福袋「お気に入り」

―2014年春の企画
visit:2014/04/25
§ 中身は開けてからのお楽しみの「本の福袋」

福袋といえば、お店が商品を袋に詰めて販売するお得な企画としてお馴染みですが、図書館でも福袋企画が行われているのをご存知でしょうか。図書館の福袋は、販売するわけではなく、中身がわからないように本を袋に詰めて貸出する企画で、袋に書かれたヒントをもとに借りる袋を選び、貸出手続きをしてから中身を開けるのが楽しみなんです。

注意すべきは、お買得の商品を入れたお店の福袋とは違って、あくまでも「中身を隠して貸し出す企画」なので、「福袋」といえども中身をもらえるわけではなく、期限までに返却する必要があります。返却の際は普通の貸出本と同様に1冊ずつで構わないし、紙袋は返却する必要はありません。

2014年の春のある日、稲城市から借りている本があったので稲城市立中央図書館に返しにいったら、展示コーナーで福袋企画を開催しているのを発見し、私もさっそく借りてきました。実施しているのを発見してから、そうだそうだと思いだしたのですが、稲城市立中央図書館では、お正月、春休み、夏休みなど、年に数回福袋企画を実施しているのです。

福袋を並べているのは、カウンター前の展示コーナー(自動貸出機向かって左に少しいったところ)で、子ども向け、中高生向け、大人向けの3種類があり、袋の中身はどれも3冊です。今回は「お気に入り」をテーマにしたようで、例えば子ども向けには「鳥のすべてがお気に入り!!」「恐竜がいっぱい」などの袋、中高生向けには「この絵が何だかクセになる」「お気に入りのイラストレーター」、大人向けには「お気に入りのうそ」「お気に入りの朝」といった福袋があり、利用者はそれらの袋の中から好きなものを選ぶというわけです。

稲城市中央図書館 2014年春福袋 外観

それら選択肢の中から私が選んだのは、写真の「お気に入りのうそ」。3冊入りの袋で、中身のヒントとして「うそを楽しむ」「うそに泣く」「うそって何?」とあるので、それぞれに該当する本が入っているということなのでしょう。ちなみに、袋に詰めているものの、紙袋の中央をセロハンテープで留めてあるだけなので、本の厚さや大きさを覗き見して、それも手掛かりにして 選べます。

また、これは今年1月に稲城市立中央図書館で実施していたお正月福袋のときもそうでしたが、展示コーナーに「福袋を借りた人にはプレゼントがあるので、貸出手続きしたあとカウンターまでお越しください」とあり、所蔵雑誌の付録の中から好きなものをもらえました。平日の遅い時間だったせいで館内が空いており、私が福袋を借りたことに職員さんが気付いてくださって、私がカウンターに行かずとも職員さんの方から付録が入った箱を持ってきてくださいました。ちなみにそちらでは、雑誌「WORLD SOCCER DIGEST」のクリアファイルをいただきました。

稲城市中央図書館 2014年春福袋 外観

さて、図書館を出て、帰りの電車を待つ時間でお楽しみの中身チェック。「お気に入りのうそ」福袋に入っていたのは、『じつは、わたくしこういうものです』『ぼくのメジャースプーン』『夕闇の川のざくろ』の3冊でした。福袋企画の醍醐味は、自分で選んでいたら手に取らない本と出会えることですが、私にとっては『ぼくのメジャースプーン』の辻村深月さん、『夕闇の川のざくろ』の江國香織さんはともに読んだことがない作家さん。どんな作品なのか読むのが楽しみです!

また、今回の福袋の場合は、それぞれの本を示すと思われるヒントが袋に書いてあったので、どの本が「うそを楽しむ」で、どの本が「うそに泣く」「うそって何?」なのかという楽しみもありますね。『じつは、わたくしこういうものです』は既読なのですが、たぶんこれが「うそを楽しむ」なんじゃないかな。残る2冊のうち、どちらが「うそに泣く」で、どちらが「うそって何?」なのかも楽しみです。

この「本の福袋」企画は、ネーミングからして年末年始に実施されることが多いのですが、稲城市立中央図書館では年始、春、夏休み、秋の読書週間と、開催頻度が高いのが特徴。稲城市立図書館が利用できる方はぜひ福袋期間に合わせて来館してみて、中身がわからずに借りるワクワク感を楽しんでください。