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東大和市立中央図書館

東大和市立中央図書館 訪問記

last visit:2011/02/21

東大和市立中央図書館は、多摩都市モノレールの始・終点である上北台駅の東にある図書館。市役所や公民館が集まるエリアに、中央図書館も建っています。2階の通路には、ドームでないころの西武球場も映っている東大和市の航空写真もありますよ。

§ 図書館の場所

東大和市立中央図書館の最寄り駅は、多摩都市モノレールの始・終点の上北台駅。私は、東大和市立中央図書館に行くのに、初めて上北台駅を降りたのですが、空が広い!ここから、もう少し北に行けば、多摩湖が広がっているのですよね。

上北台駅から歩いていくとしたら、少し遠回りになりますが、駅を降りてモノレールの線路とは逆方向に北上し、「上立野東」交差点で右折して、新青梅街道に入ります。700mほど進んだところの「奈良橋六丁目」交差点を右折して、いちょう通りに入ると、左側に都立東大和高校が見えるので、その先で左折します。すると、都立東大和高校の隣に、東大和市役所と中央公民館と東大和市立中央図書館が集まっているエリアがあります。左手前が公民館、右手前が図書館で、奥に市役所があるという配置です。

上記ルートだと道のりが1.4kmなので、あまり歩きたくない人は、東大和市のコミュニティバス“ちょこバス”の「市役所」停留所か、西武バス・都営バスの「東大和市役所入口」停留所が近いです。「市役所」停留所は市役所・公民館・図書館の敷地の真ん前にあるのですが、ちょこバスが1時間に1本程度しかないのが難点。「東大和市役所入口」停留所は、中央図書館を出て左に行き、最初の信号で右折した先にあり、1時間に数本程度あります。どこから来るかによって、一番便利なルートを使ってくださいね。

§ 図書館内の様子

東大和市立中央図書館は、2階建ての建物です。一般書架、児童コーナー、新聞・雑誌コーナーなど、書架の多くは1階にあり、2階はレファレンス室と展示室です。1階には児童コーナーのテーブル席と新聞を読む机以外には机席がないので、机に資料を広げて調べものをしたい場合は2階のレファレンス室の机を利用することになります。

1階は、図書館入口を入ると、右先にカウンターがあり、右手前の一帯が児童コーナー。左手前に新聞・雑誌コーナーがあり、左奥が一般書架です。雑誌ラックの隣に、CDとほんの少しカセットもあります。1階の入口入った正面には低めの台があり、その側面が棚になっていて、荷物を置くことができます。コインロッカーのように閉まるわけではないので、大切なものは置けませんが、書棚を回る際に上着などを置くのに利用すれば邪魔にならずにすみますね。

§ 一般書架

一般書架を回ると、書棚の格段に本が並ぶ上のスペースに、本が横向きで入れているのがあちこちで見られます。東大和市中央図書館は開館が1984年4月15日で、おそらく蔵書を増やしていくうちに、入りきらなくなってきたのでしょう。大活字本も、開架に並んでいるのは1巻目のみで、2巻目以降や上下巻の下巻は閉架の書架で所蔵していて、これも蔵書量が増えた影響かもしれません。

ユニークなのが、ガイドブックの場所。図書館では、旅行のガイドブックをわかりやすい場所にまとめて置いてあることが多いのですが、東大和市立図書館では、290番台の地理・紀行の本と一緒に、地域ごとに分かれておいているのです。例えば、フランスに旅行でも行こうかなと思って、この棚に行けば、フランスのガイドブックとフランス旅行した人の紀行文が近くに並んでいるのです。ただ、日本国内のガイドブックは『るるぶ』を所蔵していて、サイズが大きめなので、結果的に地域別でなく、棚の下にまとめて『るるぶ』が並ぶ状態になっています。

