図書館寄席
visit:2007/05/07
2007年5月7日にリニューアルオープンした千代田図書館では、オープニングイベントをいろいろ行っていて、その中の一つに「図書館寄席」というイベントがあったんです。図書館司書の資格をもつ入船亭扇治による落語だとのこと。
これは珍しいイベントだと思ったのですが、「図書館寄席」でネット検索するとこれが意外と出てくるんですよ。ヒットしたものをざっと見たところ、場所こそ全国各地であるものの、登場する落語家は入船亭扇治だけっぽい。つまり、この落語家さん、いろんな図書館で図書館寄席をやっている方なんですね。対象は一般のみならず、子供に向けた落語もやっているらしい。
千代田図書館の場合は一般向けの寄席で、新書マップコーナーの窓際の一画で行いました。千代田図書館は視聴覚室のようなものがなく、図書館の一画でこういうイベントを行っちゃうんですね。一応周囲は新書マップコーナー、カウンターなど、そんなに静かにしていなくても許されるかなという場所なのですが、書架や閲覧席にどのくらいここの音が漏れていたかどうか。私は寄席の観客になってしまったのでわからないのですが…。
19時からの開演で、早い者勝ちの自由席だったので18:30頃に席を確保。たぶん、60席くらい用意されていたと思うのですが、私の隣は最後まで空席だったし、皆さん立ち見で済ましちゃったのかな。
19時を少し回った頃に入船亭扇治さん登場。演目は「井戸の茶碗」でした(噺の内容は別ブログ「落語演目メモ」のこちらに書きました)。千代田区にちなんだ落語をやるかと思ったけど、「井戸の茶碗」の舞台は今の港区。千代田区を舞台にした落語がなかったのか、あっても時間的な問題などでできなかったのか。
噺の後はちょっとした質問コーナーで、入船亭さんの図書館の使い方としては、やはり江戸の文化や地名などを調べることが多いとのこと。また、図書館に望むこととしては、単に図書館としての機能を果たすだけでなく、公共の場所として子供などがマナーを憶えられる場所になって欲しいと。
そう、それ、私も共感します。実は、図書館寄席が開かれた一画のそばの、千代田図書館の目玉コーナー「新書マップ」ですが、皆さん検索に使った新書を出しっぱなしのままなんですよ。利用者はともかく、使い方を説明した職員でさえも。
だから、使ったら元の場所に戻すよう促すか、戻す場所がわからない本をとりあえず置く場所を作ればいいんじゃないかと思う。でも、もっと本音を言うと、新書マップはおそらくしばらくして目新しくなくなるとほとんど利用されないと思うから、そういう工夫も必要ない気がする(苦笑)。まあ、その本音は別として、マナーとして使ったものは戻そうよって思っちゃうんですよね。
さて、そんな口うるさい話はともかく、図書館寄席は思いのほか楽しかったです。入船亭さんが図書館寄席に慣れているせいか、取立てて図書館ということを意識することなく普通に楽しめました。千代田図書館以外でも、東京の図書館のどこかでまたやって欲しいな。