中央図書館
世田谷区立中央図書館 訪問記
世田谷区立中央図書館は、桜新町駅から北(経堂方面)に向かった、世田谷区教育会館の中にある図書館。プラネタリウムとの併設施設なので、天体好きの方はぜひそちらも一緒に。中央館なので資料の充実はもちろんのこと、美術ポスターの貸出も行っています。
世田谷区中央図書館は桜新町駅から徒歩で10分ほど。桜新町の北口を出て、階段と同じ方向に向かって進み、最初の信号である「新町二丁目」交差点で左折、そこから教育センター通りをしばらく進み、600mほど行った道の右側に世田谷区教育会館の中にあります。対面にファミリーマートがあるので、それが目印になると思います。
上記のように行ってしまうと、桜新町駅前の商店街をほとんど素通りする形になってしまうのですが、北口を出て反対側に折り返したあたりは、地名の通り桜並木になっています。たぶん、あえてそうしているのだと思うのですが、同じ種の桜を並べた並木道ではなく、様々な種類の桜が植えられているのです。花が咲く時期もそれぞれ、花の様子もそれぞれ、春に来ると本当に楽しいですよ。
建物自体は2階か3階までありそう(図書館とプラネタリウムにしか関心がないので定かじゃない 苦笑)ですが、プラネタリウムが1階の北側、図書館が1階の南側と地下1階全体を占めています。プラネタリウムが目当てで来た人が、上映時間の前後に図書館に寄ることもあるでしょうね。
図書館内のフロア内訳は、1階が児童コーナー、CD・カセット、文庫・新書、新聞・雑誌の一部、小説・文学、家事関連本、芸術・スポーツ、外国語図書。それ以外の資料は地下1階に置かれています。地下には更に、ネット閲覧PCやホット・スポットも使える持参PC利用席もあります。
配架場所について注意すべきは雑誌です。雑誌の場所は4ヶ所に分かれており、ファッション・文学・芸術・スポーツ雑誌は1階、外国語雑誌は地下1階の階段から見て右、産業・工業の雑誌は地下カウンター向かって右奥、人文・社会科学の雑誌は地下カウンター向かって左奥となっています。そういったジャンル分けがスパッとできるかというと、例えば自転車スポーツの雑誌は、スポーツではなく工業に分類されて、地下に配架されていたりと、難しい部分もあるんですよね。世田谷区中央図書館全体での所蔵雑誌と配架場所の一覧が掲示してあれば、そういう場合でもわかるやすいと思うのですが、今のところはそういったものがないので、注意しないと所蔵している雑誌も見逃します。検索機を使ったり、職員さんに聞くなどして、見逃さないようのご注意くださいね。
児童コーナーは、大まかに言うと、入口に近い方が高学年向けで、奥の方が絵本など幼児向けの資料という並びになっています。一番奥にあるおはなしの部屋は、おはなし会がないときは開放されています。絵本は日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、絵者の頭文字で分類されています。
紙芝居の棚の脇には、紙芝居ができる小さい台が置いてあります。本当に小さい台で、大人が子どもに読むための紙芝居台というより、子どもが子どものために読むための紙芝居台という感じ。中央図書館から北西方面に2kmほどのところにある桜丘図書館にもおなじものがあるのですが、実際に子どもが弟・妹に読んであげていたりする光景をみかけたりもします。中央図書館の紙芝居台は、対面に大きいソファがあるので、周りの子供たちも一緒に聞けちゃいます。
その紙芝居台対面のソファのぐるりの棚は、外国語絵本の棚になっています。英語絵本は多数、その他の言語もいろいろあり、“英語絵本”と“英語以外の絵本”で分類されて、それぞれが絵者名のアルファベット順に並んでいます。だから、英語以外の絵本は、いろんな言語が混在した状態で著者名順に並んでおり、例えば「ハングルの絵本を読みたい」というときに、混在している中から自分でハングル絵本を探さないといけないのがちょっと不便です。
また、絵本や紙芝居のうち、超大型といっていいくらい大きいものは、地下への階段を降りた右の棚にあります。おはなし会を運営している方など、超大型絵本・紙芝居を利用したい方は、こちらの地下の棚もチェックしてくださいね。
1階の一般書架は、配架図によると“ポピュラーフロア”と称して、小説や家事関連本、芸術・スポーツといったジャンルの資料が並んでいます。1階図書館エリア入口を入ってやや右先のソファがあるエリアの壁には、美術館・博物館のポスターもたくさん貼られていて、私は中央図書館にくるといつもここの壁を見て、面白そうなイベントや企画がないかチェックしています。
