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文京区立本郷図書館 訪問記

last visit:2014/02/09

文京区立本郷図書館は、千駄木駅の西にある、文京区立図書館の中では一番新しい図書館。森鴎外が住んでいた観潮楼跡にあった鴎外記念本郷図書館を移設した図書館なので、森鴎外の関連資料をはじめとした近代日本文学の資料が充実しています。

§ 図書館の場所

本郷図書館は、千駄木駅から徒歩3分です(詳しい道のりはこちら)。建物の入口が歩道から奥まったところにあり、歩道の付近に汐見地域センターという文字が掲げられているものの、その文字の手前に木が立っていて見えないので、うっかり通り過ぎないように気をつけてください。団子坂上交差点の曲がり角のところにあるのが東洋大学国際会館なのですが、その敷地のすぐ隣が汐見地域センターです。

この団子坂は、文学にもよく登場する坂ですよね。江戸川乱歩の『D坂殺人事件』の「D坂」は団子坂のことですし、夏目漱石の『三四郎』では、菊祭りに行くときに団子坂を通ります。下からのぼっていくと左へとカーブしていく坂で、のぼりきった左側に鴎外が住んでいた観潮楼がありました。現在は、「森鴎外記念館」という現代的な建物に生まれ変わっています。

§ 図書館内の様子

汐見地域センターは地下1階から2階まである建物で、本郷図書館はそのうちの地下1階と地上1階です。図書館の敷地はここからここまでとはっきり決まっているかたちではなく、入口ロビーから自然に図書館エリアに繋がっています。2階は汐見地域活動センターのロビーや会議室があり、図書館イベントの際にこちらの会議室を利用することもあります。

図書館の中のフロアの内訳は、1階が貸出・返却カウンターとCD、雑誌・新聞コーナー、児童コーナー、家事関連本、地域資料。その他の一般書架やレファレンスカウンター(調べもの相談)、ネット閲覧PCが地下1階となっています。

地下の奥にはサンクンガーデン(地下庭園)があり、6月中旬から7月初旬には沙羅の花が咲くのが見られるようです。沙羅の木は観潮楼にも植えられていて、私、一度本郷図書館鴎外記念室だった頃に沙羅の花目当てに観にいったら、最後の花が落ちてしまっていて(沙羅の花は椿のように丸ごと落ちる)、職員さんに「終わってしまいましたか…」と言ったら、「事前に電話すれば、花の咲き具合を教えますので、来年はぜひ来る前に電話して」とおっしゃっていただきました。本郷図書館がそこまで教えてくれるかわかりませんが、沙羅の花目当てに行く人は、電話してみてもいいかもしれませんよ。

§ 1階の様子

1階は、入口入った正面に階段があり、階段の右にカウンター、階段の左がテーブルや展示ケースがあるロビーです。このロビーは、図書館エリアというよりは地域センターエリアという雰囲気です。カウンターから奥へ進んで行くと、CD、家事関連本、地域資料の棚があり、突き当りが新聞・雑誌コーナー、そして右奥のエリアが児童エリアです。

入口ロビーの展示ケースには、土器や食器が展示されています。というのも、この汐見地域センターの建っている場所、建てようとしたら遺跡が出てきたのだそうです。オープン時に掲示されていた説明によると、千駄木三丁目南遺跡として調査した結果、「縄文時代・弥生時代及び江戸時代の遺構と遺物が確認できました」とのこと。なので、縄文・弥生の土器から始まって、奈良・平安の遺物、はたまた江戸や明治の陶器という、多岐に渡った展示物が並んでいます。これらが同じところから発掘されたというのが面白いですね。

図書館エリアへ入ると、奥の新聞・雑誌コーナーはやや手狭ですが、CDや家事関連本は比較的ゆっくり棚を眺められるかな。そうそう、CD棚を見て、これは細かすぎて気付きにくいけど工夫してくれているなと思ったことがあります。本郷図書館では、市販のCDケースと同じものを使用しているのですが、市販のCDって字が細かくて、フォントや字の大きさもバラバラ、更にアーティスト名とアルバム名のどちらを先に書いてあるかもCDによってまちまちで、かなり探しにくいですよね。そこを本郷図書館では、全てではないけど半分以上のCDについて、棚に並べたときに見える面を白地に黒文字(フォントも同じ)で揃えています。江戸川区立葛西図書館などは、一部ではなくCD全てをそのようにしていて、かなり探しやすいんです。視力が落ちている人も探しやすいし、そうでない人も目的のCDを早く見つけることができるこうした工夫は、多くの図書館で取り入れて欲しいです。

地域資料の棚も、お堅い資料だけでなく読み物もいろいろ。今は残念ながら廃刊となってしまったタウン誌『谷根千』もずらっと並んでいて、たぶん全号揃っているのではないかと思います。

§ 児童コーナー

児童コーナーは、家事関連本のエリアから緩やかに児童コーナーへと繋がっているかたち。一応、家事関連のあるところと児童コーナーの境で絨毯の色が変わっていますが、児童コーナーの入ってすぐ右の壁には、児童文学や絵本に関する大人向けの本もあるので、大人の世界から子どもの世界に徐々に入っていくような雰囲気です。

絵本は出版社の五十音順に並んでいます。同じ出版社の本の中での並び順は特に決まっていないようですね。「ぞうのババール」「ぐりとぐら」「タンタンの冒険」といったシリーズものの絵本は、まとめて棚に入っていて見出しがついているので、それを手掛かりに絵本を探すことができます。児童向け読みものは、タイトルの五十音順に並んでいます。

