立川市中央図書館

立川市中央図書館 訪問記

last visit:2013/07/05

立川市中央図書館は、立川駅の北にある図書館。児童・中高生・一般にわたって、あらゆる資料が充実しています。中高生コーナーはユニークな分類だし、外国語資料もとても充実。また、児童資料室には遠くからでも出かける価値ありの資料が揃っています。

§ 図書館の場所

立川市中央図書館は、JR立川駅から徒歩8分、多摩モノレール立川北駅からだと徒歩6分の場所。中央図書館が入っている建物「ファーレ立川センタースクエアビル」は、空中回廊の一番北になります。JR立川駅から行く場合は、北口を出て、伊勢丹の脇、タカシマヤの脇と進み、パレスホテルの先で右折したところにある建物がファーレ立川で、その道のりで来たときに手前の角にある入口が図書館エリアへの入口になります。

立川北駅から行く場合は、北側の改札口を出て空中回廊に降りたら、地面に降りる階段の手前で右折します。突き当りで左折した曲がり角がタカシマヤなので、あとは上と同様にパレスホテルの先で右折すると、立川市中央図書館が入っているファーレ立川です。

立川駅周辺は、空中回廊ができてから、とても移動がしやすくなりましたよね。昔はJR駅からタカシマヤまで遠いと感じたけど、今はそれほどでもない。また、空中回廊の影響で、建物2階にあたる喫茶店より路面1階にあたる喫茶店の方が空いている気がします。本を借りてお茶をしながらゆっくり読書、というときには、空中回廊に隠れてしまう場所の喫茶店もお薦めです。

§ 図書館内の様子

立川市中央図書館は、ファーレ立川の2階から4階までを占めています。広くて資料も多いし、特設コーナーもたくさんあるので、中を巡っていて楽しい図書館。各階の内訳は、2階が新聞・雑誌、地域資料、小説。一般書架は、芸術(7類)と言語(8類)だけが3階、それ以外は全て2階です。3階は芸術・言語に加えて、文庫本、全集、中高生コーナー、漫画、外国語資料、CD・カセット・ビデオ・LDがあり、更に別室でレファレンス室もあります。4階は全体が児童フロアで、カウンターは各階にあります。

2階のカウンター前が吹き抜けになっており、3階への大階段が真ん中から左右に分かれていく壮大なデザインが素敵。人々が本を読んだり音楽を奏でたりしている立体壁画も、立ち止まってじっくり見たくなります。この吹き抜け部では企画展示なども行われたりもして、私もときどき企画目当てで来館します。2013年7月から貸出機が各階に、自動返却機・予約資料受取コーナーが2階に新設されましたが、開放的な企画展示スペースは維持されており、今後の展示が楽しみです。

§ 貸出機、自動返却機、予約資料受取コーナー

そう、上で触れたように、立川市中央図書館では2013年7月4日から貸出機、自動返却機、予約資料受取コーナーが新設されました。まず、貸出機は、利用者が自ら貸出手続きを行うもので、慣れてしまえば手続きは簡単。図書館カードを読み取った後に借りたい資料を貸出機の枠の中に置くと、本やCDケースの中に取りつけられているICタグを読み込み、貸出処理ができます。

注意すべきはCDの貸出かな。本の場合は貸出手続きするだけでいいのですが、CDの場合は棚に並んでいるCDケースにはロックがかかっており、貸出手続きの中でロック解除を行います。ケースのロック解除はできるのは、CDコーナーがある3階の貸出機と、2階の予約資料受取コーナー入って左側の貸出機のみで、借りたいものを自動貸出機に乗せたとき、その中にCDが含まれていると、「この資料を溝に通してください」というメッセージが出ます。言われた通り溝にケースを通すとあら不思議、今までロックされていたケースが解除され開けられるようになっています。

私は立川市立図書館では借りることができないのですが、同じシステムを使っている台東区立中央図書館でCDを借りたことがあって、そのときはケース解除に何度か失敗しました(笑)。溝を通すときに押し付けすぎてもダメみたいなのですが、ケースの底をしっかりつけないとダメみたいなんですよね。ただ、このシステムは台東区立中央図書館が日本初の導入だったので、もしかしたら導入館が増えるにつけ改善しているかも。慌てずに通せば、大丈夫だと思います。

