南千住図書館さんぽ 1度では足りない
南千住駅を降りて南千住図書館へ向かう。吉野通りを千住大橋へと歩くと道が日光街道と合流する辺りに素盞雄(すさのお)神社があり、その西隣が荒川ふるさと文化館と南千住図書館の併設施設だ。神社に接する通りは車が多いわりには歩道が狭いので、境内が開いている時間帯には境内を歩いていくのもいい。
以前、節分の日に南千住図書館に来たことがあるのだが、隣の素盞雄神社の節分行事に参加する人の自転車が図書館側にまで侵出しており、係の人が通行を確保するために駐輪しようとしている人を整理するのに忙しそうだった。係の人は大変だろうが、図書館のそばに季節行事が行われる神社があるというのはいい立地だ。勉強しに通っているときにも、季節の移り変わりに心を向けさせてくれるだろう。
建物の入口を入ると左に荒川ふるさと文化館がある。右側にあるエレベーター・階段を使って上にあがると、2階が児童フロア、3階が一般書架だ。1階の荒川ふるさと文化館の隣には郷土学習室という部屋があり、ここにも荒川区の資料などが置いてある。ここの資料にも南千住図書館のバーコードが貼ってあるのだが、この部屋での貸出手続きなどはしていない。
郷土学習室の一番奥の棚には「皆川号外コレクション」というのがあり、読み始めると結構面白い。明治・大正・昭和の新聞の号外のコレクションの複製が製本されてずらっと並んでいるのだ。新聞社自体でももう持っていないものなんかもあるそうで、かなり貴重なコレクションとのこと。そういえば、荒川ふるさと文化館の企画展示でこのコレクションを使った展示をしていたのを見たことがある。
次は2階の児童フロアへ。「2階が児童フロア、3階が一般書架」と言うとそれぞれが同等の面積のように聞こえてしまうが、荒川ふるさと文化館に1,2階吹き抜けになっているところがあり、一般書架フロアの半分程度の面積だ。ちなみに、階ごとに図書館入口があるものの、区画内にも階段があり、貸出手続きをしないまま2階と3階を行き来できるようになっている。
2階の入口入って右には、「飛び出す絵本」のような仕掛け絵本が机の上に展示されている。普通の絵本の棚に行くと外国語の絵本もあり、言語の割合としては9割英語、1割ハングルといったところだ。
3階は、図書館エリアの入口から本棚が並ぶ区画までに短い通路があり、そこで期間限定の展示や荒川区関連の新聞記事の切り抜き展示をしている。掲示板に予約の多い本ランキングが貼ってあり、そのタイトルが「予約しないと読めない面白い本」。ちょっとしたことだが、同じランキングを紹介するにしてもほとんどの図書館は「予約ランキング」のような何のひねりのないタイトルであり、それで間違っているわけではない。でもこのちょっとした表現の仕方に本好きな図書館職員の思いが込められているようで、こうして本が並ぶ空間にいることがいつもに増して楽しくなってくる。
雑誌が並ぶ区画の隣には「学習室」があり、カウンターに図書館カードを提出して指定された席を利用する仕組みになっている。それとは別にカウンターを通り過ぎた先の壁沿いに調べもの席があり、こちらも図書館カードを提出して指定された席を使う点は同様だ。どちらも机ごとに照明があり、調べもの席の方には電源があって持参PCを使えるようになっている。
図書館の中央辺りにはネット閲覧PCコーナーがある。以前はノートPCのみだったが、2006年7月からはデスクトップPC4台、ノートPC4台に増えている。私としては、ノートPCは猫背になりやすい、キー配置が微妙に使いづらいなどでデスクトップPCの方が使いやすいので、これは嬉しい。
ネット閲覧PCコーナーを囲うように棚が置かれ、そこはカセット・CD・ビデオの視聴覚資料が並んでいる。これだけでも数が多いが、これとは別にDVDを閉架で管理しているので、この見た目よりももっと多いことになる。この囲う棚の一部分はビジネスコーナーとなっており、図書館の一般的な分類ではなく「コーチング」「顧客志向」といった独自のキーワードでビジネス関連本を分類している。キーワードを追ってみると起業からその後の各フェーズをフォローしていたり、起業以外のビジネス書も充実していて、力の入れ具合を感じる。
書架の一画には「吉村昭著作コーナー」がある。吉村昭氏は荒川区出身の作家で、この建物1階にも「吉村昭の部屋」という展示があるのだ。吉村氏自身の著作はもちろん、その英訳本や、亡くなったときに追悼特集が掲載された雑誌などもある。それとは別に「荒川区の文学」という棚があり、その中では更に細かく「南千住の文学」「尾久の文学」「町屋の文学」と地域別に分類されている。文学とは別に小松崎茂(荒川区出身のイラストレーター)や阿部定事件(事件が起きたのが荒川区)に関する本を並べた棚もある。いろいろありすぎてこの小文で紹介するのは無理、それくらい荒川区には歴史やいろいろな側面があることがわかる棚ということだ。
とにかく1回来ただけでは足りない、特に場所と結びつけることもなく知っている出来事・人をこれらの棚で見つけて、これも荒川区と繋がっていたのかと発見するのが面白い棚なのだ。またじっくり見に行きたい。
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