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世田谷区立図書館 ブックボックス玉川総合支所

世田谷区立図書館 ブックボックス玉川総合支所 訪問記

last visit:2026/07/14

ギグワーカーが配送する新しい仕組みを実証実験中のブックボックス玉川総合支所で予約受け取りをしてみました。大まかな流れは他のブックボックスと同じですが、異なる点もいろいろありました。

ギグワーカーが図書館の予約本を配送する仕組みを実証実験中

世田谷区立図書館では、2024年4月から宅配ロッカーのような仕組みで予約本を受け取ることができる「ブックボックス」を展開しており、2026年7月時点で梅丘烏山経堂下北沢の4カ所にブックボックスを設置しています。それらは各ブックボックスの近くにある図書館・カウンターが管理するかたちで運営されているのですが、それとは別の方式でブックボックスへ本を配送する仕組みの実証実験が2026年6月24日から2027年3月31日まで玉川総合支所で行われています。

別の方式とは何かというと、アプリを介して配送を請け負うギグワーカーが中央図書館からブックボックス玉川総合支所まで本を運ぶ仕組み。配送する人として登録すると、LINEで運ばれるのを待っている荷物があるかどうかを確認、配送すれば報酬を受け取ることができます。日鉄ソリューションズ株式会社のHakobini(ハコビニ)というサービスがその仕組みを提供しています。図書館利用者として使う分には、大まかには他のブックボックスを使う場合と同じですが、こちらの仕組みならではの点もいくつかあります。

予約から取り置きされるまで

ブックボックス玉川総合支所で本を受け取るには、世田谷区立図書館のシステムで予約する際に受取希望館を「ブックボックス玉川総合支所」とします。ブックボックス共通ルールで資料受取ができるのはロッカー状のブックボックス(幅24.5cm、奥行41.5cm、高さ11.5cm)に入る大きさの図書・雑誌のみとなっており、入りきらない大型本やCDなどはブックボックスを利用できません。

その後、ブックボックスで本の受取ができるようになると予約確保メールが届きます。いつ取りに行くかに関わらず、予約確保メールの次の日から貸し出されていることになり、その点は玉川総合支所も他のブックボックスも共通です。早く取りに行かないとその分だけ貸出期間が無駄に食われてしまうことになるので、利用する際には注意が必要です。

その後の保管期限や期限後の流れが他のブックボックスと玉川総合支所とで違いがあり、他のブックボックスでは保管期間が4日間であるところ、玉川総合支所では8日間です。また、他のブックボックスでは、ブックボックスでの保管期間が終わった後、その本の貸出期限日まではブックボックスを管理している館(ブックボックス烏山なら烏山図書館など、近くの図書館・カウンターが管理館になっている)で保管されて、そちらに取りに行けば受け取れます。対して、玉川総合支所ではブックボックスでの保管期間が終わった時点で返却されます。この違いを表でまとめると、以下のようなかたちになります。

予約確保メールが7月1日に送られた場合
貸出日は7月2日、貸出期限日は7月16日となる
7/1234567891011121314151617
既存のブックボックス(梅丘烏山経堂下北沢ブックボックスで保管管理館で保管返却
ブックボックス玉川総合支所ブックボックスで保管返却
14~16時の間にブックボックスから管理館へ移送
届いた本を取りに行く

私もさっそく受取場所をブックボックス玉川総合支所にして予約、予約確保メールを受けて東急大井町線の等々力駅そばの玉川総合支所へ向かいました。ここに来るのは初めてだったのですが、二子玉川方面行きの電車の進行方向後ろ寄りの車両から降りると、探すまでもなく車両のドアから出た目の前が玉川総合支所でした。通勤や通学で等々力駅を使っている人だけでなく、等々力駅を経由するルートの定期券を持っている人にも寄りやすい近さです。

玉川総合支所1階の東側(駅から見て右側)の区画が玉川区民会館ホール、西側の区画が区の主張窓口などが集まるエリアで、ブックボックスは西側区画のうち駅から遠い方の入口そばにあります。そちらの入口を入って、2つの自動ドアを抜けたすぐ右の角に、本棚に見えるようなイラストが描かれている宅配ロッカーのような物体がそれです。

ブックボックスにたどり着いたはいいのですが、私はこの後迷ってしまいました。というのも、これまでのブックボックスは左上にバーコードの読み取り口があり、そこに図書館カードをかざせばよし。対して、ここのブックボックスには「二次元コードをカメラに読み込ませてください」と書いてあるカメラしかない。図書館カードはバーコード、つまり横方向に縞が描かれた一次元コードです。二次元コードなんて持ってませんけど…??

