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「BACK TO THE 60'S(1960年代特集)」

―2006年9月3日訪問時の展示
visit:2006/09/03

みなと図書館の特設コーナーは、入り口を入って右の壁沿い。新着図書の棚と総記の棚に挟まれた棚が特設コーナーになっています。2006年9月に「BACK TO THE 60'S(1960年代特集)」というテーマを特集しているとのころで、私も見てきました。

「BACK TO THE 60'S(1960年代特集)」というタイトルの脇に、ダッコちゃんや東京タワーなどの写真のコラージュが置いてあります(でも東京タワーは1958年に竣工ですね)。また、棚の一番上の段にはプレスリーのうちわも。どなたかが当時買ったものなのでしょうか、結構状態いいです。

棚の側板には、1960年代の直木賞、芥川賞の受賞作品がリストアップされています。田辺聖子や北杜夫って芥川賞受賞者なんですね、知らなかった。

60年代の文学ということでは、そのリストと『松本清張研究 Vol.4(1998.4)』があったくらいかな。あとは、60年代の文化や出来事が書かれた本が並んでいます。

人物で言えば、力道山、大鵬、市川雷蔵など。ビートルズの本もありますね。アンディ・ウォーホールも60年代なのか。もっと最近の人っぽく感じる。力道山は赤坂にアパートを建てた実業家でもあるということで、力道山の本には「港区ゆかりの人物」シールも貼ってあります。

ゴジラやリカちゃん人形などの本もあります。『サンダーバードを作った男―ジェリー・アンダーソン自伝』の隣に『ひょっこりひょうたん島熱中ノート』が並んでいたりね。007の原作もいくつかありました。

また、出来事としては東京オリンピックやアポロの月面着陸など。「ベトナム戦記」「サイゴンの十字架」が収録されている開高健全集11巻もありました。『われら月面に立つ―写真記録』という大型本をちょっと立ち読みしたのですが、これを読むと宇宙うんぬんということよりも、宇宙を舞台にした米ソの競争のすごさの方を感じてしまいました。それが今や、ソ連という国がなくなってしまうなんてねえ。

と、かなりの時間をこの棚の前で過ごしていたら、職員さんに「貸し出されてしまった本も多いので、よかったらリストがありますよ」と声を掛けていただいて、この特設コーナーのために用意した本のリストを見せていただきました。このリストを見ると、例えばウルトラマンの本などはリストに数冊あるのに棚にはないですね。この特集はなかなか面白く、多くが貸出されてしまうのも納得。このリストはカウンターにあるので、職員さんに言えば誰でも見ることができますよ。

で、私も何か借りたくなって、『テレビCMの青春時代―ふたりの名演出家の短すぎた生涯』という本を借りてきました。声を掛けていただいた職員さんに教えていただいたのですが、8/28にTBSで放送された「メッセージ ~伝説のCMディレクター・杉山登志 魂で撮った、一瞬の美~」というドラマの元ネタ本なのだそうだ。

これも含めて、60年代を代表する一番のものって「テレビ」なのかもしれませんね。巨人も大鵬もオリンピックも月面着陸も、やっぱり皆がテレビで見たわけで、それはもちろん今のように、テレビ自体も多チャンネルで、テレビ以外にもメディアが豊富な今とは存在が全く違う。

乱暴と言えばそれまでだけど、私の頭の中では戦後から私の生まれる前(~1971)までって一緒くたにしちゃっているところがあるんですよね。(自分の生まれる前までの時代の認識ってそんなもんじゃありません?そんなことないって? 笑)
いや、そりゃ、戦後間もない頃と60年代では全然違う社会だとはわかっているけど、信長の時代も秀吉の時代も『安土桃山時代』で一括りする感覚で、私の中では一括りで。

それがこうして一時代を切り取ることで特色が見えてくる感じで、この特集すごく面白いです。60年代が面白い時代ということでもあるのでしょうね。