トップ図書館訪問記杉並区 > 杉並区立宮前図書館

杉並区立宮前図書館

杉並区立宮前図書館 訪問記

last visit:2012/04/04

杉並区立宮前図書館は、久我山駅の北にある図書館。学生用と社会人用に分かれている読書室は、1人分のスペースが広いです。

§ 図書館の場所

宮前図書館は久我山駅と西荻窪駅の中間よりやや久我山寄りにある図書館です。久我山駅から歩いていくときは、改札を出てすぐ左の北口へと降り、北口を出たら左に進んで、道の突き当りまで400mほど歩きます。道が突き当ったら左折し、左に高井戸第二小学校を見ながら進んで、「高井戸第二小前」交差点に出たら右折。すると、道の左側に畑と自転車置場があり、自転車置場の先が宮前図書館です。

久我山駅の北側は、上の道のりの中にも出てきた、高井戸第二小学校のほか、駅からの道の突き当りの先にある西宮中学校、そのやや西には都立西高校と、学校がたくさんある地域です。住民だけでなく、西高の生徒さんも乗り降りする駅ですが、駅前商店街の中に畳屋さんなんかもあったりして、落ち着いた雰囲気がいいですね。

§ 図書館内の様子

宮前図書館は、杉並区役所の宮前分室と同じ建物です。一つの建物に二つ入口があって、正面から見て左側が宮前図書館、右側が宮前分室という形で、一度外に出ないとお互い行き来できないような造りです。図書館部分は3階建てで、1階が雑誌コーナーと児童エリア、中2階が当日の新聞・雑誌バックナンバー・旅行ガイド、2階が一般書架で、3階が読書室となっています。カウンターは1階にも2階にもあり、予約受取は1階カウンターになりますが、返却・貸出はどちらのカウンターでも可能です。

各階は階段でしか行き来できないので、車椅子では1階しか利用できず、バリアフリー面ではやや劣るところもあります。上にも書いたように中2階があるのですが、これが1階と2階を結ぶ階段の踊り場が広くなったようなエリアで、中2階のエリアと2階のエリアが垂直方向に重ならないで完全にずれているんですね。だから、エレベーターを設置しにくく、バリアフリー面を悪くもしていますが、建物の構造的には単純な3階建てよりちょっと面白い造りです。杉並区では、永福図書館も各階がずれたエリアにある面白い構造ですよ。

§ 児童エリア

1階入って左の一帯は児童エリア。児童エリア内の配置は、左一帯に読みものやちしきの本、右奥に靴を脱いであがる絵本コーナーがあります。絵本は、日本のおはなしと外国のおはなしに分けた上で、タイトルの五十音順に並んでいます。ただ、だるまちゃん、ノンたん、バーバパパといったシリーズものの絵本は、絵本コーナー入ってすぐ右にまとめて置いてあるので、見逃さないように注意してくださいね。

これも見逃しがちですが、絵本コーナーとカウンターの間にも棚があり、漫画や外国語絵本が並んでいます。漫画は『BLACK JACK』『はだしのゲン』『サザエさん』などの単行本。外国語絵本は、350冊ほどの英語絵本のほか、フランス語・ドイツ語・中国語・ハングルといった英語以外の言語の絵本も1~数冊ずつあります。言語でまとまっていないので、「(英語以外の)●●語の絵本が読みたい」というときには探しにくいですが、英語以外の言語で書かれた絵本にはピンクのラベルで言語が表示されているので、それを手掛かりにしてください。

大きい子ども向けの本があるエリアは、壁沿いのコの字型の棚に日本のよみものがぐるりと並んでいるのが面白い配列ですね。児童エリアの机には、高井戸第二小学校と高井戸第四小学校の学校図書室のとしょしつだよりのバックナンバーがファイリングされています。小学生の皆さん、自分の学校のとしょしつだよりに載っていた本を読み終わってしまったら、もう一方の小学校のとしょしつだよりも参考にしてみましょう!

