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足立区立鹿浜図書館

足立区立鹿浜図書館 訪問記

last visit:2016/03/09

足立区立鹿浜図書館は、足立区立鹿浜図書館は、新井大師の西の、足立区鹿浜にある鹿浜センター内の図書館です。

§ 図書館の場所

鹿浜図書館が入っている鹿浜地域学習センターの最寄り駅は、日暮里舎人ライナーの西新井大師西駅です。この駅名、どれだけ西なんだと思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)。住宅地の中にある地域学習センターで、職員さんに聞いた話では常連さんなのに道に迷って電話してくる人もいるそう。最寄り駅とはいえ西新井大師西駅からは距離があるので、アクセスとしては西新井駅からバスに乗るのがいいと思います。

§ 図書館内の様子

鹿浜図書館は足立区鹿浜地域学習センター1階の一画です。図書館エリアに入ると、右にカウンター、左に新聞・雑誌コーナーがあり、その奥に書架エリアがあります。書架エリアが「まさに図書館」という雰囲気なのに対し、手前の新聞・雑誌コーナーはロビーのような様子。図書館エリアの外が実際に建物のロビーなので、ロビーから段階を経て書架に行くような雰囲気です。

書架エリアに入ると、中央に大きな通路があり、左右に書架が並んでいる広い空間です。中央の通路の広さが全体を広々とした感じに見せていて、居心地がいいです。左手前が絵本、左中程に児童読み物やちしきの本があり、右側全てと左奥が一般書架です。左奥にはヤングコーナーもあります。書架は見出しが大きくてわかりやすいのですが、一般書架の並びは必ずしも分類番号通りでなく、美容・理容の本が書架エリア手前の雑誌ラック上にあったり、鹿浜図書館が特に力を入れて収集している伝記本は児童向けも一般向けも左の壁沿いに並んでいたりするので注意が必要です。

§ 児童エリア

児童エリアは、手前に靴脱ぎスペースがあり、それを囲むように絵本が並んでいます。絵本に関する企画で面白いのは「絵本Reco」。絵本エリアの柱脇の棚上で、厚紙の台紙と絵本作家の作品リストを配布しています。好きな作品リストを取って台紙に貼れば(複数枚リストがある場合は、2枚目以降は上だけ糊付け)、オリジナルの作品リストができあがり。作品リストにチェック欄があるので、読んだらチェックを入れていくという訳です。棚上には、長新太、谷川俊太郎、中川李枝子、レオ=レオニといった、作品リストがありますが、「リストがない作家はカウンターへ」と書いてあるので、この作家の作品リストが欲しいとカウンターに言えば作ってくれるかもしれません。絵本がありすぎて何を読んだらいいかわからないという方は、リスト配布している作家を読んでみるのもいいですね。

また、靴脱ぎスペース手前の壁には、近隣小学校5校の学校だよりの最新号が掲示されています。大人にとっては地域の小学校の様子が、また、小学生にとっても、他校の様子がわかります。どれも校長先生のコラムがあり、卒業して以来小学校に関わりなく過ごしている私には、「最近の先生はこんなことを考えているんだ」と日常生活では触れられない世界が知れて興味深いです。

靴脱ぎスペースの囲いの向こうに児童用机席があり、そこから奥へと書棚が続いています。児童読み物は対象年齢によって「幼年童話」と「おはなし」に分けたうえで、更に日本の読み物と翻訳読み物に分けて、日本の読み物は著者姓名五十音順、翻訳読み物は苗字頭文字で分類しています。児童読み物の棚の一番下の段は、やや表紙を斜め上に向けて面陳するように本を置いており、目に留まりにくい最下段を使って素敵な表紙を見せてくれるかたちで、いろいろ手に取りたくなります。

そうそう、児童エリア入口付近に掲示していたので児童むけ企画だと思うのですが、「しかはま図書館スタンプカード」を作っており、1度に5冊借りるとスタンプ1つ、スタンプが埋まると「何かプレゼントがあるかも?」だそうです。5冊でスタンプだとかなりの読書が必要、しかもスタンプカードは、1枚目こそマスが10個ですが、次のカードへと更新されるたびにスタンプを押すマスが増えるのだそう。私が鹿浜の子どもだったら、チャレンジ精神をそそられてやってみるだろうなあ。

