には棚に差すタイプの見出しがなく(医学以外は棚に差す見出しを細かくつけている)、病気について調べたい場合にもその本が医学の棚の中のどの辺にあるのかがすぐにはわかりにくいので、それが充実してくれると嬉しいです。ただ、来館者が少なめで職員さんに声を掛けやすいので、探している本が見つからなければ職員さんに聞いたほうが早いでしょう。

日本の小説・エッセイは一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。ただ、よく見ると、小説は「913.6」、エッセイは「914.6」とラベルに印字された分類番号が違うので、「エッセイではなく小説が読みたい」というときなどにはラベルを元に本選びができます。また、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に五十音順の並びに入れられています。例えば、王城夕紀(オウジョウ ユキ)が書いた小説の次に、7人の作家によるアンソロジー『黄土の虹』(オウドノニジ)という本が並び、その次に大石英司(オオイシ エイジ)が書いた本がある、といったかたちになります。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別に分類したうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。

また、これは赤羽西図書館だけでなく北区立図書館全体で行っている表示ですが、本の背に北区のシンボルマーク(桜の花びら3枚で「K」の文字になっている)が貼られているものがあり、このマークがついている本は作中に北区が登場します。赤羽西図書館の蔵書の中では、平野啓一郎『決壊』下巻や宮部みゆき『日暮らし』上巻などがそうです。私の経験では、読んだことがある本にKマークがついていて、あれ、北区が登場してたっけと再読したりすることも。こうして北区が登場している本を教えてくれるだけではなく、利用者からも北区が登場する本の情報を募集しているので(詳しくはこちら)、読んだ本に北区が登場していたらぜひ図書館にご一報ください。私も3度情報投稿したことがあります。

児童エリアと一般書架は明確な境目があるわけではなく、小説のサ行からタ行へと移る棚と棚の間に、乳幼児向けの寝ころびマットが敷いてあったりして、狭い空間に頑張って児童エリアと一般書架を共存させているようなかたちです。児童向けの本のうち辞典類や全集だけは入口入って右の空間にあるのも、どうにかして児童が調べものをできる閲覧席を用意しようという表れなのだろうと思います。赤羽西図書館は1979(昭和54)年にできた図書館なのですが、時代によってニーズが変わると古い建物で対応するのが難しくなる。これは、日本全国で起こっていることなのだろうとおもいます。

絵本は、日本人作家と外国人作家を別にして、絵を描いた人の姓名五十音順に並んでいます。児童向け読みものは、日本or外国という2分類ではなく、「日本のおはなし」「中国・アジアのおはなし」「イギリス・アメリカのおはなし」といったように、外国人作家は更に国・地域別に分けたうえで著者姓名五十音順になっています。

寝転びマットそばの柱の周囲の棚には漫画もあります。北区立図書館の資料には、「これは赤羽西図書館の本」と所蔵館が決まっているものと、「これは北区立図書館共通の本」という扱いになっているものがあり、前者は他の館に返却されても赤羽西図書館に戻ってくるのに対して、後者は返却された館の棚に戻されるようになっています。巻数が多い漫画は、共通資料にすると1巻はA館、2巻はB館、3巻はC館と散逸してしまうことを避けるためか、所蔵館を決めているようで、赤羽西図書館には『タッチ』『のだめカンタービレ』『テニスの王子様』などの漫画を所蔵しています。

§ 自然観察資料コーナー

赤羽西図書館の特色は、子どもえつらんコーナーの奥にある自然観察資料コーナー。赤羽西図書館の南に、赤羽自然観察公園があることから設置されたコーナーです。草花の本、野鳥の本、昆虫の本といった自然観察に役立ちそうな本のほか、米作に関する本や週末菜園の本もあります。そういえば、赤羽自然観察公園の中にも、古い農家を再現したものがあったなあ。あとは、赤羽の北を流れる荒川に関する本も数冊あります。

この赤羽自然観察公園、自然を「残している」ところなのかと思いきや、調べてみると、元自衛隊十条駐屯地だった土地から在来種に馴染まない樹木を撤去して本来生息する植物を植えた、むしろ自然を「取り戻そうとしている」公園なのだそう。自然観察資料コーナーといっても、育てる資料も置いているのは、そういう経緯も含まれているのかもしれません。

私もせっかくですので、赤羽西図書館で本を借りて、赤羽自然観察公園へと読書に出かけてみました。秋の平日の昼間だったのですが、人気も少なく、聴こえてくるのは鳥の声。自然保護を目的とした公園だけあって芝の中には入れないのですが、野鳥の声を聞きながらの読書に浸ることができました。

北区立赤羽西図書館 データ

住所東京都北区赤羽西5-7-5 3階 →Google Mapで見る
Tel03-3907-5992
開館時間
火~金曜9:00~19:00
土・日曜、祝日、12月28日9:00~17:00
定休日月曜
3,12月を除く毎月第4木曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)
3月31日(土・日・月曜の場合は直前金曜休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 JR埼京線京浜東北線湘南新宿ライン東北本線・高崎線 赤羽駅から徒歩22分
駐輪場図書館1階入口手前に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数52,210冊(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
CD所蔵数2,583点(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』※北区図書館共通資料(所蔵館がない資料で、返却された館の書架に配架される)の数字は、各館の所蔵数に比例するよう配分して加算
カセット所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
DVD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
設備
ブックポスト図書館1階入口左に、上部が白、下部が水色の箱型ブックポストあり。開館中のブックポスト使用は不可。
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用閲覧机の一番奥のテーブル(4席。うち1席がパソコン優先席)で持参PCの使用可能。電源あり。
LAN接続なし
飲食設備等なし