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―2014年3月16日のイベント
visit:2014/03/16
§ 春日町図書館3回目のビブリオバトルはテーマフリー

5分間で本を紹介する「ビブリオバトル」というゲーム、新聞・ラジオ・テレビなどでも頻繁に取り上げられるようになったので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。まだ知らないという方は、ビブリオバトル公式サイトに詳しいルールなどが書いてあるので、ぜひご覧ください。本を通じて参加者の皆さんといろいろお話できる楽しいゲームで、私もすっかりハマっております。

練馬区春日町図書館では2012年12月にビブリオバトルを初めて実施。その後も回を重ねて、2014年3月16日に第3回が開催される運びとなり、私ももちろん参加してきました!

第1回は「今年の私の一冊」、第2回は「中高生へのおすすめ本」というテーマが設定されており、発表者はテーマに沿った本を紹介したのですが、今回はテーマなし。自由に本を選んで紹介することができたので、私はこの本なら春日町図書館のビブリオバトルを観に来る人が気に入りそうと思った本を持って参加しました。他の発表者の皆さんがどんな本を紹介するのかも楽しみにしているうちに、いざ当日。

今回の発表者は6人で、3人ずつで2ゲーム行うとのこと。うち、私を含めた3名は第2回にも発表者参加したメンバーで、ビブリオバトル愛好家が増えているのを実感。その中の一人は、前回自分の進路希望をからめた発表をした女子中学生だったのですが、聞いてみたら無事志望校に合格したのだそうです。おめでとうございます!受験中にビブリオバトルにも参加して、志望校にも合格するなんて素晴らしい!!

§ まずは公開で順番決め

そんな雑談などしているうちにイベント開始時刻を迎えて、館長さんのご挨拶、職員さんからの説明をいただいた後に、発表の組み合わせ・順番決めです。春日町図書館ビブリオバトルでは、毎回順番決めのスタイルに凝っていて、初回はガチャガチャのカプセルを発表者が選んで、開くと「○-△」(○ゲーム目の△番目の意)という紙が書いてあるスタイル。第2回目は二つ折りになっている紙を発表者が引いて、皆の前で一斉に開くと数字が書いてあり、それが順番となるスタイルでした。

そして今回は、袋の中から棒をひく籤引きスタイル。人数分ある棒から発表者が好きなものを選んでひくと、棒の先に1から3までの数字が書かれた紅白の紙があり、白=第1ゲーム、赤=第2ゲームで、数字が順番を示します。私は白の3をひいたので第1ゲームの3番目に決まりました。

§ 5分間でお薦め本を紹介

順番も決まって、いよいよビブリオバトルがスタート。1番手の発表者が5分間で本の発表をし、その後2分間で参加者から発表者への質問タイム、次に2番手の発表者が5分間で本の発表をし、2番手の発表者への質問タイム2分間…というかたちでゲームは進行していきます。

第1ゲームの1番手さんは、NHKでドラマ化された『真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生』を紹介。小説中に登場する美味しそうなパンの話を聞いていると、ちょっと小腹が空いてきたりして(笑)。ライトノベルで表紙も漫画みたいなのですが、謎解き要素もあって大人が読んでも面白いとのことで、言われてみれば私などはこういう機会でもないと、どんなライトノベルがあるのかさえ知りません。自分では手に取らないジャンルの情報が聞けるのは、ビブリオバトルのメリットの一つです。

2番手さんは、カズオ・イシグロの『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』を紹介。発表者さんは女性が男性を誘うシーンを朗読しようと準備してきたところ、観覧者の中に小学生が5名くらいいて、ちょっととまどいつつ朗読する羽目に(笑)。この辺りは、世代を越えて皆が利用している図書館でのビブリオバトルならではの難しさですね。でも、発表を聞くと大人向けの素敵な小説のようで、私は第1ゲームの投票をこの本に入れました。

3番手となった私は『ある図書館相談係の日記』を紹介しました。この本は、東京都立中央図書館に勤務していた著者が、相談係(レファレンス)をしていた際の記録を本にしたもので、相談事例をいろいろ読むのも面白いし、図書館職員さんの心情部分に利用者として考えさせられるところもあったりして、これを読めばそれまで以上に図書館を使いこなしたくなること間違いなしです。

