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たかなわミュージックライブラリー 第3回「ヒットパレード70's」

―2012年10月17日のイベント
visit:2012/10/17

3か月に一度のお楽しみ、港区立高輪図書館のCDコンサート“たかなわミュージックライブラリ”の第3回目のテーマは「ヒットパレード70's」。“たかなわミュージックライブラリ”は、音楽好きの図書館職員さんと、これまた音楽好きの高輪図書館館長さんが織りなす、図書館イベントというよりはラジオの公開録音のような雰囲気が毎回楽しみなんです。プログラム前のオモシロ音楽コーナーではカズーで演奏された70年代の曲を紹介してくれたり、本番では70年代をティーンネイジャーとして過ごした館長の思い出話や、梅澤教授のギター生演奏による解説など、盛りだくさんの内容でした!

ちなみに、梅澤教授というのは高輪図書館の職員さんのCDコンサートでの姿で、普段は館長と職員という関係のこのお二人、たかなわミュージックライブラリでは職員さんが教授、館長が助手と主従が逆転します(笑)。この日の昼休憩でも、マウントレーニアのコマーシャルで伊藤歩が手にしているレコードは何かということを話題になったそうで、立場を越えて音楽で盛り上がる二人の存在がこのイベントを生んだんですね。音楽が好きな高輪図書館利用者さんは、休憩室にお邪魔して一緒に盛り上がりたくなるのでは?!

§ カーペンターズからディスコサウンドまで珠玉の70年代

第1回「ビートルズ」第2回「5Q69 マイルス・デイビス」とアーティストを焦点にあてたこれまでと違って、今回は「70年代」という時代での切り口。曲目リストは下のようなかたちでした。

1.ファイアー・アンド・レインジェイムス・テイラー
2.君の友達キャロル・キング
3.甘い罠チープ・トリック
4.イエスタデイ・ワンス・モアカーペンターズ
5.ホテル・カリフォルニアイーグルス
6.ペグスティーリー・ダン
7.明日なき暴走ブルース・スプリングスティーン
8.ホワッツ・ゴーイン・オンマーヴィン・ゲイ
9.ステイン・アライヴビージーズ
10.おしゃれフリークシック
11.アローン・アゲインギルバート・オサリバン

「イエスタデイ・ワンス・モア」「ホテル・カリフォルニア」と、昔を振り返るような歌詞の曲がヒットしているというのが、なかなか興味深いですね。「イエスタデイ・ワンス・モア」はタイトルからして“昔をもう一度”ですし、「ホテル・カリフォルニア」の“We haven’t had that spirit here Since nineteen sixty-nine”という歌詞なども、過去のとらわれを思わせるところもあり…。

今回のミュージックライブラリはこれまでになく館長が饒舌で(笑)、当時のディスコでは洋楽と一緒に矢沢永吉や桑名正博の曲が流れていたとか、ディープ・パープルの「Highway Star」をギターで練習したとか、館長の若かりし頃の思い出話とともにこれらの曲を聴いたんですね。だから猶更かもしれないけど、感受性が鋭いときに聴いた音楽や体験したことってその人格形成にかなり関わっていて、時代の流れとともにその体験が過去の出来事となったときに、新しい時代や社会へとそう簡単には着替えられない。そして70年代初めのアメリカでは、個人だけでなく社会全体がそういう雰囲気になっていて、「イエスタデイ・ワンス・モア」「ホテル・カリフォルニア」のような曲が生まれたのかも。梅澤教授もそんな話をしていましたし、こうして特定の年代の歌詞に注目すると見えてくるものがありますね。

そうそう、梅澤教授といえば、今回はギターを持ち込んで生演奏して、10年のうちにどれほど音楽が変わったのかを解説していただきました。ディープ・パープルの「Highway Star」はリリースが1972年でピックの動きが半端ないわけですが、その10年前だと腕を下へじゃらんとダウンストロークする音楽が主流だった、この10年の変化速度はすごいことだと。とてもわかりやすい上に、梅澤教授の演奏もいいではないですか。梅澤教授、今後生演奏講座をたかなわミュージックライブラリの定番にしていきましょう!

でもホント、スプリングスティーンもあれば、マーヴィン・ゲイもいて、ビージーズもいれば、キャロル・キングもいる。別に70年代じゃなくてもそうなのかもしれませんが、10年もあればいろんな音楽が登場しますよね。1時間のプログラムで取り上げられるのは、そのうちのほんの一部なのですが、たかなわミュージックライブラリで配布されるプログラムには、1時間のイベントの中では紹介しきれないことも満載で、それを読むのも楽しみなんです。今回も、「ウッドストック」「シンガー・ソングライター」「オールディーズ・ワンス・モア」「ウェスト・コースト・サウンド」「ハード・ロック」「グラム・ロック」「ビッグ・イン・ジャパン」「ニュー・ソウル」「ディスコ」「クロス・オーバー」「ロックンロール・リバイバル」「パンク」という12のキーワードで70年代をたどっています。

…と、設備が整った視聴覚室を活かしての音楽と、お二人のトークを楽しんでいるうちに、プログラムが終了。今回はこれまでになく進行がスムーズでびっくり(笑)。いつも音楽に聴き入っていた館長の口が今回は滑らかで梅澤教授が作業しやすかったこともあり、曲の切り替えもスムーズで、これも3回目というキャリアのたまものですね。10分ほどの時間オーバーはいつも通りだから気にしないとして(笑)、腕時計をしていないにも関わらず癖で腕を見てしまう梅澤教授の進行によって、19:45から館内に流れてしまう閉館音楽の前にプログラムを無事終了することができました。私も視聴覚室内に集められた本やCDから2点借りてきたし、大満足です!

そうそう、今回は別の図書館職員さんがイベントの様子を写真に撮っていたのに加えて、ほかにも写真を撮っていた方がいらっしゃったんです。私が聞き耳を立てて得た情報をつなげると、梅澤教授が図書館の外へと飛び出して活躍をしそうな予感…!こちらもどうなるのか楽しみ。梅澤教授、図書館を飛び出した活動についても、ぜひ私にご一報くださいね!

§ 次回は日本のポップス

こうなると今後がまたまた楽しみになってくるわけですが、次回は2013(平成25)年1月16日18:30からで、テーマは「日本のポップス」。1970年代後半から80年代に焦点をあてるプログラムだそうですよ。たかなわミュージックライブラリー初の邦楽テーマなので、洋モノは聴かないんだよなと思っていた人も次回はぜひ!

私自身1971年生まれなので、次回のテーマこそ、館長にとっての今回のように、ドンピシャでティーンネイジャーだった時期なんですよね。大瀧詠一、YMO、杉真理、山下達郎、ユーミンもそうか。個人的には次回は2時間でもいいくらい(笑)。梅澤教授、ドンピシャティーンネイジャーをうならせる選曲、よろしくお願いします!