「生誕90周年記念―推理小説研究の開拓者 中島河太郎とその仕事」
visit:2007/10/04
墨田区立緑図書館で面白そうな展示がやっていたので、そちらに行ってきました。その展示は「生誕90周年記念―推理小説研究の開拓者 中島河太郎とその仕事」。私はこの展示を見るまで恥ずかしながら中島河太郎氏を知らなかったのですが、、七中(墨田川高校)で教師をしながら推理小説をはじめ文学研究をしていた方で、江戸川乱歩賞の第1回は中島河太郎氏の「探偵小説辞典」が受賞しています。
緑図書館には1階に大きな展示用ガラスケース、3階にも小さめの展示ケースがあり、今回はその両方で中島氏の展示をしています。
1階の方は文士との写真や、直筆の資料、作家と交わした年賀状などなどが展示しています。年賀状だと、おそらく原稿はワープロで書くような作家さんも直筆でメッセージを書くので、この人はこんな字を書くんだというのが面白いですね。横溝正史、松本清張、星新一、筒井康隆、鮎川哲也、西村京太郎、山村美紗などなどミステリー作家の年賀状がたくさん並んでいます。
そうそう、江戸川乱歩賞の正賞であるシャーロック・ホームズ像も展示してありました。これ、なかなかいいですね~。この乱歩賞の正賞は途中から変わって、今は江戸川乱歩像なんだそうです。貴重なものが見られちゃった。何と言っても第1回目の像ですし!
それと興味深かったのが横溝正史の「死仮面」の話。横溝正史の「死仮面」という小説は、1949年に「物語」という地方新聞社の雑誌で連載されたものなのですが、何故か作家の手元にも出版元にも原稿やその雑誌がなくて、『幻の作品』状態だったんだそうです。
しかし、約30年後に中島氏が国会図書館で「物語」の合本を発見。ただ、連載4回目にあたる8月号が欠けている。図書館や一般の人に協力を求めても、ど~うしても見つからない。そこで、出版社が中島氏に補作を依頼。かくして中島氏が補作した「死仮面」が世に出ることになりました。
未完の作品を他の作家が完成させることは、これ以外にも例がありますが、後半部分の補作ではなく、このように作品の真ん中が欠けているのを補作したのは非常に珍しいのだそうです。まあ、そうだろうなあ。読んでみた~い!ちなみに中島氏が補作したのは「妖婆の悲憤」と「校長の惨死」の部分だそうです。
3階の展示は、中島氏の著作や編集した本が展示してあります。ガラスケースの中にあるので、本を開いてみることはできませんが、ちょっと前のミステリー小説って表紙のデザインも独特でいいですね。
また、墨田区立図書館と中島氏のつながりをあらわす資料として、あずま図書館で中島氏が行った「推理小説への招待」というチラシも展示してありました。連続3回の講座だったようです。図書館の講座って、結構著名な方の講座を開催してくれてたりするんですよね。私も面白そうな講座があったら、ぜひとも都合をつけて行ってみたいです。