貸出機に比べて、返却機はブックポストのようなものに本を1冊ずつ入れるだけの簡単なもの。これが何故に自動貸出機なのかというと、ポストを通る際にICタグを読み取って返却手続きをしてくれるからです。返却処理を伴うために1冊ずつ入れるようになっており、またここに入れられるのは立川市立図書館の本だけで、他自治体からの借用資料などはカウンターで返却、また、CDも返却機ではなく3階カウンターへ返却してくださいとのことです。

予約資料受取コーナーは、仕切られた部屋に皆が予約した資料が並んでおり、その中から自分が予約した資料を探して貸出処理を行うコーナーです。自分で探さなければならないのが面倒でもありますが、悩み事に関する本など、他人に見られたくない本を借りるときなどはこうした仕組みの方が気兼ねなく予約できますね。

予約受取をする場合は、まずコーナー手前右にある機械に自分の図書館カードを読み込ませます。すると、届いている資料の名前と場所(「A-2」などのアルファベットと数字の組み合わせ)が表示されます。コーナーの中に並んだ棚にアルファベットが割り振られており、数字が棚の何段目かを表しているので、それをもとに自分の予約資料を探して、貸出手続きをするようになっています。

現在は導入されたばかりということもあって、貸出処理がうまくいかなかったのかゲートでアラームがなる光景を見かけるのですが、2階の図書館出口のゲートの警告がアラーム音ではなく「カウンターにお戻りください」という女性の音声で、好印象を持ちました。特にこうした導入期だと、警告がなるのは盗難などの悪意があるケースより、操作などに不慣れなケースが多いと思うのですが、いかにも悪事を見つけたかのようなアラーム音では必要以上に責められているみたいな気がしてしまう。でも、柔らかい女性の声の警告なら、素直に貸出処理できているか見てもらおうと思えます。ちょっとしたことだけど、図書館の配慮を感じます。

§ 一般書架

と、システム関連設備の話を長々としてしまいましたが、立川市中央図書館の一番の特徴は充実した資料。蔵書数でみると立川市中央図書館より多い中央館は都内にいくつもあるのですが(2011年版 東京都内公立図書館の図書所蔵数ランキングでは立川市中央図書館は14位)、蔵書に多様性や幅広さがあるので、数字以上に充実している印象を受けます。

特設コーナーもいろいろあり、どこに何があるかを把握するまでは戸惑うかもしれませんが、書架の中にもあちこちに配置図があるし、医学の棚の棚板に「高齢者医療はシルバー情報コーナーにもあります」、商業の棚に「関連資料がビジネス支援コーナーにもあります」といったかたちで、その棚の関連本がある特設コーナーを紹介してくれるので、関心がある棚を見ているうちに書架全体のことがわかってきます。

日本の小説はエッセイと一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、複数の作家の作品集(請求記号913.68)は「小説合集」としてまとめて、小説の棚の隣の棚(26番の棚)に置いてあります。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」といった具合に国・地域別に分類した上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。

大階段の下周辺に広がる地域資料・行政資料も充実。「地域資料」なんて聞くと堅苦しい郷土資料ばかりと思われるかもしれませんが、立川が載っているガイドブックや、立川のお店が載っているグルメガイドなどもたくさんあるので、休日のスタートにまずは中央図書館の地域資料コーナーに来て、これらの本を見ながらその日の過ごし方を決める、なんていう使い方もできますよ。また、立川市民の著作を集めた「市民の著作」をみると、この人も立川にゆかりのある人なんだ!という人(トニータナカさんや『ファイト!』の著者である武田麻弓さんなど)を発見できたりして面白いです。立川飛行場や砂川闘争に関する本なども多数揃っているので、立川市について調べものをしている人はまず中央図書館へ!

