練馬区立光が丘図書館
練馬区立光が丘図書館 訪問記
練馬区立光が丘図書館は、光が丘公園の中にある図書館。練馬区立図書館の中央館的存在ですが、厳密には「中央館的機能を有する地域館」なのだそうです。「光が丘コーナー」では、光が丘公園の前身の米軍のグラントハイツや、そのまた前身の日本軍の成増飛行場時代のことまでわかる資料があります。
光が丘図書館は光が丘公園の中、光が丘駅から歩いていくとふたご橋を渡って右にあります。駅から公園までの道の両脇はイチョウ並木になっています。これらのイチョウは昔の都庁があった場所(今の国際フォーラム)のそばに植えられていたもので、京葉線の東京駅が作られる際に一時苗床に移され、後にこの場所に植えられたという、樹齢100年以上のイチョウなのだそうです。
光が丘図書館は2階建ての図書館です。1階が一般書架、2階が児童コーナー、中高生コーナー。視聴覚室や会議室も2階にあります。
1階の正面入口を入ると、2階まで吹き抜けになっている通路がまっすぐ奥まで伸びています。この部分は月替わりの展示をしているのですね。通路の両脇にあたる棚の側面にぽつぽつ展示されていて、突き当たりの棚には大きめの展示がされている形。1ヶ所に大きく展示するのもいいけど、こうやってあちこちに展示がばらけていると歩きつつ見るのが楽しいし、他の人の邪魔にならないか気にすることもあまりしなくて済むのでいいですね。
その通路部分を「モール」と呼んでいるのですが、モールの右手前辺りが新聞・雑誌コーナー。モール手前左にカウンター、ビデオ・CD・カセットコーナー、試聴機にネット閲覧PCがあります。カウンター手前左には自販機も置いてある休憩コーナーがあります。モール右も左も、奥の方は書架が並んでいます。
ビデオの棚は一般の映画は少しで、教育的なビデオが大半を占めている感じ。カセットは、落語や小説の朗読が中心ですが、「練馬区の歌」「練馬音頭」のカセットもありましたよ。
日本の小説とエッセイは一緒にして、著者名の五十音順に並んでいます。但し、複数作家による作品集は、著者名ではなくタイトルの頭文字で分類され、頭文字分類の先頭に配架されています。つまり、小説・エッセイの「ア」の棚に行くと、まず、書名が「ア」で始まる複数作家の作品集が並び、その次に、著者名が「ア」で始まる小説が著者名の五十音順に並ぶという方式です。外国の小説は、国や地域別に分けることなく「外国の小説」でひとまとめにして、著者姓名の五十音順に並んでいます。
カウンターに続いている棚には外国語の本がずらり。英語の本が中心ですが、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、ポルトガル語、中国語、ハングル、タイ語、インドネシア語と実にたくさんの言語の本が並んでいます。特に中国語の棚には『読み終わったら元の場所に戻してください』という意味と思われる中国語の注意書きがあり、お飾りで置かれている蔵書ではなく、実際に利用されている様子がうかがえます。
右奥にはパソコンが利用できる席が用意されているのですが、ここは昔は畳コーナーだったようです。昔畳コーナーだったところから畳をどかしてしまってパソコン利用可能席を作ったというのは、大森西図書館もそうですね。靴を脱いでくつろいで読めるスペースは嬉しいので、ちょっと残念です。
2階は建物正面入口から見て、右が児童コーナー、左が中高生コーナー。中高生コーナーは漫画も多いし、棚の上にはイラストが貼ってあったり、ビジュアルで釣ろうとしているような気がします(笑)。中高生コーナーの奥にはテラスがあり、椅子とテーブルもあるのでここで読書もできそうですね。テラスを囲む形で視聴覚室や会議室もあります。
児童コーナーの柱には、百科事典の使い方や調べもののテーマの決め方を漫画にしたものがあり、調べもののテーマの決め方なんかは大人の私にも参考になりますね。要はいかに絞り込むかということなのですが。
そんな光が丘図書館ですが、私の一番のお薦めは「光が丘コーナー」。1階の左側、外国語図書の棚から更に奥にいったマイクロフィルムリーダーの隣にあります。光が丘は前身がアメリカ空軍の家族宿舎のグラントハイツ、そのまた前身が日本軍の成増飛行場という場所ですが、それを詳しくまとめた本『私編 光が丘の地歴図集』『改訂増補 光が丘の地歴図集』が光が丘コーナーに置いてあります。2冊とも光が丘の地歴について光が丘にお住まいの方が調べまとめて自費出版した本なのですが、いやあすごい。大正から現在に至るまでの光が丘地域の変遷が、主に地形図、それに聞き込み資料等も加えてまとめあげられています。
こういう本に接すると本当に頭が下がるというか、これに比べたら図書館制覇なんて大したことないですね。図書館制覇は数が多いのでそれなりに大変ですが、現存するものに行けばいいだけだから時間をかければまあどうにかなります。でも昔のことを調べるのって、時間をかけたところで成果が約束されているわけではないし、逆にぐずぐずしていると貴重な資料が失われたり、直接話を聞けたはずの人がいなくなってしまう可能性もありますもんね。
その他、光が丘コーナーには「グラントハイツで理容師として働いた日々」「グラント将軍来日記事」「成増飛行場 抜粋記事」などなど、関連資料がファイリングされたものがずらり。私、時間ができたときにでも行って、全部じっくり読んでみたいです。壁には光が丘周辺マップもあり、これを見ても、古くからあって今も存在するものは光が丘の外にあることがわかる。あらためて光が丘という場所の歴史を考えさせられます。
今回は光が丘図書館と光が丘公園しか回れなかった、いや、光が丘公園も広いので園内くまなく巡れてはいないのですが、次に行くときには光が丘から飛び出して周辺を散策してみたいです。
練馬区立光が丘図書館 データ
住所 | 東京都練馬区光が丘4-1-5 →Google Mapで見る | ||||
Tel | 03-5383-6500 | ||||
開館時間 |
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定休日 | 第1,3,4,5月曜(祝休日の場合、直後の平日を休館) 12月29日~1月4日 | ||||
最寄駅 |
都営大江戸線 光が丘駅から徒歩15分
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所蔵資料 | |||||
図書所蔵数 | 331,611冊 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
布絵本所蔵数 | 261冊 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
CD所蔵数 | 18,175点 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
カセット所蔵数 | 61点 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
レコード所蔵数 | 926点 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
DVD所蔵数 | 2,552点 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
ビデオ所蔵数 | 216点 2024/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和6年版』 | ||||
設備 | |||||
ブックポスト | 建物入口向かって左の壁面にブックポストあり。開館中の使用は不可。 | ||||
自動貸出機 | バーコード式自動貸出機3台(1階2台、2階1台)あり | ||||
図書の除菌 | 図書除菌機あり | ||||
音声試聴設備 | CD・カセット試聴機2台あり。利用は1回1時間まで。 | ||||
映像視聴設備 | なし | ||||
ネット閲覧PC | ネット閲覧PC3台あり。利用は1回30分、次に待っている人がいなければ更に30分利用可能。連続使用は1時間まで、それ以上の利用は15分の離席時間を挟んでの申込になります。 | ||||
持参PC利用 | パソコン利用可能席で持参PCの利用可能。電源なし。 | ||||
LAN接続 |
2020/03/11に確認
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飲食設備等 | |||||
その他設備 | 1階休憩コーナーそばにコインロッカー16個あり。要100円玉、お金は使用後に戻ります。 |