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―2015年10月27日から11月8日までのイベント
visit:2015/11/07
§ 謎解きを楽しみながら図書館を学ぶ特別企画

立川市立図書館では、2015年の読書週間に「第10回たちかわ読書ウィーク」と題して、各館で工夫を凝らした企画を行っていました。そのイベントの一つ、立川市上砂図書館で実施していた謎解きイベント「ミステリークエスト」に、私も参加してきました。

謎解きイベントはここ数年でとても流行っており、専用に設置された施設で開催されることもあれば、街中や駅など一般の人もいる場所にヒントを隠したり、ふだんからそこにあるものが謎解きのヒントや答えになっているパターンのものも開催されています。上砂図書館のミステリクエストは後者のスタイルで、2015年10月27日から11月8日までの実施期間に、通常開館している図書館のカウンターに問題用紙を用意しており、参加を申し出て用紙をもらって、さっそく謎解きスタート!問題は小学生用と中高生用の2つでしたが、大人でも参加していいとのことだったので、遠慮なく両方に挑戦してみました。職員さんに聞いた話でも、親子で来館して、お子さんが小学生用を、親御さんが中高生用をという参加もあったそうです。

§ まずは小学生用に挑戦

小学生用の問題用紙を見ると、<もんだい1>として5つの質問が出題されています。5つの質問の答えを問題用紙のクロスワードパズルにあてはめると、横一列に繋げた文字が一つの言葉になる。それをカウンターに持っていき、正解だったら<もんだい2>がもらえるかたちで、<もんだい>は3まであります。その日のうちに終わらなくても、実施期間中なら続けて挑戦できるそうで、低学年の子どもも頑張って自力で解きたいところです。

問題の内容は、図書館の設備の名前や、特徴的な資料のタイトル、物語の内容に関する問題など。問題用紙には館内地図がついており、それらを手掛かりに答えを導き出します。例えば、「たてにながーいおおきな本が、ちずの④のところにあります。なんというだいめいでしょう?ひらがなでこたえてね。(○○○○○○○)のいえ *ヒント*ひょうしがみずいろ」といった問題です。この問題、絵本が好きな人ならこの文章だけでも答えがわかるのではないでしょうか。私も友人の娘さんにこの絵本の通常サイズ版をプレゼントしたことがあるくらい、楽しい絵本です。

まだ<もんだい1>ですので難易度も低く、例に挙げた問題のように、地図と問題文に従えばすぐわかる、大人の私が解けないわけがない…と思いきや、5つ目の質問であるカウンターの脇にあるぬいぐるみ・立川市のキャラクターの名前がわからずに苦戦してしまいました。たまちゃん(立川市立図書館のキャラクター)ならすぐわかるのに、市のキャラクターには知識が及ばず…。しかし、クロスワードの横一列が「たまちゃ 」だったので、5つ目の答えがわからなくても、最後の言葉はどう考えても「ん」に間違いなし。結局職員さんに「くるりん」だと教えていただいてクリアということになりました。くるりん、知らなくてごめんなさい。これで覚えました。

次の<もんだい2>は、図書館の中に隠れている3ヶ所のたまちゃんを探す問題。「おさかなの本のところにいるよ」「ここはたべもののえほんのコーナーみたい」などの言葉が書かれているだけで、<もんだい1>のような館内地図はないので、館内にある配置図などを見て自分で本棚の場所を探さないといけません。

こうした問題は謎解きを通じて、この図書館では何がどこにあるのか、どういう分類をしているかを学べるので、その後の図書館利用にも役立ちます。私自身、たべもののえほんのコーナーにいるたまちゃんを見つける際、ちしき絵本の分類(上砂図書館の場合は「社会のえほん」「理科のえほん」「たべもののえほん」「のりものえほん」「あそび・うたのえほん」)にあらためて注目し、各図書館のちしき絵本の分類を調べたら違いがありそうで調べてみる価値ありかもと考えたりしていました。

この問題では、書架のなかにあるたまちゃんイラストの裏にシールがあり、それを問題用紙に貼ってカウンターに持っていきます。私も無事正解し、いよいよ<もんだい3>へ。ここでは問題用紙とともに1冊の絵本を渡され、物語の内容に関する問題に挑戦します。問題に関係あるところだけを読むこともできるけど、せっかくだから最初から最後まで読んだうえで答えをカウンターに持っていきました。図書館巡りを始めてからときどき絵本も読むようになりましたが、結構するどいことを言っていたりして、大人が読んでも面白いんですよね。

§ 中高生用はタイムトライアル方式

小学生向けを無事にゴールした直後、勢いに任せて中高生向けにも挑戦。こちらの1枚目の問題用紙をみると、まず開始時刻を書く枠があります。ここで記入した時刻とゴールの時刻から所要時間を割り出し、短い時間で解いた順に名前を貼り出してくれるそう。ゴールした後に名前を貼り出していいか、その際に名前(本名でもあだ名でもOK)なども聞いてくれるので、貼り出されるのが恥ずかしい人は辞退したりあだ名にしても構いません。

中高生用の1問目は、7つの質問に答えて、その回答を問題用紙のクロスワードパズルにあてはめ、横一列に並んだ文字を繋げて言葉をつくるというもの。小学生用と同様に、1問目に正解すると2問目がもらえるかたちで3問目まであります。1問目は図書館内、特に中高生コーナーを見て回れば答えがわかる問題で、解きながら回っていくと、昭和記念公園の北にある団地の中の小さな図書館にしてはCDを比較的多く所蔵しているんだとか、中高生コーナーにも大人が読んで面白そうな本があるんだという発見があります。

