砂町図書館さんぽ 暴飲暴食は体に悪いが
Audibleで下園壮太氏の本を聴いていて、おうち入院という手法になるほどと思い、もう少しこの人の本を読んでみようかと著作リストを見て気になったのが『50代から心を整える技術』。江東区立図書館で検索してみたら私の家から一番近い砂町図書館に在庫だったので、決め打ちで借りるつもりで足を運ぶ。家から砂町図書館までもAudibleで別の本を聴きながら歩いてきて、その休んでいなさが疲れの原因だとも気づいていながら、砂町図書館に入る直前で再生停止する。
借りていた本を自動返却機に投入した後、個人衛生・健康法(498.3)の棚へ。この分類は医学・薬学(49)の下に位置する分類ながら、健康のコツや心構えのようなことが書かれた本もあり、かなり幅広い。睡眠・休息・疲れなどに関する本が多いのは、それだけこうした本にニーズがあるということなのだろう。そんな中に『生き抜くための小笠原流礼法』を見つける。中を見ても所作や作法が書かれているので通過儀礼.・冠婚葬祭(385)の方が適しているようにも思うが、サブタイトルに「心と体を強くする礼儀と作法」とあり、そこに着目すれば498.3でも間違いではないかもしれない。何だか気になって借りることにする。
もう一つ、この分類で目に留まったのが片岡鶴太郎『心の中に「静」をもつ』。この人も498.3の本を書いているのかと適当に開いたページを少し読んでみたら、漫画家のいわしげ孝との交流のくだりがよくて、これも借りることにする。普段はなるべく1日1冊しか借りないようにしているのだが、今日はたがが外れてしまっている。
この棚から離れようと左を向くと、ガラス窓の向こうに閲覧室の様子が見える。席は3割程度しか埋まっておらず、夏休み前半の7月28日18:45だとこんなものなのか、または数時間前に起きた熊本地震のニュースを見て出歩くより家にいたい気分になった人が多いのか。この暑い季節、日常が失われてさぞ大変だろうと胸が痛む。被害に遭われた方が少しでも早く安心して過ごせるようになることを願うばかりだ。
ふらりと小説・エッセイの棚を眺めているうちに、昔の並び方は今の並び方と違っていたことを思い出した。いつ変わったのかはわからないが、私がこのサイトを始めた頃の砂町図書館の小説・エッセイの棚は、著者の苗字から1文字、名前から1文字をとった2文字、たとえば東野圭吾だったら「ヒケ」を図書記号としてその五十音順に並べていたのだ。現在はシンプルに著者名五十音順で並んでいる。よく見ると昔の図書記号ラベルの上に現在の図書記号ラベルが貼られているのがわかる。
あらためて今の並びの棚を見て本を選ぶことにする。図書館巡りをしていて実感するのが、しゃがむなどして下の段もしっかり見ているつもりでも、やはり一番見やすい目線の下辺りの本ばかり目に入ること。そして、しゃがんだときには1冊だけ見て立ち上がるのももったいない気がして、その位置で見える範囲をしっかり見てから立ち上がる。そんなことを無意識にしているので、特に収集の傾向に違いがない図書館が2つあるとしても、どの本が棚のどこにあるかが違えば目に留まる本も変わる。
「あ」から棚を流して見ていき、「く」で九段理江『東京都同情塔』、「こ」で呉勝浩『ライオン・ブルー』を取ったあたりで、調子に乗ってたくさん借りようとしすぎている気がしてきた。個人衛生・健康法で3冊手に取っているのでこれで5冊、既に片手で持てる範囲を超えている。とりあえず、気になるものを集めるだけ集めて最後に多すぎたら棚に戻せばいいということにして、引き続き小説・エッセイの棚を流し見ていく。
先程並べ方の例で挙げた東野圭吾の見出しまできたが、東野圭吾の本は1冊もなし。先日亡くなったということで追悼特集などして別の場所にあるのかと思ったが、館内を見てもそういったものはない。図書館システムで確認してみると、普通に借りられていて棚にないのだ。発行が古い本も含めて図書館の棚に収まることなく継続的に借りられていることが、いかに人気のある小説家かということを物語っている。亡くなったことをとても残念に思うとともに、でも作品はこれからも読める、時代を超えて読める本というもののありがたさも感じる。
その少し下の段で、ビートたけし名義の本が並んでいるのが目に入る。先程「き」のところで北野武名義の本があったので、砂町図書館ではビートたけし名義と北野武名義の本をそれぞれ分けて著者名五十音順に中に入れているということだ。気になって江東区立図書館システムで調べてみると、城東図書館だけはビートたけし名義であっても北野武の方に寄せて図書記号を振っており、それ以外の館は砂町図書館と同様である。私はこうしたことはどちらが正解ということではなく、その図書館ではどうしているかを知って使えばいいと思っている。これも覚えておこう。
複数著者の作品集のある「ん」まで見た結果、桜木紫乃『ヒロイン』、横尾忠則『言葉を離れる』が加わって、手元にあるのが計7冊。自宅から遠い図書館なら運ぶのが大変だから減らそうという気になるが、近い分だけ勢いを止める理由が見つからず、そのまま7冊借りてしまった。暴飲暴食は体に悪いが、暴借は読めなかったら返せばよし、そもそも私にしては多いというだけで、20冊借りられる江東区立図書館ではさほど暴借でもない。
1冊借りるつもりでサコッシュ1つで来た身、積み上げた本を抱えて帰途についた。
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