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東陽図書館さんぽ 伝記の分類

visit:2026/09/17

本を返しに東陽町駅近くの東陽図書館へ。この図書館はその多くが20時で閉まる江東区立図書館の中で21時まで開館している3館(東陽・城東豊洲)のうちの1館なので余裕をかまして晩御飯を食べてから来たら、着いたのが20時少し前になってしまった。いろいろ見たいものがあるので、21時までできる限りのことをしよう。

江東区立図書館は全館に投函すればいいだけの自動返却機が設置されており、今日のように急いでいるときに助かる。江東区民としてこのスタイルにすっかり慣れて、他の図書館で返却だけのためにカウンターに並ばないといけないときにはすこぶる面倒だと感じるようになってしまった。すぐに返却手続きされるとは限らないという断りがあれば、自動返却機でなくても返す本はここへ入れておいてくれという箱を用意すればいい。現に港区立赤坂図書館ではそうしていて、柔軟な運用をしていると思った覚えがある。といっても、最後に行ってから7年以上経っているので、今もそうかはわからない。

書架へ繰り出して、伝記(289)の棚へ向かう。最近、南千住図書館日暮里図書館と荒川区立図書館に続けて行って、荒川区では伝記(289)という分類を使っていないことに気付いた。ならば他の図書館で289に分類される本が荒川区ではどこに分類されるかを調べようというのである。方法としては東陽図書館で289にある本を荒川区立図書館ウェブサイトで検索すればよく、ネット検索が手元で簡単にできるスマホというのは実に便利である。

最初に数冊検索してみると、いずれも荒川区立図書館では該当する本がないと出てしまう。2025年3月31日時点で江東区立図書館の蔵書が約159万冊、荒川区立図書館の蔵書は約89万冊。全体冊数で比べてしまうと江東区の方が確かに充実しているが、人口が江東区約54万人に対して荒川区は約20.5万人、1人当たりの蔵書数で言うと荒川区の方が多いのだ。図書館では同じ本を重複して持っていたりもするが、やはり冊数が多ければ品揃えが豊富になり、その点で規模が大きい自治体の方が有利だということを目の当たりにした気分だ。

そこで荒川区立図書館でも所蔵していそうな本を狙う、といっても何の根拠もないのだか、大作っぽいものがいいかと『評伝 市川房枝』を検索したら荒川区立図書館でヒット、分類を見ると女性史(367.2)になっている。江東区と荒川区だけで比べると差異があってもどちらが標準的かはわからないので、国立国会図書館サーチでも調べてみると、東陽図書館と同様に289.1である。狙いどころがわかってきて他の本も調べていき、こんな結果になった。

書名荒川区立図書館国立国会図書館サーチ
評伝 市川房枝女性史(367.2)個人の伝記 日本人(289.1)
起業の天才! 江副浩正8兆円企業リクルートをつくった男経営学(335.13)個人の伝記 日本人(289.1)
未完の西郷隆盛政治学(311.2)個人の伝記 日本人(289.1)
力道山未亡人レスリング(788.2)個人の伝記 日本人(289.1)
人間・ 田中角栄日本政治史(312.1)日本政治史(312.1)
江東区立東陽図書館では、上記の本は全て「個人の伝記 日本人(289.1)」に分類

つまり、他の図書館では「個人の伝記(289)」に分類される本を、荒川区立図書館では伝記で取り上げた人物の活躍したジャンルの棚に分類しているのだ。確かに、経営者の伝記は伝記だけを集めた棚にあるより経営の棚にあった方が、政治家の伝記は政治の棚にあった方が、スポーツ選手の伝記はスポーツの棚にあった方が、その本の存在を知ったら読みたくなる人の目に届く気がする。

荒川区で浮かんだ謎が解明されてすっきりしたところで20時半過ぎ、もう一つ、書店やネット検索で見つけた紙折り製本・紙文具の本を見たいという用事がある。あと30分弱で全て見られるかどうか。来る前に目を付けている3冊全て東陽図書館に在庫であることは確認済みなので、あとは実物を見つけるのみ。

1冊目は製本(022.8)の棚にある『ヘディ・カイルの紙折り製本』。先日丸善丸の内本店に行ったときに見かけて、ここに紹介されているやり方で図書館カード入れを作れそうだと思ったのである。最初のページから通して読んだところ、「ジャバラ折りポケット」か「ブリザード折り」が使えそうだ。折り方の図解をみて一応はわかったつもり、あとは実際に折ってみて、外で取り出してもおかしくない見た目や持ち歩いてもいい丈夫さをクリアできるかが問題か。

あと2冊、永岡綾『製本家とつくる紙文具』『週末でつくる紙文具』も東陽図書館にあるはずで、木竹工芸(754)の棚へ向かう。ここで学校のようなチャイムが鳴り、時計を見たら20:50。とりあえずざっと見るだけなら10分あれば十分だ。しかし、この中のどこかにあるとわかっているのに見つからない。手芸や料理の棚もそうだが、木竹工芸は薄い本が多く、小さい文字で書かれたタイトルが並ぶ棚から目当ての本を見つけるのが難しいのだ。結局棚の端から端まで目を走らせることを3回繰り返してやっと見つかった。

時間もないので、じっくり読むというよりは可愛い紙文具で目の保養をする気分でページをめくる。閉館まで残り10分のチャイムがなった後に、ヘンデルの水上の音楽 第2組曲 ニ長調、ショパンのノクターン第2番と閉館音楽が流れているのだが、どうも同じ曲が奥から少しずれて聴こえてくる。スタジアムのような広い場所ではあるまいし、同じ音が広さのためにずれて聞こえるのではなく、おそらく複数のスピーカーから実際に同じ曲が少しずれて流れているのだろう。不思議なことをしているものだ。

21時にあらためてチャイムがなるわけでもなく音楽が続くなか閉館時刻を迎えて、気が付けば最後の1人となってしまった。一応やりたいことはやりきって、すっきりした気分で図書館を出た。