発表の中で、「この本が欲しいのにない」と怒っていた利用者の方に本を探してあげてもありがとうの一言もないと虚しいという著者の独白を紹介したところ、観覧していた小学生が質問してくれて、「どうしてありがとうを言わなかったんですか」と。「たぶんその人は、見つかった本に夢中になってありがとうを言うのを忘れたと思います」といったありきたりな答えをしつつ、そこに疑問を感じるということは、こういうときにはありがとうを言うのが当たり前だと考えているお子さんなんだなと思い、嬉しくなってしまいました。子どもの発想は、汚れた大人(?笑)に純粋さを思い出させてくれますね。

第1ゲームの発表&質疑応答が全て終わったら投票タイム。自分が一番読みたいと思った本に一人一票の挙手で投票するかたちで、発表者は自分以外の本に投票します。投票の結果、私が発表した『ある図書館相談係の日記』をチャンプ本に選んでいただきました。ありがとうございます!

§ 休憩を挟んで第2ゲーム

5分間の休憩を挟んだ後の第2ゲームでは、1番手のバトラー(発表者)さんが福永武彦の『忘却の河』を紹介。お若い感じのバトラーさんにしては渋い本を選ぶなあと感心していたところ、質問タイムで「どこでその本と出会ったか」という質問があり、センター試験の問題としてこの作品の一部が出題されたことがあるそうで、その出題部分の表現に惹かれて元の作品を読んだとのことでした。私も似たような経験があって、受験という岐路にいるせいか、テスト問題での短い抜粋にもグッと惹きこまれてしまうんですよね。

2番手のバトラーさんは、自分でできる整体法が書かれた『骨盤にきく』を紹介してくれました。この発表者さんは1歳のお子さんを連れて参加していて、発表中にお子さんがふらふらと舞台を歩いていたのも可愛かった(笑)。でも、出産を経た後などこそ、体の調子の変化には普段にも増して敏感だろうし、そうした方から使える本として紹介していただくと説得力あります。

そして、今回のトリをつとめる中学生のバトラーさんが紹介した本は、このミス大賞受賞作でもある『屋上ミサイル』。屋上の平和を守る「屋上部」が活躍するミステリで、急に銃を拾ったりしてありえないストーリーだと思いながらも面白かったのだそう。これから高校に進学する女の子が、高校を舞台とする小説を紹介する様子に、42歳の私は眩しさを感じてしまいました(笑)。

第2ゲームの発表も終わって、いざ投票。結果、『忘却の河』がチャンプ本に選ばれました。おめでとうございます!というわけで、この日の紹介本リストをまとめると以下の通り。

第1ゲーム第2ゲーム
1人目 『真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生★『忘却の河
2人目 『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 『骨盤にきく
3人目★『ある図書館相談係の日記 『屋上ミサイル
★がチャンプ本
第3回春日町図書館ビブリオバトル 賞状

両ゲームが終わった後には表彰式があり、写真のような表彰状をいただきました。表彰後のコメントで「皆でこの本を読んで春日町図書館にいろいろ相談しましょう!」と言ってしまったので、本当に相談が増えて忙しくなったら、春日町図書館職員の皆さん、すみません(笑)。でも、上に書いたような著者のぼやき部分などは、きっと図書館職員さんも共感するところなので、図書館職員さんにもお薦めです。

そして、イベント後も会場を歓談場所として開放していただき、観覧者の方数名とお話ししたり、うちお一人の方は発表者のお疲れ様会のようなものにも引っ張り込んで、いろいろお話できました。こうした場所を用意していただき、ありがとうございます。そのたくさん話した観覧者の方には、ぜひ次回は発表者でとお誘いしたのですが、さてどうなるでしょう。そんな立派な演説をするわけでもなし、誰でも参加できるイベントなので、ぜひ多くの人にお気軽に参加して欲しいです。

また、観覧者の方々も多くはさっと帰ってしまったのですが、ぜひ本を通じていろいろお話できたらと思います。この辺りは、発表者側である自分からもお声掛けしなければと思っているところであり、声を掛けてもらえるような発表をしたいところ。これからも頑張ります!…と、すっかり次回があるつもりで書いていますが(笑)、たぶんあるでしょう。いや、きっとあるはず!

あらためて思うに、同じ図書館を利用しているだけではすれ違ってもわからない他人同士が、本の話で打ち解けて盛り上がれるビブリオバトルって本当に面白いです。図書館ってたくさん本がありすぎるがゆえに、自分の好きなジャンルの棚ばかり見て、そうでない棚には見向きもしなかったりするので、自分と違う本を読む人からの話が新鮮なんですよね。本との出会いも、人との出会いももたらしてくれるビブリオバトル、これからも楽しみにしています。

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