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新宿区立北新宿図書館

新宿区立北新宿図書館 訪問記

last visit:2013/06/14

新宿区立北新宿図書館は、東中野駅と大久保駅の中間辺りに建つ図書館。北新宿公園の隣にあり、夏には蝉の声も聞こえます。小さいながらも充実した書架。中国語の図書は、更に「繁体字」「簡体字」で分類されているほど充実しています。

§ 図書館の場所

東中野駅、大久保駅、中野坂上駅のどこからも行けるけどどこからも少し歩く必要があるという、便利なような不便なような位置にある北新宿図書館は、北新宿公園の隣にあたります。

東中野駅からは、東口改札を出たら右の階段を下りて、目の前の交番の右の階段を降りてそのまま直進→突き当りを右折→最初の曲がり角で左折して、神田川にかかる橋を渡る→T字路の次に十字路があるので、そこで右折してしばらくいくと、道の左側に北新宿図書館の入った複合施設が現れます。

大久保駅から行く場合は、北口に出て、総武線と交差している大久保通りを左に進みます。駅から750mほど進んだ「北新宿三丁目」交差点で右折して、北新宿公園に沿って進んで行くと、北新宿公園の隣に北新宿図書館の入った建物があります。

中野坂上駅から行く場合は、「中野坂上」交差点から山手通りを北に進みます。地下鉄出口としては、大江戸線の方まで行ってA2で出るのが一番近いです。しばらく進んで(A2から行く場合は、途中のどこかで山手通りの反対側の歩道に渡ってください)、宮下交差点で右に曲がり、神田川を越えて「北新宿三丁目」交差点で左折して、北新宿公園に沿って進んで行くと、北新宿公園の隣に北新宿図書館の入っている建物があります。

どの駅から来るにしても、北新宿公園が目印になりますね。北新宿公園は、新宿区の公式HPによると東京薬科大学があった場所だとのこと。東京薬科大学の大学沿革を見ると、「1928(昭和3年)豊多摩郡淀橋町柏木に校舎を新築移転」とあり、それがおそらくこの場所のことでしょう。公園内には、東京薬科大学時代からあったイヌザクラもあり、夏はセミがうるさいくらいに(笑)鳴いてます。

§ 図書館内の様子

建物としては、児童館・社会教育会館との併設施設で、その3階に北新宿図書館があります。3階全てが図書館なのではなく、階段・エレベーターから見て、右のエリアが社会教育会館、左のエリアが図書館です。

図書館エリアに入ると、まず、書架エリアとは別区画という形でロビーのような新聞・雑誌コーナーがあります。新聞・雑誌コーナーの左に児童コーナーがあり、奥側一帯が一般書架。カウンターは、新聞・雑誌コーナーから一般書架に入ってすぐ右にあります。閲覧席は一般書架の右奥に固まっています。3階フロアを社会教育会館と分け合っていることもあり、面積としても広くはありません。

§ 児童コーナー

児童コーナーは、濃いピンクの絨毯の読み聞かせスペースが印象的。この絨毯、わりと最近張り替えたのかな、ふかふかで気持ちいい。このスペースの奥には、別室という形でおはなしの部屋もあります。

読み聞かせコーナーの壁に沿って絵本の棚が並んでいて、日本の絵本も外国の絵本も一緒にして、タイトルの頭文字で分類されています。カウンターに近い辺りの棚上にある外国語絵本は、英語・ハングル・中国語、その他も言語も少しありますね。北新宿図書館では英語のおはなし会や韓国語のおはなし会もときどき開催しています(韓国語おはなし会は社会教育会館の方で開催)。

児童書の書棚は結構背が高く、棚と棚の間もやや狭いです。そんな中に自由に場所を動かせる椅子があって、本を見ようと棚の間に入ると人が座っていたりするのでびっくりします(笑)。児童向け読みものの本は、日本人作家と外国人作家を別にして、著者姓名の五十音順で並んでいますね。

児童用机席と靴脱ぎスペースの間の柱の脇には、都内の子ども向けイベントのチラシをファイリングしたものがあります。博物館などで行われるいろんなイベントの中から興味のあるものをぜひ探してみてください。美術館や博物館のチラシを集めたファイルは、新聞・雑誌コーナーの角に一般向けのものも置いてあります。本や雑誌の情報だけでなく都内の各施設の展示やイベントの情報も見ることができる、図書館ってまさに情報の宝庫ですね。

