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目黒区立大橋図書館

目黒区立大橋図書館 訪問記

last visit:2013/05/24

目黒区立大橋図書館は、2013年2月12日に大橋ジャンクションそばのクロスエアタワー9階に移設オープンした図書館です。大橋ジャンクション上の人工庭園へ直結していることから、書架内に「花とみどりのコーナー」を設置しています。

§ 図書館の場所

大橋図書館は池尻大橋駅から渋谷方向に少しいった大橋ジャンクションのそばにあります。池尻大橋駅から行く場合は、駅の東口を出て目の前を通る国道246号を右へ250mほど進みます。「大橋病院入口」交差点をすぎた右先、巨大な楕円柱の大橋ジャンクションの先に1階がライフの建物があるのがクロスエアータワーで、大橋図書館はこの9階にあります。移設前の旧・大橋図書館をご存知の方は、246号を挟んだ反対側にある高い建物を探せばすぐわかると思います。

この建物はどのフロアが何階にあたるのが少し複雑、というのも、ここは山手通りと国道246号が立体交差する地点にあり、交差の下側の山手通りの路面が1階、国道246号の路面が2階にあたるんです。国道246号から来ると1階にみえる部分が実は2階ということになるので少し戸惑います。2階の入口も少しわかりにくくて、国道246に面して入居している店舗の一番右の「洋食ビストロ Tigre Bon Bon」さんの右脇の通路を進むと駐輪場があり、更に進んだ奥が9階へのエレベーターへと入る入口になっています。1階入口は、山手通りから国道246号へ上がる側道に面した側の中央付近にあり、比較的わかりやすいです。

「大橋病院入口」交差点そばの歩道橋は建物3階の入口に連結しており、ここから大橋ジャンクション上の「目黒天空庭園」へも行くことができます。螺旋状のジャンクションの屋根が公園がなっているので、クロスエアタワーの3階につながっている入口から入って、のんびり歩いているうちに9階に辿りついているのが面白いところ。つまり、細長い敷地が円を描くように続くかたちの公園なんです。建物から一番離れている地点に立ってみると結構距離があるように見えるのですが、傾斜が緩いからか歩いていても苦ではなく、のんびり歩いているうちにいつの間にか9階に着いてしまいます。2013年3月30日に開園したばかりなので、公園内の緑はこれから成長するところですが、目黒区を見下ろす眺めもいいですよ。

§ 図書館内の様子

建物9階でエレベーターを降りて、左側からエレベーターの裏側へとぐるっと回るように進んだところが大橋図書館。エレベーター降りた右側には目黒区のサービス事務所があり、9階が目黒区フロアでその大部分が大橋図書館といったような配置です。エレベーターから大橋図書館エリアへ向かう通路の右に目黒天空庭園への通路があり、庭園から建物に入る場合は、建物入ってすぐ右が大橋図書館エリアというかたちです。図書館内の児童エリアや新聞・雑誌コーナーからも庭園が見えますが、庭園が西側にあたり、西日が強い時間帯などはブラインドを下ろしているので、庭園の眺めを楽しみながら館内での読書を楽しみたい方は午前中がお薦めです。

図書館エリアに入ると、左にカウンター、右に児童エリアがあり、児童エリアの奥に新聞・雑誌コーナー、入口から見て一番奥から左にかけて一般書架が並んでいます。図書館エリアの真ん中に非常階段の区画があり、それを囲むようにいろんなコーナーが配されているようなかたちですね。視聴覚資料としてはCDやカセットブックが非常階段を囲む壁のカウンター側にあり、児童エリアの仕切り沿いにネット閲覧PCも1台あります。

棚と棚の間も広くてゆったりした気分で本を探すことができるし、カウンターの裏手には対面朗読室もあり、大活字本も一般書架の棚にまぎれているのではなく、非常階段を囲む壁沿いの目立つ棚にあるなど、バリアフリー面にも気配りをしている様子がうかがえます。大活字本の隣には外国語図書もあり、英語の本が多数ほか、中国語、ハングル、フランス語、ドイツ語スペイン語などの本も並んでいます。

新しい場所に移った図書館で借りたい本がたくさんになってしまったときは、児童エリア入口手前右にある紙袋をどうぞ。目黒区立図書館はおそらく全館でこうした不要な紙袋を用意してくれていて、手持ちの鞄に借りた本が入らないときなどは自由に使うことができます。