新聞・雑誌コーナーも数多くの新聞・雑誌を取り揃えており、地方紙も北海道新聞・河北新聞・山梨日日新聞・信濃毎日新聞・中日新聞・京都新聞・高知新聞・西日本新聞・沖縄タイムズと揃っている上に、福島の地方紙も福島民報・福島民友の2紙を置いています。都道府県立図書館ならまだしも、市立図書館でこれだけの地方紙を揃えているのは、かなりの高水準と言えるのでは。馴染みの東京版ばかりでなく、地方紙にも目を通して、視野を広く持ちたいものです。

3階の美術の書架の中には漫画も多数あります。漫画は4階の児童フロアにもあり、一般書架の漫画コーナーに並べるか、児童フロアの漫画コーナーに並べるかどうかは、内容で振り分けているようですね。たとえば、一般書架にあるのは『三国志』『サイボーグ009』『西遊妖猿伝』『きょうの猫村さん』など、児童フロアにあるのは『名探偵コナン』『ドラえもん』『NARUTO』などです。

2階には、「しごと資格コーナー」「ビジネス支援コーナー」「シルバー情報コーナー」「子育て応援コーナー」など、いろんな特設コーナーがあります。たとえば、2階入口入って右の区画にある「ビジネス支援コーナー」は「起業・創業」「マーケティング・広告・宣伝」「経営・会社案内・その他」という分類でビジネスに必要な本を揃えているし、そのそばにある「しごと資格コーナー」には、資格ガイド本や資格試験の参考書、業界や仕事の内容をまとめた本などが集められています。これぞ図書館の利点の活かしどころで、例えば就職活動で業界の動向を知りたいときなどは、一つの本だけを情報源とするのではなく、複数の本にあたりたいですよね。立川市中央図書館のしごと資格コーナーなら各出版社が出している本が一度に見られるので、ぜひ複数の本にあたって情報の幅を広げてください。

2階カウンター向かって右にある「シルバー情報コーナー」は、高齢者向けの本だけを集めているのかと思いきや、高齢者を支える介護の本なども置いてあり、高齢者にまつわる書籍全般を集めたコーナーといった様子です。棚の見出しからこのコーナーの内容をお伝えすると、「生き方・趣味」「年金・仕事」「福祉・介護・手記」「医療・健康」「住宅・老人ホーム」「遺言・相続・葬儀・お墓」といったラインナップ。シルバー世代の方だけでなく、ご家族皆で利用したいコーナーです。

その隣の棚は「子育て応援コーナー」で、こちらは「妊娠・出産」「離乳食・食事」「母乳」「小児医療・健康」「育児・しつけ」「子どもと遊ぶ楽しむ」「赤ちゃん子供服・用品」「イクメン ソフリエ みんなで子育て」「子育て支援情報」「赤ちゃんの名前」といった具合に、生まれる前から成長するまでのいろんな過程の情報を集めています。各見出しのもとに集められた本も幅広く、例えば「育児・しつけ」には、褒め方や叱り方の本もあるし、子育てのための家作りの本、ベビーサインの本など、そのジャンルに該当する本を多岐に渡って揃えています。

一般書架のルポライターがある棚(2階の26番)には、「闘病・看護記録コーナー」と題して、ルポの中でも闘病した本人が書いた著作や病気に罹った方のご家族が書いた本などが集められています。やはり、罹患者が年々増えている癌やうつ病などの闘病記が多いですが、依存症やHIVなどの闘病記もあります。介護のルポなどもあるので、自分や家族が病気になってしまったときや、周りにそういう方がいるときに、勇気をもらったり理解を深めたりしたいです。

§ 中高生コーナー

3階カウンター向かって右の中高生コーナーは、壁に雑誌付録のポスターが貼られていて、友達の部屋に入ったかのようです。書架をみると、「生きる」「創る」「知る」「楽しむ」「読む」という独自の分類がされていて面白い!

具体的には、例えば「生きる」には学校生活・悩み事・進学・留学・就職に関する本、「創る」には美術・手芸・料理・デザインの本、「楽しむ」には音楽・スポーツの本、「知る」には社会科学・自然科学などの本、「読む」には小説があるというかたちです。一般書架とは違う切り口でくくられている棚を見ると、自分の知らない面白い本に出会えそうで、中高生だけに利用させておくのはもったいない(笑)!中高生コーナーは利用の多い文庫本の隣にあるし、実際に(私も含めて)中高生以外で中高生コーナーの棚を見ている人もいますよ。

§ CD・ビデオ等

3階のカウンターを挟んで中高生コーナーの反対側にあるのが、CD・カセット・ビデオ・レーザーディスクがある視聴覚資料コーナー。CDの量は多く、カセットは朗読カセットのみが窓際の棚に並んでいます。CDは専用のケースに入っており、棚にあるときはロックされていて、貸出処理をすると開けられるという仕組み。専用のケースは市販のCDケースより幅が広いので、タイトルなどの文字が目に入りやすいです。