その壁からソファを挟んだ向こう側の棚は、「子育て支援 出産・育児コーナー」と題して、「妊娠・出産(母子保健)」「名づけ事典」「育児(乳幼児)」「赤ちゃん服・おむつ」「離乳食・授乳」「生活・習慣・しつけ」「赤ちゃん絵本」という分類で本が集められています。普通の日本十進分類法だとバラバラに置かれてしまうこれらの本が一箇所で見られるというのはいいですね。棚上に飾られているアンパンマンやポケモンの折り紙も可愛らしいです。
日本の小説は、著者名の姓の頭文字+名の頭文字による五十音順。例えば、横山秀夫(よこやま ひでお)なら「よひ」、吉村昭(よしむら あきら)なら「よあ」となり、その2文字が五十音順になるように並べてあるので、吉村昭の本の後に横山秀夫の本が並ぶような形になります。また、複数の作家の作品集は、五十音順の「ん」という分類で、著者名頭文字が「わ」である本の次にまとめて置いてあります。
外国の小説は、英米文学・フランス文学・ドイツ文学などの原書の国で分類されてはおらず、“外国文学”でひとまとめにして、日本の小説と同様に、著者名の姓の頭文字+名の頭文字による五十音順です。ただ、外国人作家は通常『名・姓』という順で名前を呼ぶので、それを『姓・名』にひっくり返して、1文字ずつ拾うことになりますね。例えば、ダニエル・キイスなら「キタ」となるわけです。
外国語図書もかなりの冊数。一番多いのは英語ですが、中国語、韓国語、伊語、独語、仏語、スペイン語、ポルトガル語、ビルマ語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、タガログ語、アラビア語、ヒンズー語と取り揃えています。ただ、英語は4m弱程度の幅の書棚3.5列分あるという多さなのに、分類見出しが全くないので、本が探しにくいです。単に所蔵数を多くするだけでなく、その資料がわかりやすいような棚作りをしてくれると嬉しいです。
地下は、中央付近にレファレンスカウンターがあり、カウンター向かって右が“自然科学フロア”、左が“人文・社会科学フロア”と分かれています。ネット閲覧PCや持参PCが使える席は人文・社会科学フロアの一画に、また地域資料は自然科学フロアの一画にあります。
書棚を見ると、さすが中央館、どのジャンルも資料が充実しています。ただ、棚に差すタイプの見出しがない(棚上部に大まかなジャンル名が示されているだけ)ので、どのジャンルがどこからどこまでだかわかりにくい。4桁の請求番号で細かく分類していても、その請求番号が何を示すのか、棚を見ている限りではわからないし、いい本ないかな…と棚にある本の書名を見ているうちに、違うジャンルの場所まで無駄に探していることもあるくらい。
せっかく蔵書が多くて、分類もしっかりしているのに、その分類に関する表示が細かくないために探しにくくなっているというのはもったいないですね。図書館に慣れている人や中央図書館の常連さんだけでなく、初めて利用する人や図書館自体を利用することが少ない人にも、わかりやすい図書館であって欲しいと思います。
机席に関しては1階にはなくて、地下にたくさんあります。でも、埋まっている率が高く、休日の昼間にのんびり行っても空席なんてありません。地下の机席ですごいと思うのは、階段の裏側の窓際に椅子が置いてあり、窓の桟から少し出っ張った部分に本やノートを広げて利用している人がいること。本来、机ではないところを机として利用するくらいの混みようなんです。それだけ、机席競争率は激しいと思ってください。
外国語雑誌は、英語・中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語と種類も多数取り揃えています。変り種としては、フライトガイド(飛行機の時刻表)やヨーロッパの鉄道時刻表(ともに英語表記)もあるんです。海外旅行のときに実用的に利用するだけでなく、パラパラと眺めて海外旅行気分に浸るのも楽しいです。
地下の階段下りて右側の奥には「中平記念東大出版会コーナー」という棚があります。中平千三郎氏からの寄贈図書か何かでしょうか。館内には説明がないので、このコーナーができた経緯などはわかりません(これもどこかに掲示すればいいのに。それともどこかに説明があるのを私が見逃したか)。日本語で書かれた学術書のみならず、英語で書かれた学術書もずらっと並んでいます。区立図書館とは思えない専門書が並んでいて、ちょっとびびります(笑)。
