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PowerPointで作れるビブリオバトルオリジナルタイマー

私は都内の公立図書館で自分がバトラー参加できるビブリオバトルが開催していると、できる限り参加しています。そこで使われているタイマーは、大抵がビブリオバトルタイマー(非公式)、たまに休八の学会タイマー、ごく稀にそれ以外のタイマーも見かける、といった感じです。

(「ごく稀」の中で、Tokyo Bibioさんのビブリオバトルタイマーを使っているケースを見ますが、私見では、このタイマーは数字部分と背景のコントラストが弱く、視力に難がある人も含めたあらゆる人の参加に対応すべき図書館イベントにはそぐわないように思います)

そんななか、2016年1月31日に足立区立梅田図書館で開催されたうめだビブリオバトル入門講座に参加したところ、梅田図書館のキャラクター・梅田うさおの入った可愛いタイマーを使っており、よくよく聞いてみると、MicrosoftのPowerPointを使える人なら誰でも作れる方法で作ったものでした。独自のロゴやキャラクターの入ったオリジナルタイマーを作りたい人も大勢いると思うので、私のアイデアも加えた作り方を紹介します。

まずは、どんなタイマーなのか。サンプルを作ってみたので、ダウンロードし、スライドショーで動かしてみてください。仕組みを伝えるためので、オリジナル性に欠けたシンプルなデザインであることや、開始・1分前・発表終了の音がダサい(標準でインストールされているものから選んだ)点はご容赦を。また、PowerPoint2010で作っています(拡張子が.pptx)。この形式のファイルが開けない環境の人はごめんなさい。

ビブリオバトルオリジナルタイマーサンプル

では、作り方を説明します。

  1. 1番目のスライドと2番目のスライドに「5:00」、以下は3番目のスライドに「4:59」、4番目のスライドに「4:58」…といったかたちで、1枚ごとに残り時間が1秒ずつ減っていくスライドを作ります。残り時間を示すテキストボックスがスライドごとにずれていたらタイマーに見えないので、最初の1枚を作ったらそのスライドを複製して、残り時間のテキストボックスの値だけ変えていく作り方をしてください。

    5:00を2枚と4:59から0:00までの計302枚作らないといけませんが、「4:59」から「4:50」まで作ったらその10枚を複製して秒の十の位だけを変えて、1分間ぶんできたら1分間ぶんまるごと複製して分の数字だけ変えて…としていけば、それほど時間はかかりません。また、残り1分を切ったら数字を赤字にするなどすれば、よりビブリオバトルタイマーっぽくなります。
  2. 303番目のスライドからはディスカッションのカウントアップになります。同様にスライドを複製して、303番目が「0:01」、304番目が「0:02」…となるように作っていきます。ビブリオバトルは、発表時間は5分と決まっていますが、ディスカッション時間は2~3分と幅があるので、任意の時間までスライドを作ってください。
  3. 画面の切り替えのタイミングを設定します。PowerPoint2010だったら、メニューバーの「画面切り替え」をクリックすると、右端に「画面切り替えのタイミング」があります(それ以外のバージョンでも似たようなところにあると思います)。
    最初と最後のスライドは画面切り替えのタイミングを「クリック時」に、それ以外のスライドは「自動的に切り替え」にして、切り替え時間を1秒にします。言うまでもありませんが、それ以外のスライドを1枚ずつ設定していくなどということはしないで、2番目から最後から2番目までのスライドを全て選択してまとめて設定してください。
  4. 音を設定します。PowerPoint2010だったら、「画面切り替えのタイミング」の左に「サウンド」があります(それ以外のバージョンでも似たようなところにあると思います)。2番目(2つ目の5:00)・242番目(1:00)・302枚目(0:00)のスライドでお好きな音を設定してください。
    尚、タイマーを作ったPCとタイマーを使うPCが違う場合、タイマーを使うPCにも設定した音が保存されていないと音が鳴らないのでご注意ください。サンプルのように元々Officeに入っている音を選べば(Officeのバージョンによって含まれていない音でなければ)大丈夫ですが、サンプルの音がダサいことからわかるように、標準でOfficeに入っている音でビブリオバトルタイマーに合う音はなかったです。見栄え(聞き栄え)をよくしたかったら、いい音を見つける・作るなどして使用するPCに保存し、その音に設定するのがいいと思います。
  5. 最後にスライドショーの設定をします。PowerPoint2010だったら、メニューバーの「スライドショー」をクリックすると、中央左寄りに「スライドショーの設定」があります(それ以外のバージョンでも似たようなところにあると思います)。そこで、「Escが押されるまで繰り返す」にチェックを入れ、スライドの切り替えを「保存済みのタイミング」にします。

以上で、オリジナルタイマーのできあがり。1枚目の待機状態の5:00と2枚目のカウントダウンでの5:00と、「5:00」を2枚作るところがミソです。1枚目を作るときにオリジナルのロゴやキャラクターを入れれば、複製することで全てのスライドにオリジナルロゴ・キャラクターが入ります。また、パワーポイントのスライドショーでは、Enterキー押下が画面をクリックと同等なので、このタイマーだとマウスのないノートパソコンなどで操作しやすいというメリットがあります。

尚、複製して数字だけ変えるのは単純作業で集中力が散漫になりがちなので、作った後は実際に動かして、正しくカウントダウン→カウントアップされているか確認しましょう。また、スライドごとにキャラクターを動かせばアニメーションのようにもできますが、参加者の意識が発表やディスカッションよりもアニメーションに向いてしまったら本末転倒なので、凝るとしてもそうならない程度に留めましょう。