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南大沢図書館さんぽ 見出しがあると嬉しい

visit:2025/11/06

お墓参りの後に南大沢図書館へ。私が名義人となっているお墓の最寄り駅が橋本駅で、夏の間に伸びているはずの植栽を整えに行かねばならぬ、でも暑い日差しのもとでの作業は辛い…と先延ばしにしていたのを11月を過ぎてやっと足を運んだのだ。

墓地まで行くのにシェアサイクルを使うのが待ち時間が少なく安くて済むと去年気付き、今日もそうするつもりで念の為電車に乗っている間に確認してみたら、橋本駅近くのステーションのどれも1台しかない状態、ふと思いついて南大沢駅周辺を調べたら使える自転車が何台もあり、それを利用して無事にお墓の掃除も完了、調子に乗って帰りもサイクリング気分で橋本駅ではなく南大沢駅まで自転車で戻り、図書館さんぽもしようと南大沢図書館に寄ったのだ。

南大沢駅は、改札を出て右に行くと三井アウトレットパークや東京都立大学、左に行くとイトーヨーカドーなどの小ぶりの商業ビルがいくつかある。図書館は左側のヨーカドーを通り過ぎた先の道路を渡って右に100m進んだフレスコ南大沢というビルの地下1階だ。

このビルは駅から行くとフロアの割り振りが変な感じで、駅を出てそのままヨーカドーに入ればそこが1階、なのに地続きの道路を渡って階段を数段(下がるのではなく)上がってフレスコ南大沢に入るとそこが地下1階なのだ。標高で言ったらほぼ同じであるフロアが、こちらでは地下1階、あちらでは1階となるのは、隣接する公園が駅の高さから丘を登るかたちで上がっていく、その登ったところを1階としているから。2つ隣の多摩センター駅にある多摩市立中央図書館もそうだが、多摩ニュータウンでは車が通るところではなく歩行者が通るところを起点にして1階が決まる。

地下広場に面した入口を入るとすぐに図書館エリアで、左に児童エリア、正面に雑誌コーナーやCD・DVDやティーンズコーナーがあり、右に一般書架が広がっている。閲覧席は一般書架窓際、ティーンズコーナー、参考図書コーナーの3箇所にあり、平日の夕方にして8〜9割埋まっている。今日は多摩美大の裏を通る尾根緑道から鑓水・南大沢のニュータウンの中へと自転車でここまで来てこの地域の住民の多さを見て来たような気分、これくらい席が埋まっているのもさもありなん。

一般書架を歩き、小説の棚で鹿島田真希の棚見出しが目に入る。きちんと調べたわけではなくぼんやりとした印象だが、鹿島田真希は失礼ながら超メジャーな小説家というほどではないので図書館の棚でも見出しはほとんど見ない。そう思って小説の棚を見回すと、わりとこまめに著者名の棚見出しを作っている。佐藤の著者に至っては、佐藤愛子、佐藤亜紀、佐藤亜有子、佐藤賢一、佐藤正午、佐藤大輔、佐藤雅美、佐藤洋二郎と8人も見出しがついている。

著者名の見出しを作るかどうかはおそらく貸出回数の多さや場所を聞かれることの多さなどで決めているのだろうが、好きな作家の見出しがあるとその図書館の好感度が上がってしまう。ちなみに私が好きだがあまり見出しがつくことがない桜木紫乃はどうかと見てみたら、ちゃんとあるではないか。ではこちらも好きだがあまり見出しがつくことがない田中慎弥を見ると残念ながらなし。私が八王子市民ならここで借りて貸出回数に貢献したいところだが、残念ながら江東区在勤・在住の私は八王子市では借りられない。

芸術(706)の棚で『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が目に留まる。書評か何かで知って気になっていた本だが、手に取ってみたのは初めてだ。思っていたより厚く、でも思っていたよりくだけた内容で楽しく読めそう。集英社のこの本の説明には「カバー裏面に仕掛けあり!」とあるが、図書館の本は透明フィルムに覆われていて裏面が見られず、ここも含めて楽しみたかったら買うべしということだ。

続けて棚を見るも背中のリュックがだんだん重く感じられ、今の私には 自転車4km→お墓掃除→自転車4km が身体にこたえる重労働となってしまったことを実感する。この辺で大人しく電車に乗り、座席で読書に耽ろうと図書館を後にする。