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荒川区立南千住図書館

荒川区立南千住図書館 訪問記

last visit:2011/11/25

荒川区立南千住図書館は、日光街道が千住大橋に向かって北上する手前西辺りにある図書館。荒川区立図書館の中心館(「これからの図書館調査懇談会報告書」という資料によると、中央図書館的機能を果たしているけど、あくまで中央図書館ではない とのこと)で、荒川ふるさと文化館との併設施設です。

§ 図書館の場所

南千住図書館は、その名の通り、南千住駅が最寄り駅。駅の西側に出て、吉野通りを千住大橋に向かって歩いていきます。その先で、吉野通りが日光街道と合流しているのですが、日光街道を渡った向こう側に素盞雄(すさのお)神社側があるので、その神社を通り抜けて行くと、荒川ふるさと文化館と南千住図書館の併設施設があります。別に神社の中を通っていく必要はないのですが、神社の脇の通りは車が多い割には歩道が狭いですし、境内を歩くのは気分もいいのでぜひこのルートでどうぞ。

一度、節分の日に南千住図書館に行ったことがあるのですが、隣の素盞雄神社の節分行事に参加する人の自転車が図書館側にまで進出する勢いで、係の方が通行を確保するために駐輪しようとしている人を整理するのにご苦労していました(ちなみに、節分行事のときには神社の敷地内に駐輪場が用意されているので、そちらをどうぞ)。でも、ふだん南千住図書館を利用する人は、図書館利用のついでに季節行事に参加したりして、いつもの暮らしのなかで季節が感じられる。いい場所にある図書館だと思います。

§ 図書館内の様子

施設の入口を入って、左が荒川ふるさと文化館。右のエレベーター・階段を使って、2階が児童図書館、3階が一般図書館です。

1階の荒川ふるさと文化館の隣には郷土学習室という部屋があり、ここにも荒川区などの資料が置いてあります。ここの資料にも南千住図書館のバーコードが貼ってあるのですが、この部屋での貸出手続きなどはしていないようですね。

この郷土学習室の一番奥の棚には「皆川号外コレクション」というのがありますが、これ結構面白いですよ。明治・大正・昭和の新聞の号外のコレクションの複製が製本されてずらっと並んでいます。新聞社自体でももう持っていないものなんかもあるそうで、かなり貴重なコレクション。ときどき荒川ふるさと文化館の企画展示でコレクションを展示したりもしています。歴史的事件の際に出された号外をぜひ見てみてください!

2階の児童図書館と3階の一般図書館は別々の入口があるものの、中でも行き来できるようになっていますね。2階の入口入って右には仕掛け絵本が机の上に並べられています。いわゆる「飛び出す絵本」みたいな絵本ですね。こういうの結構好きなんですよね。それ以外の絵本は入口からまっすぐ進んだあたりにあります。外国語の絵本もあり、9割英語、1割ハングルといったところ。

そのほかおはなしのへやなどもありますが、児童図書館はやはりそれほど広くはないですね。3階の一般図書館の方は2階の3倍以上はあるかなあ。

3階は入口入ってすぐ左が特集コーナーで、たぶん月替わりで展示をしています。荒川ふるさと文化館と連動して展示したりすることもあって(例えば小松崎茂特集など)、結構面白いんですよ。その反対側、入口入って右の壁には、新聞の荒川区関連記事の切り抜きが貼ってあります。こういうのがあると、自分の購読していない新聞の記事も見ることができていいですよね。

へぇ~と思ったのが、掲示板に予約の多い本ランキングが貼ってありまして、こういうのはたいてい「予約本ランキング」なんていう何のひねりのないタイトルがついていたりするものですが、ここのは「予約しないと読めない面白い本」というタイトルでした。こういうのってちょっとしたことだけど、目を引きますね。

書架の棚を見て回っていると、棚の側面に本を表紙が見えるように置ける出っ張りがあって、本が1,2冊飾ってあります。ただ、この出っ張りの上に、その棚に置かれている本のジャンルを示す文字が大きく書いてあるので、飾った本がそれほど目立たないんですよね。もうちょっと何もないところで面差し(本の表紙を正面にして置く)にした方が、本自体が目立つように思います。

南千住図書館には閲覧室とは別の「学習室」が設けられています。ここは自由に座るのではなく、カウンターにカードを提出して指定された席を利用するシステムです。机ごとに照明があるし、きれいでいいですね。ただ、カウンターを通さないで利用する人がいないかチェックするためでしょう、書架とのしきりが透明なので、行き来する人が気になっちゃうかもしれません。そこは頑張って集中しないといけませんね。

それとは別に壁際に調べもの席があり、ここもカウンターにカードを提出しての利用です。こちらは学習室よりちょっと一人分のスペースが狭いかな。でもこちらもちゃんと一人一人に照明がありますし、電源もあって持参PCの利用ができるようになっています。

また、図書館の中央辺りにはネット閲覧PCコーナーがあります。以前はノートPCのみだったのですが、2006年7月からデスクトップPC4台、ノートPC4台となりました。私は家でデスクトップなのでノートPCだとキー配置に戸惑っていたところ、これは嬉しい。皆さんも普段使い慣れている方をご利用くださいね。利用は2時間以内となっています。