§ 雑誌コーナー

雑誌は、最新号は1階、バックナンバーは中2階にあります。新聞は、当日分が中2階にあり、前日以前の分は2階の参考図書室にあります。中2階には、雑誌のバックナンバーと当日の新聞のほかに、旅行ガイドとリサイクル本コーナーも設置されています。1階も中2階も、棚やソファの間隔が広くて、ゆったりした空間です。

§ 2階の一般書架

2階は、階段を上がった突き当りの壁が既に棚になっており、そこを右に曲がるとずらっと書棚が並ぶ空間になっています。角の参考図書(辞典類)の部屋には机がありますが、基本的には本を読むなら3階の読書室でということなのでしょう、空間一面に書棚がすらっと並んでいる印象です。

2階に上がってすぐ右には特集展示コーナーがあり、毎回テーマに沿って関連本を集めたり、職員さんが手作りした掲示物を展示しています。展示の向きが進行方向に対して垂直なので、気付かずに通り過ぎてしまいがちですが、ぜひご覧ください。

ずらっと並ぶ書棚を歩いていると、医学の棚の見出しが細かくて、本が探しやすいです。見出しを挙げると、「医学」「鎌田實」「日野原重明」「脳のしくみ」「中性脂肪 コレステロール」「阿保徹」「免疫」「臨床医学」「ツボ・鍼灸・マッサージ」「検査数値・検査ガイド」「内科学」「糖尿病」「心筋梗塞 高血圧 高脂血症」「脳腫瘍 脳梗塞 くも膜下出血」「パーキンソン パニック障害 てんかん」「認知症」「精神医学 神経医学」「統合失調症」「うつ病」「小児医学」「アトピー性皮膚炎」「女性の病気」「がん」「眼科学」「耳鼻咽喉科」「歯科学」「衛生学」「医療施設ガイド」「健康法」「気功・ヨガ・体操」「睡眠 安眠」「環境衛生」「ダイエット」「サプリメント」「食品 栄養」「栄養学全集 食品成分表」「ハンセン病」「労働環境衛生」「薬学」「アロマテラピー」「薬の事典」。例えば、「内科学」「外科学」といった分類だけだと、素人には調べたい病気が内科なのか外科なのかわからないことも多いですよね。その点、こうして具体的な病名で分類されていると探しやすいです。この棚には、がんの無料相談のチラシや杉並区の健康相談の日程表も貼ってあり、書籍も含めた医学の情報がこの棚に集まっている感じです。

日本の小説は、著者名の頭文字で分類されていますが、同じ頭文字の中の並びが杉並区独特の方式で、著者名の頭文字ごとに図書館で著者に番号を振って、その順に並べています。つまり、「シ1」は誰、「シ2」は誰、みたいな番号を杉並区立図書館で独自に振って、その順番で並べているのですね。棚には著者見出しはなく、あるのは頭文字の見出しだけ。例えば、「真保裕一の本が読みたいな」と思ったとき、“「シン」だから「シ」の棚の最後の方を探せばいい”とは限らないわけで、「シ」の棚を端から端まで探すか、検索機で検索して真保裕一が「シ」の何番なのかを調べることが必要なんです。

新しい作家が登場するたびに新たな番号が振られると思うので、概ね「頭文字と文壇登場順」のような配列になるのですが、単純な著者名五十音順と比べるとやはり探しにくいです。同じ文学でも外国文学は、国・地域別に分けた上で著者姓名の五十音順で並んでいて、この方がずっと探しやすいので、日本文学の棚もぜひ単純な著者名五十音順に変えてほしいです。

また、小説のうち、複数作家の作品集は、著者名ではなく、出版社名あるいは編者の頭文字で分類されます。この場合、新潮社の本は「シ」というように、番号が付かない頭文字だけの請求記号になり、「シ1」の前に並んでいます。いろんな作家の作品を少しずつ読んでみたいときには、大きな出版社の頭文字の先頭を見ると、アンソロジーが並んでいますよ。

