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北区の木

東京都北区 著

北区が1991年に発行した『北区の木』、北区にある木や、木にまつわる話が紹介されています。

本の中心は「北区の木 18選」。北区にある多くの木の中から、これぞという木18本を選んで写真入りで紹介してあります。

やっぱり神社や公園の木が多いのですが、民家にある木もありますよ。冬になったら落ち葉の掃除とかも大変でしょうが、何とも立派な木々です。

中には、空洞化しちゃったからウレタン詰めたり、表面をセメントで擬木仕上をしている木もあるのですが、そうしないと台風なんかで折れたりする危険があって危ないのだそうで。確かに自然は、人間を癒してくれるだけではなく、時には凶器にもなりえるので、特に公園の中の木なんかはこういう処理が必要なのでしょうね。

また、木にまつわる昔話も掲載されています。家康が松の木に五石の領地を与えた話とか、「争いの杉」という名前のついた木の名の由縁など。まぁ、結構ありがちな言い伝えとも言える話ではありますが。。

北区では「みどりの協力員」になる方を募っていまして、この本もそういった方の協力で編集されているのですが、その方々の話も掲載されています。

協力員の方々の話によると、大木の多くは戦災で焼けてしまったのだとか。ただ、場所によっては、長屋が焼けたところに敷地の大きい個人宅が建って、逆に緑が増えたというところもあるそうです。でも全体的には、農地がマンションになったり、マンション建築のために張り出した枝を伐採したりで、木は減っているようですね。

それでも、木々を眺めながら散歩でもしてみたい、という方のために、「北区 緑のマップ」というのも掲載されています。

このマップを参考に北区を歩いたり、この本を片手に18選の木を巡るのもいいですね。この本は1991年の発行なので、これらの木が今どうなっているかを見るのもよさそうです。