ビデオは、棚にある分を見る限り、外国映画のビデオが多いです。棚の段数を比べても、外国映画は日本映画・ビデオの8倍ほどあります。もちろん、一般の映画以外のビデオも充実していますし、ビデオの棚の奥にはレーザーディスクがずらりと並んでいます。

映像資料は貸出はできず館内視聴のみで、視聴覚資料コーナー奥の両脇に視聴ブースが並んでいます。視聴ブースは、一人用視聴ブースが3つ、グループ用視聴ブース2つの計5つあり、利用できるのは立川市立図書館のカードを持っている人のみ。私もそうですが、もうDVDやブルーレイに移行してしまって、家にビデオデッキを持っていない人もいますよね。こうやって図書館に視聴設備があれば、懐かしいビデオも見ることができますね。

※館内視聴サービスは、2022年3月1日をもって終了しています。
§ 外国語図書

3階の東側(カウンターの反対側)には外国語図書がずらり。言語は英語・中国語・ハングル・スペイン語・ポルトガル語を揃えています。おっと思ったのが、外国語図書の棚で「折りたたみ式の梯子が書架の右側にあります」「児童向けの本は4階です」といった注意書きを、ちゃんと英語で示していること。2階の雑誌コーナーにも外国語雑誌があるのですが、そこでも「カバー付きの最新号は貸し出しできません」というのが英語で書かれています。ただ外国語資料を揃えているだけでなく、日本語が弱い外国人が図書館に来たときのことを考えた掲示をしっかりしているのは素晴らしいです。

この3階の外国語図書コーナーだけでも本当に充実しているのですが、更に雑誌コーナーにもさまざまな英語雑誌や他の図書館でもめったにお目にかかれないブラジル・インドネシアの雑誌があったり、4階の児童フロアの英語児童文学もかなりの冊数を揃えています。見ていると勉強してみようという気が起こりるのですが、気持ちが高まるだけでなかなか一歩を踏み出せない私…(苦笑)。

§ レファレンス室

3階の外国語図書の棚の奥に、別室として存在するのがレファレンス室。辞典類や年鑑、白書、住宅地図や道路地図が部屋いっぱいに並んでいて、更にオンライン・データベース用PCも2台あります。「レファレンス室」なんて聞くと身構えてしまうかもしれませんが、立川市の郷土かるたなどもあったりして、ふらっと行っても面白い発見がありますよ。立川市と姉妹都市になっているカリフォルニア州サンバーナディノ市からの寄贈資料もこの部屋にあるのですが、あまりにさりげなく置いてあるので、ちょっともったいない気もするくらいです。

レファレンス室の閲覧席は指定席と短時間席の2つがあり、短時間席は申込不要で1時間以内の利用が可能。長時間の調べものをする場合は、カウンターに申し込んで指定席を利用するのがいいですね。

§ 児童フロア

2~4階をしめる中央図書館フロアのうち、4階はまるごと児童フロアです。階段でいくと3階と4階の間の踊り場に掛けられている絵が可愛いです。そして4階に辿り着くと、長い区画の手前側に絵本などが並び、奥に行くにつれて対象年齢が上がっていくかたちで書棚が並んでいます。児童フロアカウンター左に座っている『かいじゅうたちのいるところ』の大きなぬいぐるみも可愛いし、紙芝居に囲まれた靴脱ぎスペースを電車が曳いているみたいなデザインの紙芝居コーナーがあったりして、とても楽しい空間です。

絵本は、日本人作家の絵本も外国人作家の絵本も一緒になって、絵を描いた人の姓名五十音順になっています。たくさんの絵本が並ぶ棚の中には「大きい人の絵本」というコーナーがあり、ここには漢字が多用されているような大人向けの絵本が集まっています。ここに置かれている絵本の例を挙げると、安野光雅さんの「旅の絵本」シリーズや、シルヴァスタイン、宮沢賢治の絵本などです。

児童用読みものは、「えどうわ」と「よみもの」に分かれています。対象年齢別に細かく分類している図書館もありますが、このように、絵もたくさん入っている読みものか、文字中心かというざっくりとした分類の方が、直感的に分かりやすいかも。「えどうわ」は日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして姓名五十音順、「よみもの」は日本人作家の作品と外国人作家の作品を分けたうえで著者姓名五十音順に並んでいます。

