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誰でもビブリオバトル in こどもプラザ図書館

―2025年5月10日のイベント
visit:2025/05/10

ビブリオバトルは参加者が本を紹介するゲーム。詳しいルールはビブリオバトル公式サイトのルール説明に譲りますが、人が集まって行うコミュニケーションゲームなのでコロナ禍で開催が減り、最近はまた少しずつ開催されるようになっています。私も昔は東京の図書館で行われるビブリオバトルにあちこち足を運んでいましたが、最近はすっかりご無沙汰。久しぶりに参加してみようかと思っていたところで、2025年5月10日に江東区立こどもプラザ図書館で開催されると知り、参加してきました。

こどもプラザ図書館は2022年に開館した図書館で、初年度からビブリオバトルを開催しており、今回が7回目とのこと。過去の企画を調べてみたら、最初の頃は「ビブリオバトル with 作家講演会」(講演だけの参加はNG、講演を聞きたいならビブリオバトルにも参加が必要)、「親子deビブリオバトル」(小中学生と保護者が発表者となる)のように凝った趣向のビブリオバトルも開催していましたが、最近はそういった縛りがなく誰でも参加可能なかたちで行っていて、5月と12月の年2回行う定例イベントとして定着しつつあるようです。

ギリギリの時間に到着して会場に入ると、縦2列横3列に長机が並ぶなか既に6名の参加者が座ってイベント開始を待っていました。入口で何が行われるかと覗いた子どもに職員さんがよかったら一緒にやろうと勧誘しているなか開始時刻を迎え、せっかくだからと皆でそれを待っていましたが残念ながら勧誘失敗、もともと申し込んでいた人でイベントスタートです。

司会進行は、ビブリオバトル普及委員でもあるBiblioEi8ht(ビブリオエイト)の五十嵐さん。最初に一通りビブリオバトルの説明をした後、ゲームを始める前に「観戦参加で申し込んだけど、発表者参加をしたい人がいたら発表しませんか」と声を掛けたら発表者が1人増えて、5名のバトラー(発表者)によるバトルとなりました。順番を決めるために前に出たバトラーは、下は小学2年生、上は53歳の私よりも人生の先輩にあたる方と、まさに子どもから大人まで。トランプを引いてその数字で発表の順序を決め、ゲームスタートです。

テーマや縛りを設定してそれに沿った本を紹介するビブリオバトルもありますが、今回のビブリオバトルはそうした設定はなし。バトラーが面白いと紹介した本は、以下の5冊でした。

1番手本好きの下剋上』香月美夜
2番手N/A』年森瑛
3番手むらの英雄』文 わたなべしげお/絵 にしむらしげお
4番手100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』福井県立図書館
5番手青空晴之助 その一 鼻大蛇の巻』杉山亮坂

1番目の『本好きの~』は書名はよく聞くけど私自身はまだ読んだことはなく、異世界の設定などを聞いてそういう話だったのかと初めて知りました。2番手の『N/A』は私が発表した本で、小学生バトラーからの「もし自分がマニュアル通りっぽい対応(の場面が小説内にある)をされたらどんな気分になるか」という質問を受けて、あらためて登場人物の心情に思いを馳せました。『むらの英雄』はエチオピアの昔話を日本人の絵本作家が描いた絵本で、でもそうと知らなければ現地の人が描いたと思ってしまうような躍動的な絵が楽しげ。『100万回~』をきっかけにこどもプラザ図書館の職員さんが教えてくれた、本探しの手がかりを聞き出す質問の話も面白かったです。『青空晴之助』は子ども向けの時代小説で、真剣ではなく竹刀で化け物退治をするのが可愛らしい。

全員の発表が終わって、「どの本が一番読みたくなったか?」という基準で1人1票の投票をし、チャンプ本に選ばれたのは1番手のバトラーによる『本好きの下剋上』。終わった後は『100万回~』を中心に正しい書名なんだっけクイズ状態になったり、本を通じて話が盛り上がりました。図書館側としてはもっとたくさんの人に参加して欲しいでしょうが、人数が少ない分ゲーム中の質疑応答時間をたっぷりとれたし、それぞれの顔が見える会になっていて、個人的にはこれくらいの人数の方がいいと思うくらい。ご一緒した皆さま、楽しい時間をありがとうございました。