外国語図書は英語のみ所蔵しています。英米小説の原書や日本の小説の英訳本などがあり、全てではないけど、何割かの本には邦題を印刷したラベルが貼ってあるので、原書と邦訳を同時に借りて読み比べるのもいいですね。

宮前図書館は、棚見出しが古いデザインの年季が入っている感じのものなのですが、スポーツの棚と絵画の棚のところだけイラスト入りでかわいいです。スポーツだったら、野球の見出しにはボールのイラスト、テニスの見出しにはテニスをしている人のイラスト…といった具合。旧来の見出しもレトロでいいけど、イラスト入りの見出しもいいし、今後イラスト入り見出しは増えていくのかな?ちょっと楽しみです。

参考図書の部屋の利用者は過去の新聞を読む人が多いようですが、辞典類も開いてみると結構楽しいんですよね。例えば、『世界の民族衣装文化図鑑』にはカラフルな民族衣装がたくさん掲載されていて、模様の細かさ(手作業で作っているのに、こんなに細かいなんて!)に圧倒されます。こうした、個人ではめったに買えない資料が見られるのは、図書館の楽しみの一つ。予約受取と返却が中心の人も、時間のあるときにはぜひ覗いてみてくださいね。

§ 3階の読書室

3階の読書室は、学生用と社会人用の二部屋に分かれています。どちらも大きい机の両側に人が向かい合って座るタイプの机ですが、向かい合う人とは仕切りで隔たっていて、更に、片側3席並べられるところに2席しか配置していないので、隣や前の人を気にせず読書に集中できます。ただ、3席並べられるところに2席しかないというのは、本来設置できる座席数を減らしていることでもあるので、座席の利用が多い夏休みなどは、座席数を少なくして満席になってしまうよりは、座席数を増やしてくれた方がいい気もします。混雑状況に応じて増設したりしてくれるのかな?

社会人用読書室の方では、持参PCを利用することができます(電源はなし)。また、1階では公衆無線LANを使うことが可能です。平日は席も空いているので、結構穴場かもしれません。

読書室を利用して、長時間宮前図書館で過ごす人には、「あるある宮前MAP」がお薦めです。カウンターでも配布しているし、3階の壁にも掲示されている(読書室の中にも外にも)周辺MAPで、宮前図書館周辺の自販機、コンビニ、飲食店の場所がわかるようになっています。職員さんに聞いた話では、宮前図書館内には飲食設備がない、そこで御飯の時間をまたいで利用する方のために、周辺の飲食施設情報をまとめたのだそうです。交通機関の情報や、裏側には防災マップも載っているので、宮前図書館利用者なら1枚持っていて損はないですよ!

もっと活用して、自分のお気に入りのお店を周辺MAPに書き込んで、自分のオリジナルMAPにしてもいいかもしれませんね。図書館の後に喫茶店で読書したりするのって、私も大好きです。生活に図書館利用を取り入れて、豊かな時間を過ごしましょう!

杉並区立宮前図書館 データ

住所東京都杉並区宮前5-5-27 →Google Mapで見る
Tel03-3333-5166
開館時間
月~土曜9:00~20:00
日曜・祝日・12月29,30日9:00~17:00
定休日第1,3木曜(祝日の場合は開館し、翌日以降の直近の平日を休館)
12月31日~1月4日
最寄駅 京王井の頭線 久我山駅から徒歩11分
駐輪場建物入口手前と入口向かって左側(南側)に駐輪場あり
駐車場なし
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数132,292冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト図書館入口向かって左の壁面(奥まったところ)にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCネット閲覧PC2台あり。利用は1回1時間まで、待っている人がいなければもう1時間まで延長可能。
持参PC利用社会人用読書室(24席)にて持参PCの利用可能。電源なし。
LAN接続1階に公衆無線LANのアクセスポイントあり
飲食設備等なし