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CurrentIcon 世田谷区立男女共同参画センター(らぷらす)資料コーナー

旧・世田谷区立男女共同参画センター(らぷらす)は、2016(平成28)年8月31日を最後に閉館しました。2016(平成28)年10月1日からは、世田谷区太子堂1-12-40グレート王寿ビル3~5階に新しいらぷらすが開館しています。
以下は、世田谷区立男女共同参画センター(らぷらす)資料コーナーの訪問記です。

世田谷区立男女共同参画センター(らぷらす)資料コーナー 訪問記

last visit:2013/09/19
§ 施設への道のり

世田谷区立男女共同参画センター「らぷらす」は、下北沢にある北沢タウンホールの上階にあります。ザ・スズナリ対面のバスターミナルのある建物といえば、わかる方も多いでしょう。

下北沢駅からの道のりとしては、南口改札を出て左へ進み、スーパー「オオゼキ」に突き当たったら右折、しばらく進んでニッポンレンタカーに突き当たったら左折、すると1つ目の信号の左先に1階がバスターミナルになっている建物があり、それが北沢タウンホールです。

下北沢は小田急線がついに地下化され、街の様子も変わりつつある最中。私は浪人生の頃、東北沢にあった予備校に通っていたので、下北沢にもよく来ていましたが、街のごちゃごちゃした感じが楽しいんですよね。この北沢タウンホール自体が、ちょうど私が東北沢に通っていた時期にできた建物なので、個人的にもいろいろ思い出がよみがえってきます。当時と比べても街のあちこちでテナントが入れ替わっているし、これからも変化していくと思いますが、防災面にも配慮しつつ街の面白さが続いて欲しいと願います。

§ 施設の様子

北沢タウンホールは、演劇などのできるホールのほか、区役所の出張所や支所なども入居している複合施設で、建物9階から11階までの3フロアが男女共同参画センター「らぷらす」です。「男女共同参画」なんていうと堅苦しい印象ですが、区民が性差などで差別されることなく自分らしく活動できる社会を支える施設で、団体活動ができる研修室や、施設の趣旨に沿った図書などを閲覧・貸出できる資料コーナーなどがあります。家庭や仕事、人間関係に関する女性の悩み相談事業も行っているので、困ったときのためにぜひ知っておきたい施設の一つです。

そんな「らぷらす」の10階の一画が資料コーナー。10階にある「らぷらす」の受付向かって左の一室に本棚がずらっと並ぶのがそれで、受付の周りにある「情報交流コーナー」にある机やテーブルで資料が読めるようになっています。また、資料のうち雑誌や新刊本、特定のテーマでピックアップした展示コーナーは、情報交流コーナーのほうにあります。図書室的機能が、資料コーナーと情報交流コーナーに分散していいるようなかたちですね。

情報交流コーナーの一画には、絵本や児童読み物が並ぶ靴脱ぎスペースがあります。が、借りるための資料というより、お子さん連れの方がお子さんがぐずったり飽きたりした際にちょっと遊ばせるコーナーといったかたち。絵本・児童読み物の冊数も少ないし、請求記号ラベルはついているもののその通りに並んでいるとは限りません。

§ 所蔵資料

資料コーナーは、小さな部屋いっぱいに本棚が並んでいます。資料コーナー内の席はソファが2つあるだけなので、じっくり本を読みたい場合は情報交流コーナーの座席を利用することになります。ただ、「情報交流コーナー」という名の通り、団体活動の打ち合わせなどにも使える場所なので、静かに本を読めるとは限りません。周囲の音が気になる方は、耳栓を用意したり、館内で読まずに借りるなどしてください。

棚にある本をみると、図書館と同様の分類をしていますが、それぞれのジャンルで、ジェンダー問題やその人らしい生き方、差別や平等などに関する本を集めたようなラインナップになっています。たとえば、農業の棚には農家での性役割や嫁という存在について取り上げた本、スポーツの棚には女性スポーツ選手の半生を描いた本といったようなかたちです。

ワーキングマザーやセクハラなど、働く女性にまつわることに関する本は特に充実しており、これらのジャンルに限っては世田谷区立図書館の地域館よりもらぷらすの方が充実しているかもしれません。また、DV(ドメスティック・バイオレンス)に関する本も、法律相談、被害者支援、加害者更生など、いろんな角度の本が揃っています。特定のテーマに沿って収集している図書室は、区立図書館のような汎用性はないものの、そのテーマの情報が必要なときには強い味方として使えます。

このように、女性を取り上げた資料が多めですが、『男の人って、どうしてこうなの?』『わたしの男性学』など男性を取り上げた資料ももちろんあるし、子育ての棚には男性(父親)の育児本などもあります。また、身体障害、部落差別など、性差以外の差別を取り上げた本もあり、あらゆる立場の平等に関する資料を揃えたコーナーとなっています。

小説も、女性の人生や平等な社会を考えさせられるものが並んでおり、棚にある小説を具体的に挙げると、母性がテーマとなっている『八日目の蝉』、部落差別を描いた『橋のない川』、虐待された子どもを描いた『シーラという子』、女性を中心に一族の苦難を描いた『ワイルド・スワン』といったラインナップ。

ちなみに、日本の小説は著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、複数の著者による小説集は、タイトル名をとって五十音順の並びに入っています。例えば、千田夏光(センダ カコウ)が書いたの本の隣に、6人の作家による『そういうものだろ、仕事っていうのは』(ソウイウモノダロシゴトッテイウノワ)という本が並び、その隣に相馬勝(ソウマ マサル)が書いた本がある、といったかたちになります。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別に分類したうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。

その他、「男女共同参画白書」のような統計・白書、「女性」「婦女新聞」といった女性活動の歴史がわかる雑誌・新聞の縮刷版、国・都道府県・都内の各自治体の男女共同参画施設の発行物といった資料もあるし、女性の就職やDV問題関連などのDVDもあります。DVDは館内の視聴機でも見ることができますが、ヘッドホン・イヤホンを持参しないといけないとあり、それは施設で用意してくれてもいいような気が。それとも、携帯機器の広まりで、ヘッドホン・イヤホンを持っている人が多いのでしょうか。

資料コーナーで所蔵している本・雑誌・DVDの貸出については、世田谷区立図書館とは別に利用登録が必要で、図書館と同様に住所が確認できる身分証明書があればOK。らぷらすの開館時間は9時から22時までですが、利用登録・貸出処理は9:30から21:30までなので、その点だけご注意ください。貸出は1人3冊まで、2週間貸出ができ、区立図書館と同様に2週間の貸出延長もできます。閉館中のブックポストなどはないので、返却の際はらぷらすが開いている時間に受付で返却することになります。

こうした施設が志している「自分らしく生きる」というのは全ての人に関係あること。そういう意味では、この資料コーナーにある本は、特定の人のためのものではなく全ての人のためのものだし、図書館巡りの一環として訪問した私も、棚にある本をいろいろ手に取ってみて、自分の生き方や人間関係を考えさせられました。こういう資料を求めている人はもちろん、そうでない人にも自分を見つめるきっかけとしてお薦めできる資料コーナーです。下北沢で時間が空いたときなど、ぜひ寄ってみてください。

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