ブックボックスの横などをみても一向に一次元バーコードを読み取るものが見つからないので世田谷区立中央図書館に電話して聞いてみたところ、その二次元コード用のカメラで図書館カードのバーコードも読み取れるということでした。わかってみれば、電話する前にこのカメラで図書館カードが読み取れるかどうか試してみればよかった。対応してくれた職員さん、ありがとうございました。ちなみに、どうして二次元コード用のカメラと書いてあるかと言うと、Hakobiniが発行する二次元コードでも予約受取ができるからです。この点については後述します。

バーコードをカメラにかざすと自分の予約本が入っているボックスが自動的に開く、それはこのブックボックスでも他のブックボックスでも同様です。但し、開いたボックスの中を見ると、他のブックボックスとは違う点がある。他のブックボックスでは予約本がそのままボックスの中に入っているのですが、このブックボックスでは開いたボックスの中に「ブックボックス用図書運搬専用バッグ」というビニール製の青い袋が入っている。そして、その中に自分が予約した本が入っています。

このバッグも貸出対象で、図書館の本についているものと同様の蔵書管理バーコードが貼ってあります。この時点で世田谷区立図書館システムで私の貸出中資料を確認すると、予約した本と図書運搬専用バッグの計2件となっています。図書運搬専用バッグは貸出上限にはカウントされませんが、貸出管理の対象なので延滞すると他の資料と同様にあらたな貸出や予約ができなくなる場合があるのだろうと思います。

このバッグがなかなか存在感がある代物で、そのまま手に提げて持ち歩くか自分の鞄にしまうか悩ましい物体です。雨や衝撃から本を守るためでしょう、結構しっかりした素材で、幅37cm、奥行27.5cm、高さ7cmという大きさがあり、中を空にして折りたたんでもそれほどコンパクトにはならない。でも、「ブックボックス用図書運搬専用バッグ」と大きく書かれているので、持ち歩くには何だか恥ずかしい。結局、専用バッグと書かれている側を内側にして家まで持って帰りました。

そうやって迷っていたときに助かったのは、施設内のエアコンが効いててソファもある区画だったこと。但し、そのように施設の中にあるため、施設が開いている時間帯(8:30-21:30)にしか利用できません。

ギグワーカーによる配送の仕組み

図書運搬専用バッグには、予約した本のほかに、Hakobiniの配送者になる案内チラシが入っていました。それによると、LINEを通じて配送者登録をすることができ(マイナンバーカードによる本人確認が必要)、登録すると運ぶ荷物(本)があるかを検索、あれば仕事を引き受けることができるとのこと。チラシによると、中央図書館にもブックボックスがあり、LINEアプリが発行した二次元コードを読み取ませて荷物を受け取り、配送先のブックボックスに着いたらそこでもLINE発行の二次元コードを使って本を入れれば仕事が完了。2026年7月1日時点で配送1件100円の報酬があり、報酬は月1回まとめて受け取ることができるとのことです。

図書交換便なら定期的に毎日配送車が回ってくるのに対し、この仕組みでは誰かが配送を請け負わないといつまでも配送されないことになります。実際、私は2026年7月9日に在庫中の本を予約したのですが、他のブックボックスだったら翌日の7月10日に予約確保メールが来るところ、今回は7月12日に予約確保メールが送られてきました。この実証実験が始まったのが2026年6月24日、まだ1ヶ月も経っていないので、配送者登録をしている人も少ないのかもしれません。

