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篠崎図書館さんぽ カフェで閲覧

visit:2025/11/18

どこか都営新宿線沿線でさっと行ける図書館へと思って、江戸川区の篠崎図書館へ。そういえば前に篠崎図書館に行ったとき、以前は図書館エリア入口にあったセキュリティゲートがフロア入口に移動していた、つまり以前はセキュリティゲートの外にあったカフェが今はセキュリティゲート内ということになり、貸出手続きをしていない本をカフェに持って行って読むことができるということに気付いたのだった。今日はせっかくだからそうやって過ごしてみよう。

階段で3階まで上がって、階段・エレベーター前からしのざき文化センター入口へ入る。今はこちらの入口に図書館のセキュリティゲートがあり、入った正面が企画展示ギャラリー、右前方が篠崎図書館、右へ振り向いた後方がカフェ・アルティザンだ。篠崎図書館とカフェの間にオープンギャラリーがあり、あるときは展示、あるときはフリースペースとして机と椅子を置いて自由に過ごせる場と、そのときどきでいろいろなことに使われていた空間で、今日は「企画展示は新しいスタイルに変わります」という看板が立っている。読んでみると「企画展示ギャラリーからオープンギャラリーへ」「これからは、より開放的な空間で区内外の情報を広く楽しく紹介してまいります」とのことで、これまで企画展示ギャラリーでしてきたことをこれからはオープンギャラリーでするということらしい。企画展示ギャラリーの方は衝立で塞がれている。

今現在のオープンギャラリーではこれまでの展示を振り返る展示をしていて、私も一緒に振り返ると一番印象に残っているのはオープンギャラリーを覆うように足つぼマットが敷かれていたときのこと。だから展示とは言えない企画なのだが、フロア入口から靴を脱いで靴下で篠崎図書館まで行けば足つぼマッサージになる(端っこまで全て敷かれているわけではないので、必ずしも通らなければ図書館に行けないわけではない)ので、せっかくだからと歩き始めたものの痛くて全然進めない。私と相前後してカップルが靴を脱いでマットを歩き始めたが、1人はすたすた端まで歩き、もう1人は私と同様痛くて進めない。進めない者同士で苦笑いしつつ、ああして痛みを感じずに歩ける人に比べて私達はどれだけ不健康なのかと考えてしまったのを覚えている。

そんなことを思い出しながら篠崎図書館に入り、読む本を決める前に念のため貸出手続きなしでカフェに本を持って行けることを職員に確認。ついでにいつセキュリティゲートの位置を変えたのかを聞いてみたら、覚えていないけど少なくとも1年以上は前だとのこと。

さて何を読もうかと棚を歩いて、アーナルデュル・インドリダソン『黒い空』を見つける。この本はアイスランドを舞台としたエーレンデュルという捜査官が主人公のミステリシリーズの8作目なのだが、前作ではエーレンデュルが行方不明となっていて一瞬たりとも登場せず、この7作目を読み終わったときにエーレンデュルが出てこないことに憤慨しつつ、ロスに苛まれるほどこのやっかいな主人公のことを自分が好きなことに気付かされたのだった。そして書誌情報で知る限りでは8作目のこの本もエーレンデュルが行方不明であるまま話が始まるらしい。というわけで、読もうかどうか迷っていた本なのだ。

実際には、読もうかどうか迷うというより、今読むかどうか、この作品でもエーレンデュルが出ないまま終わるかもしれないことに今の自分が耐えられるかどうかという問題なのだが、それこそカフェでじっくり読むにはちょうどいいではないか。立ち読みで内容を確認するのと違って、ある程度読んでみてロスの気持ちの方が強いか、それとも楽しく読めそうかを判断できる。

本を持ってカフェに入りカフェインレスカフェラテを注文し、と"カフェ"づくしな状態でしばらく過ごしてどうやら読めそうだと判断、図書館へ戻って貸出手続きを取る。最近は読書時間がなかなか取れないので一度につき1冊しか借りないようにしているのだが、せっかく図書館に来て最初に手に取った本を借りただけで帰るのも勿体なくて書架をぶらぶら、文庫の棚で『アレックスと私』が目に留まる。最近、Youtubeの東大TVチャンネルをよく見ていて、岡ノ谷 一夫「動物に心があるか」2021年度冬学期:高校生と大学生のための金曜特別講座という動画でこの本が紹介されていたのだ。音としての真似ではなく意味を理解して英語を話すことをヨウムに教えた科学者による本、今日はざっとページをめくるだけ、いつか読もう。

心理学(146)の棚で『もう会えない人を思う夜に』というタイトルが目に入り、死別をテーマにした作品が多い小説家・彩瀬まるを連想して小説の棚へ。ここにある彩瀬まる作品は10冊強、「会えない人を思う」系のテーマの未読本では『みちゆくひと』が面白そう、それとは違う感じだが『森があふれる』もよさそうだ、と2冊をメモ。

ちなみに、気になった本のタイトルをメモしたいときは、スマホでAmazon検索をし、その本のページに移動してタイトルと表紙画像が入るようにしてスクリーンショットを撮影、その画像を写真アプリ内に作った「気になる本」アルバムに保存、としている。表紙画像があればどんな本かわかり、いつどうして気になったのかもなんとなく思い出せる、「いつ」に関しては画像のタイムスタンプで正確にわかるので便利だ。倉庫・運送の労働環境が悪そうなAmazonで本はもう買わないようにしているが、ネット書店の中ではAmazonが表紙画像を一番大きく表示しているので、この使い方にはAmazonがいいのである。

そろそろ帰ろうかと出口へ向かう途中、新刊コーナーで『怪死 遺骨と埋葬と殺人の迷宮』が目に留まり、開いてみたら実際に起こった怪死事件の謎を追う内容のようでこれもいつか読んでみようとメモ。読み始めた本1冊、新しく知った本3冊の収穫を得て図書館を後にした。