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CurrentIcon 一文で選ぶ横山光輝

―2014年9月27日からの展示
visit:2014/09/28

豊島区立千早図書館といえば、横山光輝の住まいに近かったことから寄贈された鉄人28号像で有名な図書館。2014年はその横山光輝の生誕80周年にあたるということで、豊島区にある東京芸術劇場や豊島区立中央図書館で横山光輝関係の展示が行われています。当然、千早図書館でも連動企画を行っており、それがここで紹介する「一文で選ぶ横山光輝」です。

千早図書館に入ると、入口正面に大きな鉄人28号像があるのですが、その鉄人の前に色紙でくるんだ本が並んでいます。近づいてみると、色紙にはセリフらしき言葉が印刷されています。例えば、こんな感じ

魔法でなおせば
かんたんだわ
でもそうすれば
あの人は努力するってこと
をわすれてしまうわ
われわれは、
サタン博士のロボットに
かこまれてだっ出できない。
SOS!!
SOS!!
あのおはなしが
ぜんぶほんとうなら
おにいさんの身の上に
なにか不幸がおこるわ
ロック君、きみは
プラントさんの発明の
秘密を知っている
ただ一人の人間だ・・・
ひとりでなやむのは
じぶんをくるしめるだけよ
さあ ほんとうのことを
いって・・・・・・
闇がいまわしく
光明が楽しいときめつけてはいけません
人によっては
闇が昼より楽しいかもしれません
わたしひとりがしんで
このいくさが
やめられるなら
よろこんでしにましょう
ああ
いそがしい いそがしい
どうも世の中って
うまくいかないものね
大自然からみれば、
人間なんて まるで
虫けらのようなもの
なんだな。
ところがこの服があとになって
とんでもない事件を
ひきおこそうとは
だれもしらなかった
まったく あれだけ
痛い目にあって
一文にもならねえ
仕事なんて
まっぴらだな
不思議なお方だ
こうはっきりと
本音を言われると
なんとしても
助けたくなって
しまう

横山光輝は、歴史もの、現代もの、未来ものまでさまざまな作品を手掛けており、セリフからも「これは歴史ものかな」「これはSFものかな」と想像できますね。でも、歴史ものと見せかけておいて実は現代ものだったりするかも。また、例えば上に挙げた最初の、女の子の言葉で魔法のことを話しているのは有名なあの作品かなとか、「サタン博士」「ロック君」という人物名が入っているセリフは、詳しい人ならどの作品なのかわかりそう。現に私がこのコーナーにいたとき、小学生の男の子がここから1冊取って借りていったのですが、借りる際に職員さんに「僕はほとんど全部中身がわかる」と自慢していました(笑)。

豊島区立千早図書館 一文で選ぶ横山光輝 表側

こうしたセリフが並んでいるなか、私が選んだのは左の写真。「これだけの宝石は世界一の 金持ちが買おうとしても 買いきれないだろう いったい誰がこんな財宝を この墓場にうめたのだろう」というセリフに、人間の業が描かれている作品を想像して借りてみました。開けてみると、中に入っていたのは『白髪鬼』という作品。短編漫画がいくつか入っており、表題の作品は江戸川乱歩原作で、選ばれたセリフも表題作の中にありました。お金持ちに集まってくる人々の友情・愛情や、ひどい目にあった人間の強い復讐心を描いたドロドロの作品で面白かったです。

写真をよくみるとわかりますが、印刷されたセリフの下にそのセリフの登場するページ数が記載してあります。私の借りたこれは短編集なので「p44」とだけ書いてありますが、これが「第●巻 p--」のように書いている場合は、複数巻ものだそうです。あえて長編を選ぶもよし、1冊読み切りを選ぶのもよし、選ぶ際の参考にしてください。

豊島区立千早図書館 一文で選ぶ横山光輝 裏側

ちなみに、豊島区立図書館は現時点ではICタグ導入館と未導入館があります。ICタグを導入している場合は、本が紙でくるまれていてもICタグを読み取ることができますが、ICタグを導入していない館では貸出手続きの際に蔵書のバーコードを読み込むことが必要です。千早図書館はICタグ未導入館で、バーコードを読むために、セリフで包まれた本を裏返すと左の写真のようになっています。バーコードの大きさぴったりの穴が開いているところに、職員さんの「目隠しでの本選びを楽しんでもらおう」という意気込みを感じます。

個人的にも、今回の企画が横山光輝を読むきっかけになってよかったです。千早図書館の訪問記では、知った顔して横山光輝と千早図書館の関係を紹介していますが、実際にどれくらい横山光輝の作品に触れているかというと、アニメのサリーちゃんを見たことある程度。千早図書館に行けば、ずらっと並ぶ横山光輝作品をパラパラめくりはするけど、じっくり読んだことはありませんでした。実際に読んでみると、あまり漫画を読まない私には、最近の漫画よりむしろ読みやすく、これからも読んでみようと思っています。

一定の世代以上の人には懐かしいでしょうし、私のように「作品名は知っているけど、きちんと読んだことがない」という人にはいい機会だと思います。生誕80周年記念にぜひ横山作品を手に取ってみてください。

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