本の福袋

―2014年1月4日から13日までの企画
visit:2014/01/04
§ 図書館ならではの「本の福袋」

年の初めの楽しみといえば福袋。デパートやショッピングモールに行くとあちこちで福袋を売っていますが、図書館でも福袋の貸出があるんです。渋谷区立西原図書館でも2014年1月4日から13日まで「本の福袋」を貸し出しており、私も去年に引き続き借りてみました。

図書館での福袋はどんなものかというと、中身が見えないように本を1~数冊袋に入れた状態で用意しており、利用者は何が入っているかわからないまま借りるという企画です。でも、中身が全くわからないというわけではなく、中身のヒントになるようなキーワードやテーマが袋に書いてあり、借りたい人はそれを頼りに借りるというわけ。「福袋」といっても、お買得の商品を入れたお店の福袋とは違い、あくまでも「中身を隠して貸し出す企画」なので、中に入っている本は期限までに返却する必要があります。ただ、返却の際は普通の貸出本と同様に1冊ずつで構わないし、紙袋は返却する必要はありません。

西原図書館に行ってみると、2階のカウンター対面の棚に英字新聞にくるまれた包みがいくつも並んでおり、それぞれの包みには「I ♥ 寄藤文平」「足元のこだわり」「尺ジャパン」「大好きお酒」「どんでん返し」「日本のコトバ」「ねむくないよるは…」「料理」といったタグがついています。袋は大人用が30袋、子ども用が10袋用意されており、上に挙げた中では「ねむくないよるは…」「料理」が子ども用。子ども用は対象年齢が書いてあるのでそれも手掛かりに選べます。冊数も書いてあり、ほとんどが2冊か3冊、中には1冊の包みもありました。

渋谷区西原図書館 2014年本の福袋 外観

面白そうなテーマがある中、私は写真の「尺ジャパン」を借りてみました。「どんでん返し」との間でどちらにするか迷ったのですが、これが一番中身を想像しにくくて面白そうだなと。包装も素敵でしょ。

右下の赤いラベルには、「リサイクル本ではありません。カウンターで貸出手続きをさせていただきます」という注意書きがあります。確かに「福袋」という名前から本をもらえるのかと勘違いしてしまう人もいそうですね。

ちなみに、渋谷区立図書館のシステムでは貸出レシートに借りた本が印刷されてしまうので、それを見たら袋を開ける前に中身がわかってしまいます。それを避けるため、福袋を借りる人には、貸出手続きの際に職員さんがレシートを渡さず、口頭で返却日を教えてくれました。去年はレシートを渡していたのですが、今年は謎を残してくれて、開ける瞬間がますます楽しみです。

渋谷区西原図書館 2014年本の福袋 中身

そして、お楽しみの中身はこちら。入っていたのは、『ニッポンのサイズ』『鯨尺の法則』という本。ざっと中身をめくったところ、『ニッポンのサイズ』はまるごと1冊尺貫法に関する本、『鯨尺の法則』は着物の仕立てに使われた鯨尺を含めた昔の日本の道具に関する本で、どちらも読み応えありそう。西原図書館さん、ありがとうございます。

用意された袋がなくなったら13日を待たずに終わってしまうとのことなので、借りてみたい方はぜひお早めに西原図書館へ。いろんな本を読みたいと思いつつ、ついつい同じジャンルの本ばかり借りている人には、思わぬジャンルを開拓するきっかけになると思います。私も、去年西原図書館で借りた「渋谷の昔」が3冊全て地域資料でどうだろうと思ったのですが(失礼!)、予想を超えて面白くて完読してしまいました。意外な本との出会いをぜひ楽しんでください!