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「生誕100周年高見順」

―2006年11月29日訪問時の展示
visit:2006/11/29

2006年11月29日にみなと図書館を訪問したときの特集展示は「生誕100周年高見順」。

高見順は、生まれこそ福井県坂井郡ですが、翌年から東京市麻布区竹谷町(今の南麻布1丁目)に移住したんですね。その港区とのつながりと、来年1月で生誕100周年を迎えるということで、来年度から「港区ゆかりの人物」に加えられるのだそうです。今回の特集はそれにちなんだそうで。「港区ゆかりの人物」は、港区立図書館と港区郷土資料館が作っているデータベース。Web上でもこちらから見ることができます。

みなと図書館の特集コーナーとしては、まず1階の入口入って右の方にある棚に、普段は書庫に入ってる高見順の本が並んでいます。中には、ほとんど紙が茶色に変色してしまった古い本もあるので、少し緊張してそ~っと開かないと。

また、ここには娘さんの高見恭子の本も並んでいましたね。

そして、棚の下の方には、生誕100年にちなんで100年前の様子を取り上げた本なんかも並んでいます。私が手に取った『100年前の東京〈1〉東京繁昌記 明治前期編』は、明治初期に書かれた「東京新繁昌記」を現代風の文章に直したものだったのですが、牛肉店や女学校など当時の新しいものの紹介のされ方が面白い。

女学校の項では、子供に接する時間の長い母親がいろいろ知識を身につけてもらわないことには、いい教育ができる訳がないという論が展開され、
>その母親はわずかにイロハのイロだけを学んで、ハ以下の字を知らない。
>ただ色(イロ)事だけで、子供を教えているのだ。
だから、年頃の娘なんて学問そっちのけで色気づいて…なんて続くあたり、お小言ながらも楽しい文章です。

と、高見順特集の方はさらっと流してしまいましたが、高見順特集は2階にも展示があるのですよ。私は1階よりも2階の方がお薦め。

2階の方は、参考図書の部屋に接している廊下のガラスケースに展示されています。年表は1階にも2階にもあるのですが、2階の方が詳しく書いてありますね。

ここにあった『混濁の浪―わが一高時代』、手にとって読んでみたい。これ、高見順の文章だけでなく、イラストも掲載されているのですよね。本を開いて展示してくれているのでイラストも見られるのですが、この絵いいなあ。関連のなさそうなものが思うままに描かれている感じで、何を考えて描いたのだろうと想像していくのが楽しい。

また、伊勢丹で行われた高見順特集の資料とおぼしきものがあったり、国語の教科書に掲載されているところが展示されていたり。昔の版の単行本などは装丁も今とは雰囲気が違っていいんですよね。

こちらの展示はガラスケースの中にあるので、手にとって取れないのが難でしょうか。まあ、こちらの方の展示がいいというのは、私が単行本好きなせいもあると思うので(1階は日記集や○○集みたいなものが多かった)、実際に文章を読めるという点では1階の方がいいですね。