ほんじょ 七ふしぎ(本所七不思議)-すみだの むかしばなし-
出版社が墨田区社会福祉会館となっている『ほんじょ 七ふしぎ(本所七不思議)-すみだの むかしばなし-』という本は、墨田区社会福祉会館の創作絵本クラブの子供たちの手によって1981年に完成した版画の絵本です。本所七不思議の「置いてけ堀」「送りちょうちん」「落葉なししいの木」「消えずのあんどん」「ばかばやし」「片葉のあし」「津軽の太鼓」が各4ページを使って絵入りで描かれています。
あとがきによると、当時の小学校5,6年生を中心に、中学2年生がそれを手伝う形で作ったみたいですね。文字もしっかり刷られていますし、絵も小学生らしくて可愛いです。
創作絵本クラブにとってこれが4冊目の手作り版画絵本なのだとか。指導者の方は七不思議を1話ずつ7冊になるようにしようと思っていたのですが、どう励ましても子供たちが物語を1冊のボリュームに構成できず、7話まとめて1冊に仕上げたとのこと。確かにこれら七不思議を数ページに渡って展開するのは、大人でもなかなか難しいですよね。
ただ、7話で1冊とするのは、それはそれで各話を限られた字数にまとめる必要が出るわけで、子供たちも苦労した様子。その苦労の甲斐あって見事完成し、20年以上経った2006/4/23現在でも墨田区立図書館に4冊所蔵されています。
こういうのは作った本人達もきちんと保管しているとは限らないので、図書館にこうして残っているのはいいですね。作った子供たちは今も墨田区に住んでいるのでしょうか。図書館に来て、ぜひご自分の子供たちに見せびらかして欲しいです。
実は私、この本を読んで本所七不思議の各話を初めてきちんと知りました。作成するのに墨田区立図書館の方も協力しているので、その辺もばっちりです。今は本やネットでいくらでも知りようはありますが、子供たちが作った絵本で読むのもまたいいですね。