新宿区立男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)図書資料室
新宿区立男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)図書資料室 訪問記
新宿区立男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)図書資料室は、曙橋駅の近くの新宿区の施設、男女共同参画推進センター内の資料室。新宿区立図書館カードを使っての貸出や、新宿区立図書館の資料の予約受取・返却もできます。女性誌や家族問題、生き方に関する資料を重点的に所蔵しています。
ウィズ新宿は都営新宿線の曙橋駅から歩いてすぐのところにあります。曙橋駅から行く場合は、A4出口を出て、右にある緑色の外苑東通りの高架を渡らずに、その手前で右折します。突き当たったところで左折して外苑東通りの高架をくぐり、そのまま140m進むと右側に男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)が現れます。
ウィズ新宿がある通りはこじんまりした飲食店や事務所が並んでいますが、北を通る靖国通りのすぐ向こう側は防衛省の敷地が大きく広がっています。実はこの中にも、「国立国会図書館 文部防衛省図書館」という図書館があります。省庁関係でない一般の人も閲覧は可能ですが、事前に何を閲覧するのかを図書館に告げ、その資料の有無を確認してから、来館の許可が出るという仕組みのようで、区立図書館巡りのように気軽にはできませんね。でも、いつか利用してみたいなあ。
3階建てのウィズ新宿の中で図書資料室は2階にあり、貸出・返却は1階のウィズ新宿の窓口で行っています。1階窓口手前には新聞・雑誌やDVD、そして新宿区立図書館検索機もあるので、それを利用して他館の資料の検索予約もできます。2階の図書資料室の中に別室で男女共同参画推進センターの相談室(DV被害などについて相談ができます)があったりもするので、ウィズ新宿の中に区分けされた図書館的エリアがあるというかたちではなく、ウィズ新宿の中で男女共同参画推進センターとしての機能と図書館的機能が融合しているかたちです。
建物入口を入って右にある小部屋がウィズ新宿の窓口です。小部屋の入口に「段差があるのでご注意ください」と看板が立っていますが、実際には段差というよりゆるい傾斜なので拍子抜けします(笑)。入った正面に窓口があり、その手前にテーブルが1つ。カウンター向かって左に雑誌ラックが、右の窓際に新聞ラックがあるので、それらを読むときにはテーブルへどうぞ。ウィズ新宿に限らず、多くの自治体の男女共同参画施設は、女性向けの情報により重点を置いているので、雑誌は女性向けのものが多いです。
窓口向かって右には貸出できるDVDがありますが、こちらは就労に関するNHKの番組のDVD版など、男女を問わず生き方を考えるような内容のものが目立ちます。現在、特に就労問題などは、男女間の格差より世代間の格差の方が大きくなってしまっている点もあると思いますが、ウィズ新宿で所蔵しているDVDも男女問題に限定せず、生き方・働き方を考えるような内容のラインナップとなっています。
2階は、部屋の中央にテーブルとソファがあり、それを挟むように手前と奥に書棚が並んでいます。赤ちゃんを連れた方のために、ベビーベッドや授乳コーナーもあります。資料はやはり女性関連やフェミニズムに関するものが多く、例えば「024(図書の販売)」の分類にあたる本も、『女子の古本屋』『女の本屋の物語』などの本を所蔵しているといった具合。『婦女新聞』(明治33年~昭和16年)や雑誌『女性』(大正11年~昭和3年)の復刻版などもあります。都内の区市町村や他の道府県の男女共同参画推進に関する資料も多く取り揃えています。
女性、女性と書いていますが、もちろん男性の利用もOK。セクシュアリティやジェンダーに関する本も多いので、セクシャル・マイノリティの方が新宿2丁目に遊びに行く前に、真面目な読書の時間を過ごすのにも適していると思います。小説も家族問題や生き方を扱う内容のものがやや多いです。「男女問題の本しかない」というわけではなく、「男女問題に関する資料を中心として、広く集めた資料」という感じなので、図書室として気軽に利用しても違和感ないと思います。
また、シリーズものや昔話を中心に絵本も少しあるので、お子さん連れの方もお気軽にどうぞ。ベビーベッドの周囲に布絵本がたくさんぶらさがっていて、この布絵本利用のためだけにウィズ新宿に行っても楽しめるくらい。この布絵本にはバーコードがついているので、貸出もできると思います。
