江東区立森下文化センター図書コーナー
江東区立森下文化センター図書コーナー 訪問記
江東区立森下文化センター図書コーナーは、高橋のらくろロード商店街の先にある、森下文化センターの一画にあるコーナー。貸出はできませんが、館内に江東区で育った漫画家、田河水泡を記念した「田河水泡 のらくろ館」がある関連で、漫画資料がいろいろあります。
森下文化センターは森下駅と清澄白河駅の中間あたりにある「高橋のらくろロード商店街」を東に向かった先にある江東区の施設。清澄通りと「高橋のらくろロード商店街」(ちなみに"高橋"は"たかばし"と読みます)は直行しているのですが、商店街のあちこちにのらくろの幟があるので、見ればすぐにわかると思います。商店街のアーケードが途切れてからもしばらく進んでいけば、右(南)側に森下文化センターが現れます。
森下文化センター自体は、音楽スタジオ、会議室、ホール、和室などがあり、区民がサークル活動などをできる施設なのですが、1階の入口入って左の一画が図書コーナーになっています。図書の貸出は行っていませんが、小さな図書室程度の冊数の蔵書があります。雑誌も、必ずしも最新号とは限りませんが、何冊か置いてあります。「江戸・東京の本」というコーナーには、雑誌「東京人」のバックナンバーがずらり。全号は買い揃えていないかもしれませんが、貸出がない図書コーナーなので、『誰かに貸し出されているために棚にない』ということはありません。
「マンガ関連コーナー」という棚もあり、「つりキチ三平」「うっちゃれ五所瓦」などの漫画や、NHKBS「マンガ夜話」の単行本、「季刊コミッカーズ」などのマンガ関連雑誌も並んでいます。というのも、この図書コーナーの向かい側に「田河水泡 のらくろ館」という、漫画ののらくろの資料コーナーがあるんですね。「のらくろ」の作者・田河水泡氏が、母親が亡くなった後に深川区松村町(現江東区福住)に住む伯母夫婦に引き取られ、結婚するまでそこで暮らしたというゆかりから、江東区の施設にこのような資料コーナーを作ったのだそうです。閲覧用ののらくろの漫画は図書コーナーの方ではなく、「田河水泡 のらくろ館」の最後の方に置いてあります(但し、数冊)。
「田河水泡 のらくろ館」の入口には、大きなのらくろのぬいぐるみが出迎えてくれています。のらくろがかぶっている帽子は、記念撮影をするときにかぶってもいいそうですよ。大きなぬいぐるみですが、帽子は普通の人間用ですので、普段はのらくろの両耳がそれぞれ帽子をかぶっています(笑)。
展示は、田河水泡の生い立ちや、のらくろグッズ、再現された田河水泡の書斎などなど。手塚治虫が描いた「のらくろもどき」という漫画も展示してあります。私は実際の「のらくろ」をほとんど読んだことない状態でのらくろ館に入ったのですが、入ってすぐ右にのらくろの一生を年譜にしたものがあるので、すぐにどんな漫画なのかわかります。のらくろって、最後は喫茶店のマスターになったんですね。
この資料コーナーだけでなく、森下文化センター自体がのらくろにあふれているのです。入口ロビーの左手には、のらくろが江東区の地図のあちこちに登場する大きな絵が2点あり、一つは2001年7月21,22日に森下文化センターで開催された「深川体験わーるど」でのらくろトリオ(永田竹丸・山根青鬼・山根赤鬼)が描いた「のらくろが生まれた町」。もう一つは、2007年10月20,21日の「江東区民まつり」の中央まつり会場で山根青鬼が描いた「25年後の江東区・夢」。後者の方は、将来の姿として、「江東空港」や「江東タワー」があることになっています(笑)。それ以外にも、自転車置場の案内板など、施設内のちょっとしたものにものらくろが登場しています。
訪問記冒頭に書いた「高橋のらくろロード商店街」でも、幟はもちろん、いくつかのお店ではのらくろグッズを扱っています。封筒便箋、タオル、Tシャツ、おせんべいなどなど、それぞれのお店のご商売に応じたグッズを扱っているので、「田河水泡 のらくろ館」を覗いた帰りにはぜひ寄りたいところ。
と、何だか図書コーナーの訪問記ではなく、「田河水泡 のらくろ館」の訪問記になっちゃってますね(笑)。図書コーナーは蔵書数がそれほどない割には広々としていて、雰囲気としてはロビーに近い感じです。のらくろ館見学や下町散歩の際の休憩にでも立ち寄って、本を読んだりしてみてはいかがでしょうか。