1問目の答えは「はこてにいれろ(箱手に入れろ)」で、それをカウンターに持っていくと、言葉通り箱を渡されます。2問目は問題用紙をもらって解くのではなく、この箱が問題になっているとのこと。箱をあけると棒・紐・図形の書かれた小さい板があり、その小さい板で答えをつくるそうですが、それ以外にはヒントなし。よく見ると、紐にところどころ黒い線が入っており、実はこれが謎を解く大きなカギとなっています。ふと思いつき、棒と紐を使ってあれこれしてみたところ、見事図形が現れ、カウンターの職員さんに見せたら正解とのこと。いよいよ、ラスト3問目です。

3問目も推理力が必要な問題。立川市立図書館のtwitter公式アカウントをフォローしている人は、問題の一部を写した写真付きでミステリクエストのことを紹介しているツイートをご覧になったと思いますが、この写真が中高生用の3問目です。これは問題文自体が謎の図形で示されており、解読表をヒントに問題文を読むと命令文になっています。館内にあるものを使ってカウンターの職員さんにその命令文通りのことをし、合っていたらゴールというわけ。

この最終問題は解答を書いて提出するのではなく、命令文通りの行動をするので、ミステリクエストをしていない利用者さんから見たら謎の行動だったと思います。その恥ずかしさを乗り越えて(大袈裟?笑)、その行動を取ってみたところ、無事正解となりました!小学生用も中高生用も、3問目まで正解すると記念品をいただけて、見事ゴールした人として名前が貼り出されます。

§ 謎解きを通じて図書館を知るイベント

私はこうした図書館での謎解きイベントが好きで、参加できるものはなるべく参加しているのですが、謎解き自体が楽しいのはもちろん、謎解きを通じてその図書館のことを知ることができたり、知らなかった本に出会えたりするのが楽しいんです。謎解きを終えた後に職員さんとお話させていただいたのですが、見せると皆、わぁこんな本があるんだと楽しんでくれる本があっても、ただ図書館の中に置いているだけではあまり見てもらえない。それを謎解きの答えにすることで、参加者に手に取ってもらいたいという思いがあったそう。

そのように直接的に本を紹介するかたち以外にも、ヒントを求めて館内を回っているうちに、面白そうな本が目に入ってくることもあります。図書館をよく使っている人でも、いや逆に、図書館をよく使っている人こそ、自分の関心がある棚しか見ない人が多いのではないでしょうか。謎解きのなかで普段は行かない棚に行かされることで、未知のジャンルや本との出会いがあります。

その点では、中高生用の問題は2問目以降が、図書館不要の推理力中心の問題になっていたようにも感じます。私自身、うまい問題を作れと言われてもそう簡単にはできないと思うので、ハードルが高いことを要求しているとはわかっていますが、せっかくなら図書館資料や設備(分類記号など)を盛り込むなどして、図書館でないと出せない問題、解くことで図書館のことをより深く知れる問題だったらと。もちろん、図書館で面白い企画をすることで、普段図書館に来ない人に足を運んでもらうという目的もあり、その点では参加者を呼べただけでも意味がありますが、謎解きに図書館にあるものや図書館機能を使えば参加者に図書館のことがもっとわかってもらえる。そもそも図書館での調べもの自体が一種の謎解きといえますし、図書館での謎解きイベントは「流行りの企画を図書館で」ということにとどまらない可能性を持っていると思います。

また、お話を伺ってこれはうまい仕掛けだと思ったのが、挑戦できるのは一人1回までとしたこと。このミステリクエストではネタバレしないよう、正解者に次の問題を渡す際に前の問題用紙を回収するようにしており、挑戦できるのも一人1回までとしているのですが、それによって何が生まれたかというと、もう一回やってみたい子は友達を連れてきて、その子の挑戦という体で参加するのだそうです。本を読みなさいと大人に言われて本を読まされるより、友達に誘われて図書館に来て本に出会う方が、ずっと楽しい体験のはず。ミステリクエストがきっかけで、この先も友達と一緒に図書館に来るようになったら素敵だと思います。

もう一つ、ふだんの図書館利用とは違うかたちで職員さんと話すきっかけになるというメリットもあります。中高生用の最後の問題で、カウンターにぬいぐるみを差し出すのなどは少し恥ずかしいですが、照れから出てしまう言葉で会話が生まれたりする。そうやって話せるようになると、「こんなこと聞いたら変かな」ということも聞けるようになるなど、職員さんに何か聞くことなどに対するハードルが低くなると思います。実際、私はこのイベントに参加した時点で、上砂図書館に来たのが初めて、立川市中央図書館には10回ほど行ったことがある状態でしたが、このミステリイベントのおかげで中央図書館より上砂図書館の方が親近感を感じてしまうくらいです。

この日はその後に予定があったために謎解きだけで図書館を後にしましたが、上砂図書館自体もきちんと利用して堪能したい、そう思わせてくれるイベントでした。上砂図書館の職員さん、ありがとうございました。問題を作る準備など大変かと思いますが、ぜひまた実施して、楽しませていただければ嬉しいです。そして、利用者の方には、この種の謎解きを通じて図書館を学べるイベントはぜひともお薦め。そう頻繁に開催されるイベントではありませんが、見つけたときにはぜひ参加してみてください。

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