新宿区に限りませんが、こうした男女共同参画推進施設では、弁護士やカウンセラーによる悩みごと相談を受け付けています(詳しくは新宿区ホームページ内の「悩みごと相談室」のページをどうぞ)。そういう施設にこうした図書資料室があるっていいと思うんですよね。悩み事を相談するって心理的なハードルが高いですし、その場所に初めて行くとなると猶更緊張するでしょう。でも、誰でも利用できる図書室があれば、それを利用するふりをして実際に相談を申し込む前に施設の雰囲気を窺ったりもできる。図書室の本来的な意味のほかに、そういうクッションのような役割もあるように思います。あってはならないことだけど、ストーカー被害を警察に届けてもきちんと対応してくれないケースもありますし、そうしたときの相談先としてぜひ自治体がこうした事業を行っていることを覚えておいてください。
また、ウィズ新宿の相談室の特徴的な点は、男性の相談員による男性からの相談の受付も行っていること。23区の類似施設は女性からの相談に限定していたり、明確に限定していなくても女性からの相談を想定して運営しており、男性からの相談は東京都の施設である東京ウィメンズプラザの「男性のための悩み相談」を紹介しているかたちがほとんど。区が運営する男女平等参画施設で男性向けの相談窓口を設けているのは、新宿区だけなんです。
男性だってDVやセクハラの被害者になりうるし、男性同士のカップルでのDVもあるはず。離婚届を突きつけられて困っている男性もいるでしょうし、弱者は必ずしも女性だけとは限らない。また、頭ではいけないとわかっていても暴力を振るってしまう場合などは、加害者側にもカウンセリングが必要ですよね。男性への悩み相談を先陣を切って行っている新宿区、なかなかやりますね。
当サイトは図書館のサイトなので、最後にもう一つ図書館としての利点を記しておきます。新宿区立図書館は月曜が休館なのですが、この男女共同参画推進センター図書資料室は月曜も開室しているのです。但し、貸出は月曜~土曜の9:00~17:00のみとなっており、開いている時間=貸出できる時間とは限らない、つまり月~土曜の17時過ぎや日曜は図書資料室が開いていても貸出ができないので、その点はご注意を。
また、施設の1階受付で貸出・返却処理を行っており、それとは別のフロアに図書資料室があるという状態なので、図書資料室が書架整理で休みであっても、施設自体が開いていれば返却処理はできます。予約資料も施設受付に取り置きしているはずなので、予約受取も同様にできるんじゃないかな。私がこれに気付いたのは、書架整理の日に行ってしまったせいなのですが(笑)。新聞・雑誌は1階受付の周囲にあるので、こちらも施設自体が開いていれば閲覧できます。
新宿区立図書館利用者にとっては、何より月曜に貸出・返却処理ができるというのが、他の図書館にはないメリットといえますね。仕事のシフトの都合などで月曜しか予約資料を受取にこれない人は、この図書資料室を予約受取館に指定するといいと思います。図書館とは別の施設である、という利点をうまく利用しましょう!
新宿区立男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)図書資料室 データ
住所 | 東京都新宿区荒木町16 新宿区男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)1,2階 →Google Mapで見る | ||||
Tel | 03-3341-0801 | ||||
開館時間 |
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定休日 | 第3木曜 祝休日(第3木曜の場合は翌日も休館。日曜の場合は、祝日も振替休日も休館) 12月29日~1月3日 | ||||
最寄駅 |
都営新宿線 曙橋駅から徒歩3分 東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅から徒歩11分 東京メトロ南北線 四ツ谷駅から徒歩15分 都営大江戸線 牛込柳町駅から徒歩15分 | ||||
駐輪場 | なし | ||||
駐車場 | なし | ||||
設備 | |||||
ブックポスト | 建物入口向かって左にブックポストあり | ||||
自動貸出機 | なし | ||||
音声試聴設備 | なし | ||||
映像視聴設備 | なし | ||||
ネット閲覧PC | なし | ||||
持参PC利用 | 不可 | ||||
飲食設備等 | なし |