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練馬区立石神井図書館

練馬区立石神井図書館 訪問記

last visit:2026/01/10

練馬区立石神井図書館は、石神井公園の南に位置する図書館。大規模改修工事を経て2010年3月2日にリニューアル開館し、天井の高い広々とした図書館になりました。

§ 図書館の場所

石神井図書館は石神井公園のそばにあります。石神井公園駅からの道のりはこちらに書きましたが、石神井池と三宝寺池の間の道へと向かって行けば、必ずしもこの道でなくてもいけますし、時間の余裕があるなら石神井池の東端の方から遠回りして、石神井公園の中を通るルートをとるのもお薦めです。

休日の石神井池は、ジョギング、ウォーキング、犬の散歩などで周囲を歩いている人もいれば、釣りをする人、ボートを楽しむ人、ラジコンで船の模型を走らせている人など、皆さまざまな楽しみ方をしていて、そうした姿を見るのもいいし、人気が少ない冬などは、自然が多いせいか空気がシャキッとしていて、大袈裟にいうと森林の中にいるようなマイナスイオンの多さを感じます。池の北側の住宅は大きな家が多く、見ていて羨ましくなってしまいます。この辺に住んでみたいなあ。

§ 図書館内の様子

石神井図書館は、2階建ての建物です。2009年までは地下1階から3階までの建物だったのですが、1年弱の改修工事を経て、2010年3月2日に現在の石神井図書館がリニューアル開館しました。現在の建物は、工事前に比べて階数が減った分、1階のフロア面積が倍増しています。また、以前地下にあった練馬区郷土資料室は、石神井図書館と石神井池の真ん中にできた「石神井公園ふるさと文化館」に移動したようです。

各階の構成は、カウンターや一般書架・児童エリアなど、図書館の設備の大部分は1階です。2階にあるのは、地域資料と会議室、休憩コーナー。2つある会議室のうち、第二会議室はふだん閲覧室として開放しています。1階は入口を入った右に小説コーナーと児童コーナー、左にカウンターがあり、カウンターの向こう側に書架がずらっと並んでいます。

図書館に入って最も印象が強いのは天井の高さ。2階建ての建物と書きましたが、実際に2階建てになっているのは1階の児童コーナーと小説コーナーにあたる付近のみ。一般書架エリアは1階建てで、その分天井が高いんです。この贅沢な土地の使い方は、おそらく景観などに考慮してのことなのでしょう。広々とした空間にいると、心なしかこちらの心まで広くなってくるようです(笑)。

§ 児童コーナー

別室になっている児童コーナーは、まず入口手前右に「パパとママと赤ちゃんの本棚」と題して、育児に役立つ本がまとめられています。見出しの項目名をみると、「絵本・よみきかせ」「赤ちゃんの名づけ方」「小児科学(子供の病気)」「赤ちゃんの服」「妊娠・出産・家庭医学」「育児・離乳食」といったかたちで、生まれる前から生まれた後までそれぞれの時期に役立つ本が集まっています。

そして、児童コーナーの中に入ると広い空間に大きい間隔をあけて棚が並んでいるので、なんとも開放的な印象。その上、児童コーナー奥をみると、更に別室で広~い「えほんコーナー」があります。こうやって二重構造の別室になっていることで、少しくらいお子さんが騒いでも大丈夫。大きな声で絵本を読んでみたりして、この設備をたっぷり楽しんでください!児童コーナー内にもカウンターがあるので、一般書架のカウンターに行かずとも貸出・返却できますよ。

ちなみに、この「えほんコーナー」の壁にはいわさきちひろさんの絵がたくさん飾られていますが、これは単に児童コーナーを彩っているだけではなく、いわさきさんが石神井ゆかりの方なんです。生前のいわさきさんのアトリエ兼ご自宅が下石神井にあり、そこは現在ちひろ美術館・東京となっています。2階の地域資料コーナーにも、いわさきさんに関する資料があるので、もっと知りたくなった方はぜひそちらの棚も見てみてください。

窓際の一画には、「石神井公園はっけんMAP」という手作りのマップがあり、三宝寺池周辺で発見された鳥・昆虫や、児童館主催の行事が写真入りで紹介されています。夜に花が開き、翌朝にはしおれてしまうというカラスウリの花の写真もあったりして、これなどはこの辺にお住いの人でも夜に公園に行ったことがなければ見たことないのでは。ぜひ、写真で楽しんでください。

§ 一般書架

一般書架は、小説本・エッセイ本・文庫本・大活字本が児童コーナー手前にある以外は、全て入口入って左側の天井が高いエリアに置かれています。カウンターに近いところにCDも並んでいます。奥の棚にある英語で書かれた図書も冊数が多く、小説はもちろん、伝記本や折り紙などの日本文化の本、料理本など、いろんなジャンルの本が並んでいます。

机席は、まず小説などがある区画の壁に向かうかたちで5席あり、こちらは持参PCを使うための電源も設置されています。それとは別に一般書架の奥にも大きな机に両側から並ぶタイプの席があり、こちらは電源がありませんが、持参PCを使うこと自体はOKです。

§ 2階の様子

2階にあがると大きなロビー状の空間があり、いわさきちひろに関する資料や地域資料の棚が壁沿いにあるのに加えて、大きな机が1つあります。昔はここに休憩コーナーがあったのですが今はなく、棚と机は広い空間の端に寄っているので、広さを持て余しているような印象も受けます。ポジティブな言い方をすると空間の使い方が贅沢です。

このロビー状の空間に面して会議室があり、こちらは学習席として開放していることがあります。更に2階にはテラスもあり持込飲食も可能、3〜10月は18時まで、11~2月は17時まで開放しています(天気によって閉鎖する場合あり)。

§ 広さを持て余さない余裕が必要?

石神井図書館は、いい意味でも悪い意味でも「広い」という印象です。練馬区内では、光が丘図書館大泉図書館に次いで三番目に蔵書数の多いということもあってさまざまな本を手に取れる一方、2階の地域資料コーナーのある空間などは無駄に広い感じがします。

実は今回10年ぶりに石神井図書館に来たのですが、10年前には開発工事中だった石神井公園駅周辺がすっかり整備されていて、収益が得られる施設へと開発されたといえば成功例のように聞こえるけど、資本主義の軍門に下ってしまった気がしなくもない。それは石神井公園駅に限らず東京はどこでもそんな感じですが、駅周辺に比べるとこの辺は自然が残る石神井公園もあり、収益化・効率化の支配下から逃れてゆっくりできる雰囲気がある。その中にある石神井図書館が広さを持て余しているようにも見えるのは、むしろ私が空間活用に取りつかれてしまっているからで、この広さを普通に思うくらいの余裕があるほうがいいのかも…。

なんていう考えも生まれるくらい、妙な広さがあるのです。広い空間で本に対峙する時間を楽しんでください。