§ 一般書架

児童コーナーもそうですが、一般書架も席は少なめで、書架がびっしりと並んでいます。書架は、渋いという印象ですね。派手にアピールはしていませんが、小さいながらも充実している書架です。例えば、「東京(江戸)新宿に関する本」のコーナー。東京の散歩案内から偉(奇)人伝や街の話まで、写真集もあるけど、どちらかというとビジュアルものより読みものが充実しています。『花園神社三百五十年誌』など市販していない資料もあり、東京・江戸・新宿のエピソードに興味がある人にはお薦めの書棚です。

また、家事関連本や医学などの、日本十進分類法による分類だけでは多様な資料が混在してしまうジャンルは、更に細かく分類してくれています。例えば、料理の棚は「お取り寄せ・お土産」「鍋料理」「アウトドア料理」「おつまみ」「料理事典」「調理道具を上手に使おう」「今日の献立に迷ったら」などなど。「健康を考える食事」「カロリーを考えた食事」は「料理」ではなく「医学」の分類になるのですが、わからずに「料理」の棚を見に来たとしても、ちゃんと気付くように棚に注記しています。

日本の小説は、著者名の五十音順。複数の作家による作品集の場合、奥付に編者が明記してある書籍は本のタイトルで五十音順の並びに入れられ、奥付に著者として複数の作家名が並んでいる書籍はその書かれた作家達の一番先頭の著者名をとって、五十音順の並びに入れられています。日本の小説の棚は、著者名による見出しはなく、頭文字1文字の見出しがあるのみ。でも、著者の五十音順に並んでいるのでちゃんとわかるし、北新宿図書館くらいの規模(中の小か、小の大か、というところ)だと、むしろこの方がすっきりしていていいのかも。外国の小説は、英米文学・ドイツ文学・フランス文学…と国別に分類された上で、日本の小説と同様に並んでいます。

中高生コーナーでは、これも図書館規模が小さいせいでしょうか、中高生向け文庫や文庫本サイズの漫画などコンパクトな資料を揃えています。中高生コーナーそばの柱では、本の展示もしているのでそちらもお見逃しなく。

外国語図書は英語・中国語・ハングルを揃えており、特に中国語の図書は「繁体字」「簡体字」で分類されているほど。中国語の図書をさらに「繁体字」「簡体字」と分類してある図書館は、23区では北新宿図書館しかありません。外国語図書のうち、ハングルだけは中高生コーナーそばの壁際にあるので、見逃さないようにご注意を。

ちなみに、新宿区立図書館では、請求記号のラベルの枠色が、0類(総記)が橙、1類(哲学)が灰色、2類(歴史)が緑、3類(社会科学)が青、4類(自然科学)が茶、5類(技術)が黄、6類(産業)が紫、7類(芸術)が紺…といった具合に、ジャンル別に色分けしていて、外国語図書のラベルも同じ色分けを使っています。ただ、古い資料だとラベルの色が褪せてしまい、橙が黄色にしかみえなかったり、青・紺・紫などの青系の色も褪せて区別がつかなくなっていたりします(笑)。新宿区立図書館のラベルを見るときは、色よりも数字をしっかり見るのが大事ですね。

2011年6月に利用したとき、職員さんに教えていただいたのですが、一般書架の棚の一番上の段に、落下防止のバーがついているのです。銀色の棒が、普段は棚板の前面にくっついている感じなのですが、震度4レベルの揺れを感知すると、自動的にこの銀色の棒が上がって、本が落ちるのを防ぐとのこと。ちなみに、メーカーさんの公式サイト内のページで、作動する動画を見ることもできます。

北新宿図書館の図書館だより「きたしん・つうしん」2011(平成23)年6月15日号によると、東日本大震災の日に北新宿図書館でも最上段の本が落下したことから設置したのだそうです。経験したことにこうして対処してくれているというのは、利用者としても安心ですね。

また、書架の柱には、実際に寄せられた調べもの相談をもとに調べ方事例を紹介してくれるパスファインダーがあります。一般書架には「おとなパスファインダー」、児童コーナーには「こどもパスファインダー」があるので、知りたいことがあるけどどこから手をつけたらいいのかわからないという方はぜひ参考に。更に詳しく知りたい方や、自分の調べたいこととは違うと行く方は、実際に図書館職員さんに相談してみましょう。

