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北区立中央図書館さんぽ 昭和ブームなのか?

visit:2024/11/14

先日、次は北区立中央図書館上十条図書館と図書館巡りを楽しもうと思ったのを実行しようと、まずは王子駅へ。王子駅から北区立中央図書館に行くには北口に出るのがいいのだが、乗るときに何も考えずにいたせいで王子に着いたときには南口への階段に近い位置。そういやこれまで何度も王子に来てるけど南口に出たことは一度もない、たまにはこちらから出てみるかとそのまま階段を降りる。

改札を出て右に行けば飛鳥山公園やその中にある渋沢資料館、左に行くと国立印刷局王子工場やサンスクエア。この後図書館を2館巡るつもりなので、前半で散策しすぎて後半力尽きないよう飛鳥山公園はやめにして左側に出る。駅ロータリーもあるものの中央口と比べての人の少なさ、建物少なさに「裏」の雰囲気を感じながらおのぼりさんのようにキョロキョロしながら歩く。

石神井川を渡った先にあるサンスクエアも、これまで何度も見てはいたけど一度も入ったことがなく、いい機会と思って中へ。東武ストアに入ると古そうなアイドル系ポップスが流れていて令和ではない過去へタイムスリップしたような、でもセルフレジがずらっと並んでいるところは令和らしい、何とも不思議な空間。ちょうどお昼御飯を食べたい頃合いになり、1階のリトル・マーメイドでパンとココアを食べる。

腹ごしらえを終え中央図書館へと北とぴあ手前から権現坂を上っていると、前を歩く人が気になる。たぶん、2013年頃の北区立中央図書館ビブリオバトルで司会を勤めていた職員さんだと思うのだが、後ろ姿だし5年以上は会っていないので確信が持てない、でも歩き方もその人っぽい気がする…とずっと前の人を凝視しながら坂を上っていたので傍から見ると私が怪しかったはず。坂を上りきったところで声を掛けてみたらご本人で、久しぶりにお話できて気分がすっきり、そうやって知っている人にあって「この地域を知っている感」を高めて、あらためて中央図書館へ。

図書館に辿り着くまで過程を長々と書いているが、私の場合はこうやって「この地域を知っている感」を高めて図書館に行くのが好きだ。「遠くの図書館に来た」のではなく「いつもの生活の中で図書館に行く」感覚にして、そういう人たちに混ざって図書館で本を読む。そのなりきりも含めての図書館巡り。

王子駅から中央図書館へ行くと2階入口から建物に入り、今日は2階の児童フロアはパスして、1階の一般書架へ。いや、その前にカフェ「Atelier de Reve(アトリエ・ド・リーブ)」が閉店した後どうなっているのかを確認してみよう。カフェがあった区画の入口に「カフェは2022.8.31を持って閉店しました」の文字があり、持込飲食可能なフリースペースとカフェが半々だったのが全面フリースペースへと変わっていた。レジカウンターなどがあった台も残っていて、カフェの名残が感じられるのが少し寂しい。

ただ、少し前に北区立図書館ウェブサイトでこのカフェスペースの運営事業者を募集してたはずと確認してみたところ、荒川区立尾久図書館にあるカフェ「ひぐらしベーカリー」を運営している丸新クリエイト株式会社に決まったとのこと。この会社の本体といえるひぐらしガーデンには行ったことがあるのだが、ひぐらしベーカリーが開店した後の尾久図書館にはまだ行ったことがない。これはぜひ近いうちに尾久図書館に行ってみよう。

1階図書館エリア入って左の雑誌コーナー。文芸雑誌を中心にぱらぱら立ち読みしていたら、「本の雑誌」2024年12月号の特集「あの頃、君は読んでいた。」がとても面白く、ざっと立ち読みではもったいないと桜の花びらを模った椅子に座って精読。昭和がブームだということで70,80年代を代表する作家の紅白対決ラインナップを岡崎武志・柴口育子・堀井憲一郎が作る企画で、お三方よりは若い私にも懐かしい作家も挙がれば、ほとんど知らない作家も挙がる思い出話は、できることなら文章にまとめたかたちではなく生音声で聴きたいくらい。

図書館で懐かしい作家紅白対決ラインナップを見てしまったら、挙がっていた作家の本を館内で読んでみようというのが道理。が、果たして久しぶりに名前を聞くような懐かしの作家の本が開架の書架にどれくらい出ているだろう。まずは、私の中で懐かし度が最も高かった森瑤子。単行本の棚には『甲比丹』のみ、文庫本の棚には『夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場』のみ。やはり最近は読まれなくて閉架に置かれているのかもしれないと検索機で調べてみたら、逆に中央図書館でない図書館の方が棚に数冊ある状態になっているよう。

更に検索結果を見て、そういえば中央図書館には開架と閉架の中間のような「公開書庫」があったと気付き、そちらなら「あの頃~」で挙がった作家の本がたくさんあるはずと思ってそちらに移動。結果的にはそうでもなく、例えば森瑤子なら『森瑤子自選集』の全巻が並ぶのみ。「あの頃~」では村上龍・村上春樹のような、70,80年代を代表する作家でもあり今もよく読まれる作家も挙がっていて、そうした作家の本は開架の棚にも公開書庫の棚にも本があるのだが、その時代に絞った懐かしさを味わえる本が期待したほどにはない。

ほかには「あの頃~」で挙がっていて私は全く読んだことがなく気になった小峰元は、2冊所蔵の2冊とも閉架。名前が挙がっていた人を思い出しながら公開書庫をぶらついて見つけたのは堀田あけみ3冊だけど、私の好みではない。この後上十条図書館にも行くことを考えると、閉架の本を出してもらうよりは、棚から直接手に取れる本でお手軽に懐かしさを味わいたかったのだが、思うようには行かないな。

そこで気持ちを切り替えて「あの頃~」から離れて面白そうな本を探すという目で棚を見はじめて、目に留まったのは色川武大。色川さんの本を読むならざっと立ち読みではなくじっくり読みたい、でも今日は上十条図書館で本を借りようと思っているので、中央図書館では借りるのはやめよう…と何のために本を物色しているのかよくわからなくなってきた。冷静に振り返ると、さっきから棚を見るか検索するかばかりでほとんど本を開いてないような。この辺で中央図書館は切り上げて上十条図書館に移動しよう。

ところで、そもそも昭和って今ブームなのか。私、最近Duran DuranにはまってYouTubeMusicで彼らの80年代の曲を聴きまくっていたら、2024年10月にDuran Duranをたくさん聴いた人の上位0.02%に入ったというバッジがついたのだが、これも昭和ブームの一つ?