§ 一般書架

一般書架に入ろうとすると、手前の角で「みんなの本棚」という鹿浜図書館発行の新聞を配布しています。これが読み物として面白く、バックナンバーでは公共ではない企業の図書館に取材にいったり、作家を紹介してくれたりと、読み応えある内容です。バックナンバー全てが揃っているわけではないので、詳しい経過はわからないのですが、以前は季刊で発行してしていたものが、2015年夏から年2回の発行になったよう。頻度が減った分、充実した内容になるのではと期待しています。

書架は、児童エリアもそうですが、棚見出しが大きくてわかりやすいです。上述したように本の配置が必ずしも分類番号通りではないので、それを補う意味もあるかもしれません。閲覧席は書架エリア奥にまとまっており、机席を利用したい人は右奥へ、ソファなら左右奥に設置されています。

日本の小説は著者姓名の五十音順で並んでいます。但し、複数作家による作品集は「わ」のその五十音順の並びとは離れた壁際の棚(全集があることろの左)にあります。外国語で書かれた小説の翻訳は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別に分けたうえで、著者苗字の頭文字で分類しています。

左奥にあるヤング図書は、見出しが堅苦しい分類用語ではなく、019(読書法)が「019 どの本読もう?」、100(哲学)が「100 こころって何?」、159(人生訓)が「159 人生の先輩から」、300(社会科学)が「300のぞいてみよう!「よのなか」」といった見出しになっており、目を惹きます。もちろん、ヤング図書とはいえ誰でも読んでいい本なので、面白そうな本を見つけたら遠慮なく借りたいです。

§ 特色コーナー「伝記」

さて、足立区立図書館は、私がこのサイトを始めた頃(2005年)は各図書館で特色となるテーマを決めて、力を入れて収集していたのですが、いつの頃からかうやむやになったようで、今も特色コーナーが残っている館もあれば、その名残さえない様子の図書館があります。鹿浜図書館は以前よりグレードアップしているといえる特色コーナーがあり、それが入口から見て左の壁沿いに並ぶ伝記コーナー。手前側に児童向けの伝記、奥側に一般向けの伝記がずらっと並んでます。

冊数が多いのはもちろんのこと、面白いのはその並び方。まず、児童向けの伝記は日本人のものも外国人のものも一緒にして対象人物の姓名五十音順に並んでいます。なので、聖徳太子の伝記の隣にスティーブ・ジョブズの伝記が並んでいたりします。また、一般向けの伝記は、日本人と外国人で分けたうえで、対象人物のジャンルによって「政治」「経済」「芸術」「自然科学」「文学」「スポーツ」「哲学・思想」「その他」と分かれています。更に一人の人物について書かれた伝記だけでなく、複数の人物について書かれた本もたくさん。特定の人の伝記が読みたいときはジャンルで探せばいいですし、この分類なら「○○で大成した人の伝記が読みたい」という探し方もできて、未知の本に出会えそうです。

§ 地域密着・工夫もいろいろの楽しい図書館

鹿浜図書館は、鉄道(モノレール)駅からの距離もやや長く、あまり他の地域から来館者がくるような場所ではないのですが、その分、他の図書館にはなかなか行けない地域の利用者へのサービス満点という印象を受けます。見出しの工夫や、絵本Recoやスタンプカードなどの企画、読みごたえある広報誌など、本を手に取りたくなる仕掛けがいろいろ。そういえば、図書館イベントで職員さんと話したときに聞いたのですが、広報誌の記事で地域の歴史に関わることを調べる際に、利用者である古くからの住民の方に情報を教えていただくこともあるのだそう。住民の皆さんと職員さんの双方が、この地域密着で居心地いい雰囲気を作っていると感じます。ソファ席も多く、のんびりと本の世界に浸りたくなる図書館です。

足立区立鹿浜図書館 データ

住所東京都足立区鹿浜6-8-1 足立区鹿浜センター1階 →Google Mapで見る
Tel03-3857-6551
開館時間9:00~20:00
※12月28日・1月4日は9:00~17:00
定休日月末日(土・日曜・祝日の場合は開館し、直前の金曜に休館)
毎月1回施設点検日
12月29日~1月3日
最寄駅 日暮里舎人ライナー 西新井大師西駅から徒歩20分
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数58,107冊(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
CD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
DVD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
設備
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PC新聞・雑誌コーナーにネット閲覧PC1台あり。利用は中学生以上、但し保護者同伴の場合は小学生以下も利用可能。9:00~19:30までの申込みが必要で、00分と30分を区切りに、30分単位での利用。次に待っている人がいなければ延長可能。
持参PC利用パソコン利用席で持参PCの使用可能。電源あり。