§ 児童コーナー

図書館エリア入って右の区画が児童コーナーと中高生コーナーで、この2つが一緒になって透明の仕切りで囲まれているので、少しくらい子どもが騒いでも一般書架の方へは聞こえません。八雲中央図書館に行ったことがある方には、あの図書館の児童コーナーのような仕切りだと言えば伝わるでしょうか。児童コーナー入って対面の窓際から右側にかけて絵本が並んでおり、中央付近に児童よみものやちしきの本、左側の一帯が中高生コーナーとなっています。

絵本は、日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、タイトルの頭文字で分類されています。児童読み物も、日本人作家と外国人作家を一緒にして、タイトルの頭文字で分類されています。外国語で書かれた絵本も多く、絵本の棚の上段に一般的な外国語絵本が並んでいるほか、赤ちゃん絵本の棚にも小さな外国語絵本が並んでいます。

右奥の赤ちゃん絵本のそばに床面と地続きで小さな靴脱ぎスペースがあり、ここでは毎日15時から小さなおはなし会を行うとのこと。「小さなおはなし会」というのは、“おはなしひとつほど”というスタイルを差しているようです。1時間ほどでいくつかのおはなしを読んでくれるおはなし会もいいけど、まだ集中力がないお子さんにはこうした軽いおはなし会のほうがいいかもしれないし、何より毎日開催というのは参加しやすい。保護者の方々にとっても、おはなし会で職員さんに接する機会を利用してお薦め絵本を教えてもらったりもできていいですね。

中高生コーナーには、中高生向けの読み物や一般書があるほか、「あなたの未来を考えるコーナー」と題して、いろんな仕事を紹介する本や、1つの職業について1冊の本にして詳しく説明している「なるにはBOOKS」シリーズなどの就職に関する本が並んでいます。これらの本は中高生はもちろん大学生や転職を考えている大人にも役立つので、大人の皆さんも遠慮なく児童コーナー・中高生コーナーを活用してください。

§ 一般書架

一般書架は、図書館エリア左側から奥へとL字状に本棚がずらっと並んでいて、窓際から右奥にかけて雑誌や新聞があります。新聞・雑誌コーナーから庭園が見えると書きましたが、それ以外の方向の眺めも皆さん気になるようで、オープン初日に行ったときには、窓際から外を眺めている人もちらほらいました。閲覧席は椅子席と机席が半々くらいで、閲覧机のうち東側(図書館エリアからみて左側)の窓際席にはコンセントがあり、持参PCを使用することができます。

雑誌コーナーの棚は、上に表紙を表にする向きで雑誌を置ける段が3段あり、最下段が本の背を表にして入れるタイプになっています。表紙を見せる段は、一番上が最新号、二番目の段が最新号を大橋図書館が所蔵している雑誌のバックナンバー、三段目がその他のバックナンバーとなっていますが、わかりにくいこともあり利用者が戻すときに違う段に戻されていることも。

雑誌棚のわかりにくさは目黒区立図書館の仕組みのせいもあり、目黒区立図書館は本も雑誌も“この本は○○図書館の蔵書”というような蔵書管理をせずに、返却された館の棚に戻しているんですね。つまり、大橋図書館にあった本を借りて、中目黒駅前図書館に返したら、それは大橋図書館へは戻らずに中目黒駅前図書館の棚に戻されます。雑誌のバックナンバーもそのように管理しているので、雑誌の棚も最新号が大橋図書館にあってもバックナンバーがあるとは限らないし、大橋図書館に最新号がない雑誌のバックナンバーがあることもある。私個人はこの雑誌管理方法はわかりにくいのですが、目黒区立図書館の皆さんはどう思っていらっしゃるでしょう。ちなみに、大橋図書館で最新号を保管している雑誌が何かを知りたければ、雑誌棚の最上段に戻すべき場所として雑誌名が表示されているので、それを見ればわかると思います。

新聞・雑誌コーナーと児童コーナーの境は漫画が多数あります。文庫・コミックス・大型と各サイズあるうちコミックスが大部分で、少年漫画・少女漫画にわけたうえで出版社ごとに分類されています。漫画を所蔵している図書館では、分類するとしても対象年齢で分けることが多く、少年・少女で分けているところは珍しい気がします。棚に並んでいる漫画のほか、『ヒカルの碁』『犬夜叉』などの巻数が多い漫画はシリーズ貸しをしており、漫画の棚にある「ヒカルの碁 1~15巻」というカードをカウンターにもっていくと、その巻をまとめて借りられる仕組みになっています。