その290番台の棚(1番の棚)の側面には、「旅の情報 あっちこっち」と題して、各国語に関する本や、建物に関する本、交通に関する本、世界遺産に関する本がおいてある場所も示しています。旅行に行く際は、こうした様々な資料を読んで、知識を増やしてから行くと、より楽しめそうですね。

また、3番の棚では、分類番号375.9にあたる資料として、現在使われている学校教科書から、明治・大正や戦中の讀本や修身の教科書の復刻版が並んでいます。私のように、子どもがいない大人だと、最新の教科書も自分が小学生だった頃とは全然違うし、戦前の教科書もまた珍しくて面白い。近代を扱ったドラマや映画を見た後に、こうした古い教科書を読んだら、タイムトリップ気分が盛り上がるかもしれませんね。

また、経済の棚では、市販の書籍だけでなく、企業のCSR報告書が150冊ほど並んでいます。これらは、蔵書登録していないようで、検索機で検索しても出てきません。CSR報告書は、今はインターネットからダウンロードできるところも多いですが、手軽にいろんな企業のものを読みたいときには、図書館に並んでいるのを利用するのもいいですね。

こういった感じで、市販の書籍だけでなく、様々な資料が並んでいるのですが、見出しが少ないのが本を探すときにちょっと不便な気もします。上で書いた外国の地理の棚も、せめて「アジア」「ヨーロッパ」「アフリカ」「アメリカ」程度でいいので、見出しがあると探しやすい。それ以外のジャンルも、中央図書館なだけあって蔵書数が多いので、もう少し細かい分類ごとに見出しがあると、目当ての本にたどり着きやすいように思います。

一方、小説は見出しも大きくて、見やすい棚になっています。著者名の五十音順で並んでいますが、複数の作家による小説本は、五十音順の並びの最後にまとめられています。背の低い棚の方には外国語図書もあり、英語で書かれた小説や、日本語を学ぶ外国人向けの学習書だけでなく、岩波文庫の赤の詩集の対訳本や、朝日新聞の天声人語の対訳本もあるので、英語を勉強している方は活用したいコーナーです。

§ 新聞・雑誌コーナー

新聞・雑誌コーナーは、南西の窓に沿って椅子が並んでおり、夕刻にはちょっと西日がまぶしいことも。窓際以外にも席があるので、時間帯によっていい場所を選びたいです。新聞・雑誌コーナーに限らないのですが、ソファはかなり年季が入っていて、ところどころ破れていることも(笑)。窓際の席のうち4席には脇にCD試聴機があり、カウンターに試聴したいCDのダミーケースを持っていくと、CDとヘッドフォンを貸してくれて試聴することができます。

§ 児童コーナー

児童コーナーは図書館入口入って右手前のエリアなのですが、図書館入口右先にある円柱の掲示板には、朝日・讀賣・毎日・東京の新聞各紙で紹介された児童書の記事が掲示されています。おはなし会も日程もここに掲示されていて、東大和市立図書館のおはなし会は、小学1年生以下対象と2年生以上対象で分けて開催しているのですね。小学生以上と小学生未満ではなく、1年生以下と2年生以上で分けているのはユニークだと思います。実際に開催する中で、この形になったのかな。

絵本は表紙を見せて並べる棚が多く、賑やかなイメージです。絵本は、作話者の五十音順で並んでいます。靴を脱いで読み聞かせできるコーナーは、他の床面から2段下がったところにあり、ちょっと面白いですね。こうした靴脱ぎコーナーは、他の床面より高くなっていたり、同じ高さであることが多くて、下がるタイプは少ないんです。

読み物の方は、特に外国の読み物の棚が、高学年向けの本が多い印象を受けました。本棚が高くてそう見えたのかな。児童コーナーの棚は、背が低くて棚と棚の間も一般書架より狭いのが普通なので、読み物の棚が一面に並ぶことは少ないんですね。大抵は数列の棚に並ぶんです。でも、東大和市立中央図書館の外国の読み物は、壁の一面に並んでいるので、高学年には見やすい棚になっています。中高生コーナーは、児童コーナーとは別の、雑誌ラックの隣にあるのですが、中学生なら児童コーナーも中高生コーナーも両方使えると思います。

