トップ図書館ならでは本 > ぶんきょうの坂道

ぶんきょうの坂道

文京区教育委員会 著

文京と言えば坂の町。文京区立図書館には自転車で行く私はたびたび苦しめられてもいますが、団子坂をはじめ小説に登場する坂が多々あります。

それらの坂の名前の由来や登場する文献などをまとめたのが『ぶんきょうの坂道』。掲載されている坂は113あり、全ての坂の写真だけでなく、山口正雄氏によるイラストも数枚掲載されています。

ちなみに便宜上、文京区立図書館所蔵本として紹介していますが、東京の地域資料として他区でも所蔵しているところは多いです。23区で蔵書検索してみたところ、葛飾区・世田谷区・豊島区を除く20区で所蔵していました。

さて、掲載されている坂の中から図書館のそばにある坂を上げてみると、真砂中央図書館の北にある炭団坂は、その名の由来として「炭団を商う人が多かった」という説と「切り立った急坂で転び落ちる人が多かったから」という説が掲載されています。

小石川図書館の前を下る団平坂は、団平さんと米つき屋さんの名前ですね。湯島図書館のそばを通る傘谷坂は傘をたくさん作っていたところで、本郷図書館のそばにある団子坂は団子を売っているお茶屋さんが由来とのこと。

こう書くと皆そのまんまですね(笑)。

団子坂は潮見坂、千駄木坂、七面坂といった別名の多い坂でもあります。そういえば本郷図書館は「汐見」地域センターの中にありますね。その汐見・潮見はこの坂の上から佃の海が見えたことから来ているようです。

坂というものは眺めるにはよくても上るのは少々辛い。でも、上った先の風景は下とは違ったいい眺めだったり。

この本を持って散歩するもよし、身軽に散歩して後でめくるもよし、散歩の途中で図書館に寄って読むのもよし。文京区を歩くならぜひ目を通してみてくださいね。