トップ図書館訪問記北区北区立中央図書館 > 作家 内田康夫展「名探偵☆浅見光彦の住む街北区」

作家 内田康夫展「名探偵☆浅見光彦の住む街北区」

―2008年10月27日から11月9日までの展示
visit:2008/11/07

北区では、ゆかりのある著名人や文化人に「北区アンバサダー(大使)」を委嘱し、北区の知名度や文化的イメージを高めてもらうということをやっています。そのアンバサダーの一人、内田康夫氏は小説家という職業柄か、北区立図書館のイベントによく関わっていらっしゃいます。2008年11月2日にも内田康夫氏のトークショーが北区立中央図書館あったのですが、それに連動して2008年10月27日から11月9日まで、図書館内に“作家 内田康夫展「名探偵☆浅見光彦の住む街北区」”という特集コーナーが設けられています。

場所は2階入口入ってすぐのところで、ここが特集コーナーとなっていることを知らずに入った私は、いきなり浅見光彦の顔出しパネルがあってびっくり(笑)!観光スポットで、大きい絵や写真の顔部分がくりぬかれていて、そこの顔を入れて写真を撮ったりできるアレです。アレが図書館に入った人を迎えてくれているのです(笑)。この浅見光彦顔出しパネルの元となっているのは、榎木孝明さんでしょうか。実は私はあまり浅見光彦が好きでないのですが(ファンの方、すみません。彼の女性観などが好きではないのです)、何人かが演じた浅見光彦のうち榎木孝明さんのが一番好きではないので、つまり一番原作にぴったり演じているように思います。

そのそばには、「浅見光彦の事件簿」というパネルがあり、各作品の舞台となった場所が示されています。北海道から沖縄まで、いや、国内にとどまらず、イタリアや中国でも謎解きしているのですね。この図を見ると、本当に日本全国まんべんなく舞台となっていることがわかる。それって、内田さん自身も取材のためにこれだけ全国を回られているということですよね。精力的な執筆活動に恐れ入ってしまいます。

展示コーナー中央には、内田さんの取材旅行での写真や、北区のイベントに参加された際の写真などが展示してあります。北区立中央図書館建設工事着手前のイベントには私も行って、舞台上の内田さんをちらっと拝見しました。また、北区内田康夫ミステリー文学賞受賞者の方々と一緒に、旧古河庭園の洋館で撮った写真もあります。北区内田康夫ミステリー文学賞の受賞作をまとめた本、『はじめての小説』は私も読んだのですが、結構面白いです。募集要項に「北区の地名・人物・歴史などを入れ込んだ作品を歓迎します」とはあって、北区のことを実際に知っていると更に楽しめますよ。

内田さんが北区アンバサダーでいらっしゃるのは、ご自身が北区西ヶ原生まれということに加えて、内田氏の作品の探偵、浅見光彦が北区西ヶ原三丁目に住んでいる設定なんですよね。この特集コーナーにも浅見光彦の住民票が展示されています。ちなみに、滝野川図書館にはこの住民票が常設で展示してありますよ。また、私はこれが今回の展示の中で一番気に入ったのですが、浅見家で使っていた品々も展示してあります。もちろん架空の人物なので、展示品はテレビドラマなどで使われたものなのですが、浅見家の百人一首や浅見光彦の乳歯が展示されているのです。乳歯って、すごくないですか(笑)? 一瞬、「あれ、浅見光彦って実在の人物だっけ?」と思ってしまうような展示に盛り上がってしまいました。

トークショーに連動した企画は、この特集コーナーだけではなく、図書館内の喫茶室でも特別メニューが用意されています。「浅見光彦ランチ」(ビーフカレー・野菜サラダ・紅茶)と「内田康夫氏セレクトケーキセット」(モンブランケーキ・紅茶)で、2008年10月27日から11月9日まで1日10食ずつ用意されています。私は「内田康夫氏セレクトケーキセット」の方を食べたのですが、ちょっとクリームが私には濃厚すぎだったかな。濃厚なクリームが好きな方ならおいしくいただけると思います。

内田さんのご協力をいただく北区の図書館イベントは、これからもいろいろやってくれそうな気がするので、更なる遊び心にあふれた企画を期待したいところです。ふと思ったのですが、浅見光彦が小説内でこの新しい北区中央図書館に来たことってあるのかな。西ヶ原在住なら来てもおかしくないですよね。これは図書館から内田さんに頼んだりはできないだろうから、読者からのリクエストという形でお願いしてみましょうか(笑)。