新書マップコーナー

visit:2008/05/07

新書マップコーナーは2007年5月7日に移設オープンした千代田図書館の目玉で、当時はマスコミにもよく取り上げられていたのに、今はなくなってしまいました。ただ、当時の訪問記の新書マップコーナー部分をすっかり削除してしまうのはもったいないので、ここに残しておこうと思います。

新書マップコーナーがあったのはカウンター向かって左、パソコンが点在している丸いテーブルを、新書の入った棚が円状に囲んでいるコーナーです。そのコーナーに12台のパソコンと新書が置いてあり、パソコンには「想-IMAGINE」というネット上のページが開いていたんですね(千代田図書館からだけでなく見られるので見てみてください)。で、この画面の上部に調べたいことを入力して「IMAGINE」ボタンをクリックすると、関連する新書ジャンルや関連本リスト、Wikipediaの記事が表示されます。この機能は、ネット上から誰でもできる。

千代田図書館の「新書マップコーナー」ならではの点は、画面上部に入力する代わりに、パソコンに接続された本置き台に新書を置いても、その関連図書や関連語が表示されるんですね。また、関連図書も、千代田区立図書館の蔵書にある場合は、蔵書検索結果へのリンクが表示されます。

おそらくこれって、ネットサーフィン的というか、探したい本や項目がこれと決まっている場合じゃなくて、ぼんやりと「○○の関連で何か面白いものないかなあ」って時に使うといいものなんだろうと思います。だから、「何か」が固まっているときにこれを使ってもたぶんあまり意味がない。

あとは、今は新書がよく読まれているようですし、入門として新書を読んだ人が次に何を読もうかなあというときとか(これも、これを読みたいと決まっている場合じゃなく、関連する何かを読みたいって場合)。でも、そういう使い方をするためにはここの新書が貸出可能だといいのですが、この新書マップの新書は貸出不可なんですよね。借りて読んだ本を載せて関連本を検索するできるなら便利なのですが、そうじゃないから「新書マップコーナーから目当ての新書を探す」という行程が必要で、すごく不便。

まあ、こういうのが図書館で自由に使えるのは面白いと思いますが、たぶん12台も要らないと思います。これをツールとしてうまく使える人は(少なくとも現時点では)多くはないと思うので、下手するとただのネット閲覧PCとして使われてしまうかも、と思っていたら案の定そのようになってしまったようで、新書マップ廃止となってしまったわけです。

繰り返しになりますが、私が実際に使ってみての感想は、何より自分の興味の発端となる新書を棚から探すのが面倒だったんです。これは使われなくなって当然だなあという不便さ。せめて本が借りられれば、読んだ本を置いてみて関連本を見てみるという使い方もありましょうが、新書マップコーナーの本は閲覧のみだったし(今、新書マップコーナーをやめたならこれらの新書を貸出可にすればいいと思うんだけど、今でも閲覧のみ)。

私の評価としては、「想-IMAGINE」はこの『発想を広げる検索』という概念がとても掴みにくいのですが、掴めれば道具としてうまく使えるのかもしれないという気がするんですよね。ですが、「新書マップコーナー」ではそれを閲覧のみの新書とリンクさせたことでかえって使い勝手が悪いものにしてしまった。すごくもったいないです。

このままでは「旧新書マップコーナー」にある新書ももったいないので、これは一般書架の新書と一緒にしてしまえばいいのにと思う。普通に貸し出しもして。で、新書マップができるPCを館内に1台くらい置いておいて(撤収しただけで周辺機器はまだ持っているでしょうし)、ICタグの貼ってある新書には「この本は、千代田図書館館内の新書マップPCで利用できます」とか貼っておいて、読んだ人が関連図書や関連記事を知りたかったら本を返す前に新書マップPCを使ってみればいいと。これなら何も費用をかけずできますよね。

図書館にある資源を活用しないのは、図書館にとって無駄なのではなく、市民にとっての無駄。ぜひとも活用してくれることを願います。