一般書架はシンプルなスチール棚ですが、よくみると上から二段目の手前側に地震対策の細い滑り止めが貼ってあります(一番上の段には本がないので、二段目が本がはいっている一番高い段)。見ただけでは商品・メーカー名などはわからないのですが、おそらく3Mの落下抑制テープではないかと思います。このリンク先ページにある震動実験動画を見ると確かに効果はありそうですが、図書館では棚板の前側に本を揃えて並べるので、その状態での効果を知りたいところ。いずれにせよ、本はたくさんあると結構重いものですし、人が集まる場所である図書館でこうした地震対策をしてくれるのは嬉しい工夫ですね。

日本の小説・エッセイは一緒にして、頭文字ごとに、まず主要な著者の本を姓名五十音順に著者名見出しをつけて並べて、その後にその他の著者の本をひとまとめにしています。たとえば、小説・エッセイの「む」のところをみると、「向田邦子」「村上元三」「村上春樹」「村上龍」「村田喜代子」等々と見出しが並び、それ以外の頭文字が“む”の著者は「む その他の作家」に並べられています。複数の作家による作品集は、「918」という分類で小説・エッセイの並びの最後にまとめられていますね。外国の小説は、「中国小説」「英米小説」「ドイツ小説」といったかたちで国・地域別に分けたうえで、日本の小説と同様に頭文字ごとに主要作家、その他と並んでいます。

外国語図書コーナーの隣に「花とみどりのコーナー」という常設コーナーがあるのは、空中庭園があることからの特色ですね。庭園・園芸やフラワーアレンジの本はもちろん、植物学の本や農業、林業の本まで、「花と緑」に該当する本をかなり幅広く集めています。目黒天空庭園が開放されたら、庭園で見かけた花や木について図書館で調べてみるのもいいかも。

§ 人気が出そうな予感がひしひしと

大橋図書館は、ついこの間まで目黒区立図書館の中で最も古い建物(1970(昭和45)年竣工)だったのですが、クロスエアタワー9階に移転して、目黒区立図書館の中で最も新しく、最も北にあり、最も高い位置(9階)にある図書館へと生まれ変わりました。移転オープンの日には平日にも関わらず多くの人が来館していましたし、大橋図書館の北側に東京大学駒場キャンパスや公立・私立含めて高校が多数あることを考えると、学生の利用が多い図書館になりそうな予感がします。

また、毎日おはなし会がある図書館は目黒区では大橋図書館だけなので、それが知られるようになったら親子での来館も多くなりそう。実際、旧・大橋図書館よりぐっと使いやすくなったので、この機会にぜひこれまで図書館を使ったことがない人にも広く利用してもらいたいと思います。

そして目黒天空庭園も草木が育ってくればますます人気スポットになるだろうから、それにともなって大橋図書館の人気もあがると想像できます。大橋図書館を「いつもの図書館」として使う人は、来るたびに庭園を通るようにしていれば、草木の成長過程を見ることができて面白いかも。緑あふれる人気スポットになったときに、「開園したばかりの頃は、草木も若くてね…」など語れるのは、開園当初から知っている人だけの特権ですしね(笑)。庭園を通っていて気になった花を図書館で調べていけば、植物通になれるかも?!図書館と庭園をともに味わえるスポットです。

目黒区立大橋図書館 データ

住所東京都目黒区大橋1-5-1 クロスエアタワー9階 →Google Mapで見る
Tel03-3770-3101
開館時間
月~土曜9:00~19:00
日曜・祝日、12月28日9:00~17:00
定休日第1月曜(祝休日の場合は開館し、翌日以降直近の平日を休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 東急田園都市線 池尻大橋駅から徒歩6分
駐輪場2階入口手前に自転車駐輪場あり
建物地下にバイク用有料駐車場あり。入口は建物南側で、利用時間は7:00~25:00。最初の1時間は無料、それ以降は60分ごとに200円。
駐車場建物地下に有料駐車場33台分あり。入口は建物南側で、利用時間は7:00~25:00。利用は30分ごとに300円、但し建物2階のライフで1000円以上の買い物で1時間無料。
所蔵資料
図書所蔵数116,809冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
ありカセットブックのみありなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物1階入口(山手通り側入口)入って右にブックポストあり
9階図書館エリア入口向かって右の壁面にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PC入口入って右先(児童エリア入口向かって左)にネット閲覧PC1台あり。利用は、x:00~x:30、x:30~y:00という30分単位で、次の枠が空いていれば延長1回可能。
持参PC利用建物東側(図書館エリア入口からみて左側)の窓際机席(19席)で持参PCの使用可能。電源あり。
LAN接続なし
飲食設備等
  • 図書館エリア出て通路をやや行った左に飲料自販機1台あり。また、目黒天空庭園内にも飲料自販機1台あり。
  • 建物2階に洋食ビストロとスーパーのライフあり