エレベーターからカウンターに向かう通路には、立川市立図書館が選んだ「基本図書」が表紙を見せて並んでいます。この基本図書は、「えどうわ」「ものがたりえほん」「0・1・2歳えほん」「ノンフィクションえほん」「むかしばなしえほん」の5ジャンルそれぞれでお薦めの本をラインナップしているので、子どものために何か借りたいけどどれを選んだらいいかわからないときなど、ぜひ活用してください。

これら日本語で書かれた絵本や読みものだけでなく、外国語の絵本や児童書もたくさん。言語としては、英語・中国語・ハングル・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語・ロシア語その他多数取り揃えており、特に英語は絵本も児童書も充実しています。分類は、1=ハングル、2=中国語、3=英語、4=ドイツ語…といった具合に言語に数字がわりふられていて、その後に、絵本=E、ちしきの本・読み物=Jという記号が付いています。つまり、「1E」はハングル絵本、「4J」はドイツ語のちしきの本・読み物ということになります。英語の児童読み物にはペンギンブックスの薄いペーパーバックなども多くて、手軽に持ち歩けるのも便利。児童フロアにあるといえども、通勤通学の際に英語多読を行っている大人も活用できる資料だと思います。

奥のほうにあるちしきの本は、一見すると一般的な分類方法のようですが、よく見ると細かいところが立川市中央図書館オリジナルなんです。例えば、子どもに人気のある「どうぶつ」に関する本は、日本十進分類法では「48」という分類でくくられます。でも、この中には哺乳類、魚、昆虫などさまざまな生きものが含まれていて、「48」でひとくくりにするにはあまりにも幅広い。そこで、立川市中央図書館では30番台を全て「どうぶつ」に割り振り、「32 むし」「33 さかな・みすべのいきもの」「34 とり」といった具合に、「どうぶつ」の中で更に細かく分類しています。

では、通常だと30番台に割り振られる「政治」や「経済」の本はどこかというと、「25 社会科」に分類され、「25-2 平和・人権」「25-3 法律・政治」「25-5 かんきょう・公害」「25-6 産業・仕事」といった具合に細かく分類されています。これによって、学校での教科「社会」にあたる本が全て20番台に集まっています。図書館の分類法を押し付けるのではなく、学校の教科に合わせた分類になっていて、これなら子どもたちも学校での概念の延長で本探しができますね。このようにオリジナルの分類もあるので、はじめてちしきの本の棚を利用するときは、まず検索機のところにある配置図を見てください。

児童フロアでは、基本図書に貼られているシールなどで、ネコのたまちゃん(立川市図書館のページで左上に顔を出しているのがたまちゃんです)が活躍しているのですが、たまちゃんのライバルが登場したということなのか(笑)、ウサギのテトちゃんというキャラクターも近頃活躍しています。不定期発行物「テトのひみつじけんぼ」では、探偵のテトちゃんをはじめとして、助手のホロホロ、新米探偵のモンキー・D・モフィーなどなど様々なキャラクターが登城しており、先日行われた人気投票では投票総数が1764票!中央図書館だけでなく、立川市内のすべての図書館にテトちゃんポストが設置されており、テトちゃんの勢いが赤丸急上昇中です。

この勢いでは、たまちゃんのほうがどうなってしまうのか心配でもありますが、図書館職員さんにお伺いしたところ、たまちゃんは図書館職員さん側の他立場で図書館を案内するキャラクターで、テトちゃんはそうした立場を超えたフリーダムなアイドルのようです。ということは、図書館を利用しに来たテトちゃんをたまちゃんが職員さんとして対応をする、なんて展開もあり?!今後の展開が楽しみです。

§ 児童資料室

児童フロアの一番奥には「児童資料室」という部屋があり、研究に向いている資料を置いています。例えば、学校教科書があるのですが、立川市で現在使われている教科書は3階の中高生コーナーや児童フロアの書架に置いている一方、児童資料室にあるのは、立川市では使われていない教科書や、現在ではなく以前立川市で使われていた教科書など。現在採用されている教科書が他と比べてどうなのか、昔と比べてどうなのかがわかる資料を揃えているわけです。