7月10日には中央図書館のブックボックスに用意されていたと推測できる理由がもう一つあります。予約確保メールがまだ来ていない7月12日朝の時点で世田谷区立図書館システムにログインしたところ、予約した資料は「回送中」、そして図書運搬専用バッグが「貸出中 貸出日:2026年7月10日」となっていました。予約した本がまだ借りられないのにバッグが先に貸出されるってどういうこと?バッグの貸出期限が7月24日になっているんだけど、このままだと予約した本の貸出期限より先にバッグの貸出期限が来るってこと?といろいろ謎でしたが、予約確保メールが届いた後に確認したところ、バッグの貸出期限は本の貸出期限と同じ日の7月27日に更新されていました。

利用者もLINE登録で便利な機能を使えます

LINEのHakobiniアプリは図書館利用者として登録することもできます。図書館利用者として利用者カードの番号を登録すると、予約本がブックボックスに届いたことがLINEに通知されるほか、ロッカーの何段目に入れるかのオプション設定をすることができます。といっても、選択肢としては「5~7段目のみを利用する」「何段目でもいい」の2択しかないのですが、全部で10段あるブックボックスの各ボックスのうち取り出しやすい真ん中辺りに限定するかどうかを設定できるというわけです。また、ブックボックスに届いた本を受け取る際に、図書館カードを読み込ませるのではなく、Hakobiniで表示した二次元コードを読み込ませて受け取ることもできます。

図書館の利用者IDを他の事業者に教えることに抵抗がある人もいるかもしれません。おそらく、Hakobiniのシステムでは利用者IDと図書運搬専用バッグを紐づけしているだけで、誰がどの本を借りているという貸出情報をHakobiniで扱ってはいないと思うのですが、その辺りに関して世田谷区立図書館のウェブサイトやHakobiniの利用規約をみても情報はありません。この点はどこかに明記して欲しいところです。

配送者が集まるかどうかが肝

思えば、既存のブックボックスも最初はブックボックス下北沢での実証実験として始まり、その後本格的に導入されて、現在では4箇所に広がっています。では、Hakobiniサービスを使うかたちのブックボックスも実証実験終了後に本格運用へと進むのか。既存のブックボックスの方式だと管理館となる図書館・カウンターから近い場所にしか設置できませんが、管理館なしで配送できる仕組みが成功すれば、近くに図書館がない区民にも広く利用してもらうことができます。

今回、利用者側の立場で使ってみたかぎり、普段の行動圏内にこの仕組みのブックボックスがあればうまく使ってみたいと思いました。上述したように図書館や他のブックボックスより届くのに少し日数がかかり、自分が受け取る前に貸出状態になってしまうので、それほど急いで読む必要がなく、かつ、読むのに時間がかからない本なら構わない、という感想です。

一方、この仕組みを成り立たせるのに必要な配送者になりたいかというと、こちらは微妙です(笑)。1件の配送で100円、同時に運ぶ荷物が複数あれば個数×100円の報酬も可能ですが、世田谷区弦巻の中央図書館から等々力の玉川総合支所までは、Google Map調べで徒歩51分、自転車で19分、車で19分、電車・バスの最短は東急線乗り継ぎ25分で180円の交通費がかかります。料理の宅配のようにこぼれないようにする注意は不要ですが、厚い本だと重いです。元々このルートを通る用事があってそのついでというならまだしも、そうでないときに積極的に運びたいかと言うと、う~ん…・

とはいえ、人の考え方はそれぞれ。図書館をよく利用しているので協力したいとか、天候がよければ運動を兼ねてという人もいるかもしれません。このサービスが成り立つほどの配送者が登録されるかどうかが、実証実験が成功するかどうかの決め手になるのではないでしょうか。このサービスが今後どうなるのか、注目したいと思います。

アクセス

住所東京都世田谷区等々力3-4-1 玉川総合支所1階ロビー
最寄駅
駐輪場
  • 建物北側に自転車駐輪場あり
  • 地下1階の駐車場内にバイク駐輪場6台分あり。利用は8:00-22:00、料金無料。
駐車場 地下1階に一般用駐車場27台分、身体障害者用駐車場1台分あり。利用は8:00-22:00、8分100円。総合支所へ申請・相談等で来た人には駐車サービス券あり、障害者手帳等を持っている人は利用料免除。詳しくは世田谷区ウェブサイト内の玉川総合支所のページを参照。
2026/07/23に世田谷区ウェブサイトにて確認

開館時間・定休日

開館時間
8:30-21:30
定休日
12月29日~1月3日