§ 2階のレファレンス室

2階はレファレンス室があるのですが、その前に紹介したいのが、1階と2階をつなぐ階段の壁。フェニキア文字、女真文字、マヤ文字などなど、世界の歴史上のいろんな文字が描かれているのです。特に象形文字は、意味がわかるようでわからないのが面白い。一番左の列の上から4番目のマヤ文字は、絵のブロックみたいな感じで、とても文字とは思えません。でも、ひらがな・カタカナ・漢字が入り乱れる日本語も、シンプルなアルファベットを使う国の人からみたら、同じくらい訳わかんない文字なんでしょうね(笑)。

2階に上がった先のガラスの壁には、これらの文字がどこで使われていたのかがわかる「世界の文字分布外略図」が描かれています。この分布図の手前に、植木鉢が並んでいるので、ちょっと見にくいのですが(笑)。こんなにいろんな文字が世界のあちこちで使われていたことを考えると、世界の広さや「文字」というものの面白さを感じます。

なかなか肝心のレファレンス室に行かずに申し訳ないのですが、2階にあるものでもう一つ紹介したいのが、レファレンス室への通路途中にある航空写真。東大和市の航空写真なのですが、1990(平成2)年5月15日に撮影したもので、多摩湖の北にはまだドームでない西武球場も写っています。多摩湖の広さも感じますね。

レファレンス室は、辞典・百科事典・年鑑・新聞縮刷版などが壁にぎっしり詰まっている空間。壁沿いの棚は2層になっており、上段には階段で上っていけるようになっています。レファレンス室の机席を利用する際は、1階のカウンターで利用券をもらう必要があり、またレファレンス室に入る際、A4サイズが入るかばん類はレファレンスカウンターに預ける仕組みになっています。

東大和や東京に関する地域資料もいろいろありますよ。カウンターから見て右正面に、東大和に関する新聞記事の切り抜きファイルがあり、朝日・讀賣・毎日・東京の各紙のほか、アサヒタウンズの記事も収集しています。ファイルを開いてみると、東大和の出来事はもちろんのこと、投稿コーナーの投稿者が東大和の人だった場合も収集対象にしています。

§ 東大和のことが全てわかる!

全体を振り返ると、やはり東大和市の中央図書館ですね。棚に本が並ぶ上に、更に横にして入れるくらい本がぎっしり並んでいるし、東大和市に関する資料収集もしっかりしています。市役所がすぐそばにあるから、行政や暮らしに関することは市役所に問い合わせできるし、このエリアにくれば東大和の全てがわかる!というのは言いすぎか(笑)。鉄道駅から遠いのがちょっと難点ですが、棚から溢れんばかりの書籍をぜひたくさん借りてくださいね。

東大和市立中央図書館 データ

住所東京都東大和市中央3-930 →Google Mapで見る
Tel042-564-2454
開館時間
レファレンス室以外水~金曜10:00~19:00
土~月曜10:00~17:00
レファンレンス室10:00~17:00
定休日火曜、第3木曜
祝日(祝日が土日と重なった場合は開館)
12月28日~1月4日
最寄駅 多摩モノレール 上北台駅から徒歩21分
駐輪場図書館入口手前右に駐輪場あり
駐車場中央図書館の北、市役所の東にあたる位置に、市役所・公民館・市役所共有の駐車場あり。8:00~22:00。
図書館入口手前左に障害者用駐車場1台分あり
所蔵資料
図書所蔵数328,923冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
ありありなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト図書館入口左の壁にブックポストあり
自動貸出機なし
映像視聴設備CD試聴機4台あり
ネット閲覧PCネット閲覧PC3台(1階2台、2階1台)あり。利用は25分単位で、次に待っている人がいなければ1回のみ延長可能。
持参PC利用不可
飲食設備等なし