また、歴史マンガや古い絵本も多く、これらには「比較検討資料」というシールが貼ってあります。児童資料室内にあった説明によると、

立川市図書館では、開架フロアーの蔵書構成方針や選書基準とあわない資料の中で、
 ●児童書を比較研究する上で役に立つ資料
 ●こどもの文化を理解する上で役に立つ資料
 ●利用者から要望があり、都立や他市の図書館でも所蔵していない資料
については、比較検討資料として収集し、児童資料室に置いています。

とのこと。特に今は、収蔵量の限界もあり、区市町村立図書館で多くの資料が除籍されてしまう中、古い児童書がたくさん揃っていて、しかもそれらを開架で手に取ることができる、立川市中央図書館の児童資料室は素晴らしい!古い児童書を研究している人はもちろん、「そういえば昔あの絵本が好きだったけど、今はもう売っていないし…」という思い出の絵本がある人も、ここならその絵本に再会できるかも。

それ以外にも、児童書のブックガイドや、読み聞かせに関する本、学校図書館に関する本、手作り絵本の本など、とにかく絵本や児童書に関する本が多数あるし、児童文学に関する雑誌や児童文学全集なども充実しています。「幼稚園・保育園 子ども読書環境支援コーナー」には手あそびの本やおたより文例集・イラストカット集などもあるので、子どもの世話をする仕事についている方も活用できる部屋。ぜひ多くの人に利用していただきたいです。

§ 遠くからでも出向く価値ありの図書館

以上、長くなってしまいましたが、これでも全てを伝えてない気がします。広くて所蔵数が多いということもありますが、中高生コーナーの独自の分類に見られるように、そうやってたくさん集めた資料をどう利用者につなげるかという工夫を凝らしてくれているのが嬉しいです。児童コーナーの「テトのひみつじけんぼ」も漫画みたいで子どもが喜びそうで、だからこそたまちゃんにも対抗して頑張ってもらいたくなるし(笑)。他の公立図書館にはなかなかない古い資料を揃えた児童資料室の存在などは、絵本関係のお仕事をしている人やレトロ調のイラストを担当することになったイラストレーターさんなどにとっても、市外からはるばる出向く価値があると思います。

立川駅北口から伸びる空中回廊の、伊勢丹、タカシマヤと百貨店が並ぶその先に、知の全てを揃えた図書館があるなんて、いいロケーションではありませんか。普段から立川駅を利用する人も、立川に遊びや買物に来た人も、ぜひ立川中央図書館で知の世界を堪能してください!

立川市中央図書館 データ

住所東京都立川市曙町2-36-2 ファーレ立川センタースクエアビル2~4階 →Google Mapで見る
Tel042-528-6800
開館時間
2,3階火~金曜10:00~20:00
土・日曜、祝日10:00~17:00
4階10:00~17:00
定休日月曜・第3木曜(祝日の場合は開館し、翌平日を休館)
海の日
12月29日~1月3日
最寄駅 多摩モノレール 立川北駅から徒歩6分
JR中央線 立川駅から徒歩8分
多摩モノレール 立川南駅から徒歩12分
駐輪場図書館が入っているファーレ立川の北隣に自転車用駐輪場の立川駅北口第一駐輪場あり。2時間まで無料、以後16時間ごとに100円。
バイク用駐輪場は、同じくファーレ立川の北隣にある北口第一駐車場内にあり。営業時間は8:30~22:30で、60分ごとに100円。
駐車場図書館が入っているファーレ立川の北隣に北口第一駐車場にあり。8:30~22:30は30分ごと250円、22:30~8:30は30分ごと150円。
所蔵資料
図書所蔵数476,382冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
ありカセットブックのみありなし

映像資料
DVDビデオLD
なしありあり
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物2階の図書館へ通じる入口向かって左の壁面にブックポストあり
自動貸出機ICタグ式自動貸出機8台(2階3台、2階予約資料受取コーナー2台、3階1台、4階1台)あり。2階予約資料受取コーナー内の1台と3階の1台が、CD貸出対応。
図書の除菌2階カウンター横と3階カウンター前に、図書除菌機が1台ずつあり
映像視聴設備なし
ネット閲覧PC3階カウンター前にネット閲覧PC5台あり。利用は立川市立図書館カードを持っている人のみ、1回30分、もう1回のみ延長可能。
持参PC利用館内で持参PCの利用可能。
飲食設備等建物1階に飲料自販機2台あり
2階エレベーターホールと3,4階の水飲み場周辺で、蓋付き容器からの飲み物摂取OK