また、ビジネスコーナーも充実しています。ネット閲覧PCコーナーの周囲の棚の一画がビジネスコーナーなのですが、このコーナーは日本十進分類法(0:総記、1:哲学、、、ってやつです)ではなく、書店の棚のように内容別に「コーチング」「顧客志向」といった感じの分類になっています。ラインナップも、起業からその後の各フェーズを押さえている感じで(といっても別に起業を勧めるコーナーではありません。ちゃんとビジネス全般です)、かなりすごいですね。

ビジネスコーナー以外のネット閲覧PCコーナーの周囲は、カセット・CD・ビデオのAV資料コーナーになっています。数もたくさんありますね。南千住図書館は2006年4月からDVDも所蔵しているのですが、このAV資料コーナーには置いていないようですね。ビデオ・DVD目録が利用登録申込用紙などがある台にあったので、閉架で管理しているみたいです。

文庫棚が並ぶエリアに接している9番の棚には「吉村昭著作コーナー」があります。吉村昭さんは荒川区出身の作家で、この建物1階には「吉村昭の部屋」という展示コーナーもあるくらい。図書館にもこうしたコーナーを設けて、貸出できる関連本を並べています。吉村昭さん自身の著作はもちろん、その英訳本や、亡くなったときに追悼特集が掲載された雑誌などがあり、じっくり読むことができます。

日本の小説は著者名の五十音順に並んでいます。但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に五十音順の並びに入れられています。例えば、椎名誠(シイナ マコト)が書いたの本の隣に、『C・N25』(シーエヌニジュウゴ)という本が並び、その隣にジェームス三木(ジェームス ミキ)が書いた本がある、といった具合。外国の小説は国別分類はされておらず、“外国文学”でひとまとめにして日本の小説と同様に著者名の姓名による五十音順に並んでいます。

所蔵本には洋書もありまして、言語は英語・ハングル・中国語がそろえてあります。英語は文学のみならず、料理本や車・バイク本なんかも。

図書館の入口から見て右奥には、荒川区の文学という棚がありまして、結構細かく、「南千住の文学」「尾久の文学」「町屋の文学」なんて感じに分かれています。その右の方の棚には、小松崎茂(荒川区出身)や阿部定事件に関する本(事件が起きたのが荒川区)などがあり、これも荒川区だったんだ!という発見がありますよ。

そのさらに奥には、荒川区の小中学校で実際に使用されている教科書もありました。ここに限らず、図書館にはその地域で使っている教科書を置いてあるところって結構あります。お子さんをお持ちのご家庭で、学校を私立にするか公立にするか考えているとか、これから引越しのご予定があるとかで、その地域の公立学校の教科書が見てみたい場合は、図書館に問い合わせれば所蔵しているかもしれませんよ。

そしてそして、何といっても荒川区図書館のすごいところは貸出冊数制限がない、というところ。期限内で読める範囲で何冊でも借りていいのです。利用登録も在勤・在住等の制限がないし、めちゃくちゃ寛大ですね!

荒川区立南千住図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  秋の図書館フェア「図書館から文学のおくりもの」 ~紀行文・書簡・随筆(エッセイ)・日記
―2007年10月から11月11日までの展示
  秋の図書館フェア「五教科」 ~理科
―2006年10月21日から11月12日までの展示
  秋の図書館フェア「来(らい)!ぶらり日本一周」 ~中国・四国エリア
―2005年10月22日から11月13日の展示
2005年秋に荒川区立図書館全館で行った図書館フェア「来(らい)!ぶらり日本一周」での、南千住図書館の担当「中国・四国エリア」の展示
  「下町の空想画家 小松崎茂展」
―2005年7月30日から9月25日までの展示

荒川区立南千住図書館 データ

住所東京都荒川区南千住6-63-1 2,3階 →Google Mapで見る
Tel03-3807-9221
開館時間
火~土曜9:00~19:30
日曜・祝日・臨時開館日9:00~17:00
※臨時開館日とは、夏休みの終わり頃などに、本来休館日である月曜を、臨時に開館してくれる日です
定休日月曜(祝日は開館し、翌日休館)
第2木曜(祝日は開館)
12月29日~1月4日
最寄駅 東京メトロ日比谷線JR常磐線つくばエクスプレス 南千住駅から徒歩10分
都電荒川線 三ノ輪橋駅から徒歩13分
京成本線 千住大橋駅から徒歩14分
所蔵資料
図書所蔵数135,373冊(2023/03/31現在、出典『荒川区の図書館 令和5年』)
CD所蔵数13,162点(2023/03/31現在、出典『荒川区の図書館 令和5年』)
カセット所蔵数1,224点(2023/03/31現在、出典『荒川区の図書館 令和5年』)
DVD所蔵数1,868点(2023/03/31現在、出典『荒川区の図書館 令和5年』)
ビデオ所蔵数984点(2023/03/31現在、出典『荒川区の図書館 令和5年』)
設備
ブックポスト正面入口向かって右の壁面にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCネット閲覧PC10台あり。1回1時間。次の予約がなければもう1時間だけ延長可能。
持参PC利用調べもの席で持参PCの利用可能。電源あり。
LAN接続無線LANコーナーで館内無線LANの利用可能。カウンターに利用申込すると、IDとパスワードを渡してもらえます。利用時間は1回1時間、次の予約がなければもう1時間だけ延長可能。
飲食設備等2,3階の図書館エリア手前に飲食コーナーあり(2階4席、3階6席)