パソコン利用については、まず図書館備え付けのネット閲覧パソコンが、地下のITルームにあります。「ルーム」といっても、低い仕切り区切られているだけの空間ですが。カウンターに申し込んでの利用で、1回50分。データベースに関しては、「聞蔵」が3号機、「日外MAGAZINEPLUS」が4号機と、利用できるパソコンが限られているので、データベース利用の際はご注意ください。
それとは別に、持参パソコンを使用できる席が11席あります。上に書いたように、中央図書館の閲覧席は人気があるので、パソコン利用でない人がパソコン利用可能席を使っている場合もありますが、パソコンを使いたい旨を職員さんに申し出れば、パソコン利用者が優先されるはずです。今は調べものの結果を、直接パソコンでまとめる人も多いですよね。ぜひ利用してくださいね。但し、電源は利用できないので、利用の際には充電を忘れずに。ちなみにこの席は、以前はNTTコミュニケーションズの無線LANサービス「ホットスポット」が利用できたのですが、2012(平成24)年4月から撤去されました。今後どうするかは未定とのこと。
また、この図書館には資料としてポスターを所蔵していて、貸出もしているのです。地下1階の階段降りて正面、検索機が並んでいるところの左に「ポスター」と書いてある棚がありまして。ん?と思って見てみると、パネルに入ったポスターがずらっと並んでいます。しかも裏にはバーコードや、バーコード管理以前の名残として貸出期限日の判子を押す紙が貼ってある。職員さんに聞いてみたら、確かに借りられるとのこと。貸出の際には書籍としてカウント(各図書館ごとに5冊までの中にカウント)されるとのこと。私は家が遠いので借りたことはないのですが、借りたことがある方に聞いた話だと、たとえそれなりに家が近くても、やはりポスターを持ち帰るのは大変のようです。借りたい場合は、ポスター以外の荷物をリュックでまとめられるようにするなどの準備をした方がよさそうです。
ポスター借りられる図書館は、23区では世田谷区中央図書館のみ。いや、借りられるも何も、ポスターを資料として所蔵している図書館が、23区はここだけ。東京全体で見ると、市部のどこかでもポスターの所蔵・貸出を行っているようです。貸出(というか、持ち運び)が難しい方は、館内で見るだけでもぜひどうぞ。
さて、中央図書館で私が気に入っているのが、「ざ・ちゅうおう ぷれす」という中央図書館が3,7,11月と、4ヶ月に1回発行している小冊子。新刊図書案内や行事紹介だけでなく、地域を取材してまとめた記事や関連資料の紹介もしています。バックナンバーについては、世田谷区のホームページ内のこちらのページで見ることができます。配布しているのは、カラー用紙にモノクロ印刷しているものなのですが、バックナンバーのPDFはカラーなので、写真などはPDFの方がいいくらい(笑)。
この「ざ・ちゅうおう ぷれす」、一時期つまんなくなっていて、この訪問記にもそう書いていたのですが、最近また面白くなってきて嬉しいです!地域取材の記事は、「世田谷区にこんなところがあるんだ、行ってみたいな」という気になります。世田谷区って広いから、区民でも知らないところが多いのではないでしょうか。資料を読んでから訪れるのもよし、先に訪れてから資料にあたるのもよし、区内散歩を楽しみたいですね。
また、地域資料の棚も充実。「世田谷ライフ」といった雑誌や、世田谷区が掲載されているガイド本なども多く所蔵しているので、本格的な歴史調べだけでなく、気軽に地域ネタを仕入れるのにも適しています。世田谷美術館の目録や世田谷文学館発行の書籍も素敵なものばかり。区立で美術館も文学館も設立しているって、いい区ですよね~。私がこの中央図書館に来る度に、1階のポスターコーナーで美術館や文学館のイベント展示をチェックするのもわかるでしょ(笑)。
中央図書館でいろいろな資料・情報を見ていると、図書館だけでなく、区内の文化施設をいろいろ利用したくなります。展示を見に行く前に、関連資料を図書館で借りて読むのもいいですよね。図書館を通じて、世田谷区全体を楽しみましょう!
世田谷区立中央図書館 特集・行事・図書館だより感想記
ざ・ちゅうおうぷれす 2007年11月号
ざ・ちゅうおうぷれす 2007年7月号
ざ・ちゅうおうぷれす 2007年3月号
ざ・ちゅうおうぷれす 2006年11月号