§ 特色ある試みを楽しめる図書館

北新宿図書館は、2011年7月7日から「kumori」というプロジェクトに参加しています。このプロジェクトは、お薦め本についての読者からの投稿を、しおりとして印刷して図書館で配布するプロジェクトで、東京の図書館では北新宿図書館が最初の参加です。

具体的には、まず、館内で自由にもらえるしおりを配布していて、一つ一つのしおりに誰かからのお薦め本に関する情報とその本に関する推薦者からのメッセージが掲載されています。デザインが可愛くて、紙質も厚くしっかりしていて、耐水性もバッチリと、純粋にしおりとしても優れものですし、実際に紹介されている本を図書館で借りて、その本を読むのにそのしおりを使うのも、気分が盛り上がりそう。

また、館内に応募用紙と投稿用ポストがあるので、本を紹介する側にもなれるんです。お薦め本に関する自分のメッセージが、こんなに可愛いしおりになるなんて!メッセージに添えるイラストの内容もリクエストできるんですよ。

しおりを通じて、図書館の利用者が本を紹介しあうって、面白い企画ですね。北新宿図書館を利用しているお互い知らない者同士が、実はkumoriを通じてお互いのお薦め本を読んでいる…なんて事も起こるかも?!

その他にも、新聞・雑誌コーナー入って左の特集コーナーでは、紀伊國屋書店新宿南店との共同ブックフェアをすることがあります。書店との共同ブックフェアって面白いですね。紀伊國屋書店新宿南店だと、角筈図書館の方が近いはずなのに、何で北新宿図書館とのコラボになるのかなあ…と思って訪問記にそう書いたら、職員さんからメールをいただきまして、紀伊國屋書店と大新東ヒューマンサービスの共同企業体が北新宿図書館の指定管理者として運営していることから、このような企画を実施したのだそうです。

北新宿図書館って、“図書館”という既成概念にとどまらず、こうしたいろんな企画を行っていて、行く度に楽しいです。そんな職員さんの意気込みを反映してか、書棚もとても魅力的で、つい先日も予定以上に本を借りてしまいました。本との出会いを楽しめるだけでなく、kumoriを通じて本を紹介することを楽しむこともできる図書館。ぜひともいろんな方向から本を楽しみましょう!

新宿区立北新宿図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  図書館と話そう~ミニ職場体験~
―2013年10月27日のイベント
説明会や利用者懇談会よりももっと気軽なかたちで、図書館職員さんと自由に話せる場を用意したイベントの第2回。今回は透明保護フィルム掛け体験もできました。
  図書館と話そう
―2013年7月13日のイベント
図書館懇親会よりももっと気軽なかたちで、図書館のこと、本のことなどについて自由に話せる場を用意したイベントに参加してきました。
  きたしん お楽しみ袋
―2012年12月21日から2013年1月16日の企画
それぞれのテーマで2,3冊を袋に入れて貸出してくれる「お楽しみ袋」、何が入っているのかは借りてからのお楽しみです。
  はじめての手製本 手かがりリボンノートをつくる
―2012年6月7日のイベント
北新宿図書館で開催されたかがり製本講座に参加してきました。やや複雑な製本でしたが、植村愛音さんの丁寧な説明と一緒に参加した方と教え合ったりもして、無事に手作りノートを完成できました!

新宿区立北新宿図書館 データ

住所東京都新宿区北新宿3-20-2 3階 →Google Mapで見る
Tel03-3365-4755
開館時間
月・水~金曜9:00~19:00
土・日曜・祝日9:00~18:00
定休日火曜・第3木曜(祝休日と重なる場合は開館し、翌日を休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 JR総武線 東中野駅から徒歩10分
JR総武線 大久保駅から徒歩14分
東京メトロ丸ノ内線都営大江戸線 中野坂上駅から徒歩15分
都営大江戸線 東中野駅から徒歩15分
駐輪場建物入口手前に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数70,595冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト敷地の門の右にブックポストあり
自動貸出機ICタグ式自動貸出機1台あり
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCネット閲覧PC1台あり。利用は1回30分。
持参PC利用不可
LAN接続館内用無線LANの利用可能
飲食設備等
  • 建物1階に飲料自販機1台あり
  • 3階エレベーター向かって右の椅子で持参飲料の摂取可能