児童コーナーの一番奥には靴脱ぎスペースがあり、小さい子どもが靴を脱いで絵本を読めます。この靴脱ぎスペースには、日付の部分をマジックテープで脱着できるカレンダータペストリーがあり、各日付が袋状になっていて、イベントがある日にはそのイベントのチラシが入っています。おはなし会などの子ども向けイベントはもちろん、大人向けイベントのチラシも入っているので、子どもも大人も興味を惹かれるイベントがあるかどうか見てみてくださいね。

§ 地下の様子

地下は1階より延床面積が広いようで、書架がずらっと並んでいます。机席は24席しかないので、日曜に行ったときにはほとんど埋まっていました。夏休みや冬休みには、席取りが競争率が激しいかもしれません。

全体的に棚と棚の間も広いのですが、中高生コーナー近くの特集棚だけ、妙に棚と壁の間が狭い(笑)。せっかくの特集棚なのに、狭い通り道なのでゆっくり見ることが難しいし、誰も通らないとしても自分の立ち位置と棚が近すぎて見づらいんです。思うに、実際の使い勝手を考えない人が内装を手掛けて、図書館側はそれを押し付けられたかたちだったのかも。

でも、その見づらさを踏まえて、裏表両面に本が入る棚のうち、壁に近い方はあまり使っておらず(一応テーマ展示があるのですが、冊数は少なく、配布物などを多めにしている)、階段に近い方は「文京ゆかりの○月生まれの作家たち」と題して、当月生まれの作家を紹介するコーナーを作っています。こちら側は階段からも覗けるので、階段を降りてくるときに目に入って見る人も多いのではないでしょうか。

日本人の書いた読みものは、小説も随筆も一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、アンソロジーなど複数の著者による小説・随筆集は、「合集」というラベルをつけて、小説・随筆の並びの前にまとめて置いてあります。外国人の書いた小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」等の国・地域別に分類された上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。

それ以外の棚も、見出しが充実していて、本が探しやすいです。また、カウンター向かって左にネット閲覧PCが2台あったり、地下1階机席のうちPC持込席が3席設置されていたりと、パソコン関連サービスも用意されています。

§ 近代文学の世界を楽しみましょう!

さて、この本郷図書館、最大の特徴は地下1階の奥の壁沿いにある「森鴎外関連書籍コーナー」です。森鴎外の著作や研究本はもちろん、森鴎外の家族や親戚の著作もあり、いろいろな角度から森鴎外を知ることができます。

なぜ鴎外関連図書を揃えているかといいますと、この本郷図書館、2006年4月11日に移設オープンするまでは、団子坂をもう少し上がった左に鴎外記念本郷図書館という名前で開いていました。この場所が鴎外が昔住んでいた観潮楼跡なのです。それを区立図書館として利用していたんですね。

施設としての充実を図って新設された汐見地域センターに図書館を移設し、観潮楼跡は図書館移転後もしばらくは本郷図書館鴎外記念室として運営されていたのですが、その後新しい建物に建てなおして、2012年11月1日からは「文京区立森鴎外記念館」として開館しています。

本郷図書館の「森鴎外関連書籍コーナー」に話を戻すと、『鴎外』という雑誌のバックナンバーが揃っており、これは「鴎外記念本郷図書館」時代に、図書館内に組織されてた「森鴎外記念会」が発行していた雑誌なんですね。各号につき館内閲覧用と貸出用の2冊を所蔵しています。

鴎外以外の近代日本文学資料も充実していて、森鴎外関連書籍コーナーの一つ手前の列の棚は、近代日本文学作家の研究本がずらっと並んでいます。そして、研究本と作品を照らし合わせて読みたいという方のために、森鴎外関連書籍コーナーから右へと壁沿いに個人全集がずらっと並んでいます。館の規模は中規模程度なのですが、個人全集は大規模図書館に肩を並べられるくらい所蔵しているんじゃないかな。

また、一般書架の側面には、文京ゆかりの文人のイラストが額に入って飾られています。永井荷風、夏目漱石、太宰治、宇野千代、宮沢賢治、川端康成、芥川龍之介、石川啄木、樋口一葉のイラストがあるほか、レファレンスカウンターの背後の壁には切り紙で作られた森鴎外もあります。御馴染みの姿が、イラストで活き活きと描かれていて、書架を巡るのが楽しくなってきます。

そうして館内にイラストを展示しているだけでなく、これらの文人のイラストをゆかりの地に記した「谷根千ゆかりの文人まっぷ」を配布しているので、谷根千散歩のお供にぜひどうぞ。文人に限らず、画家や落語家も掲載されていますし、イラスト集としても手元にとっておきたい素敵なマップです。

このイラストを描いたイラストレーターの高松啓二さんは図書館に関わる活動が盛んな方で、新宿区立西落合図書館でも落合地域ゆかりの「おちあい文豪散策まっぷ」を描いています。本郷駒込蓬莱町と下落合の両方にゆかりのある林芙美子などは、両方のマップに載っていますし、落合地域ではないけど、漱石も千駄木付近にゆかりがありながら生誕・終焉の地は新宿区。そんな風に両者を見比べるのも楽しいので、本郷図書館の「谷根千ゆかりの文人まっぷ」がお好きな方は、ぜひ新宿区立西落合図書館へも足を運んで「おちあい文豪散策まっぷ」を手に取ってみてください。

その他、一般書架の棚見出しに沙羅の花の写真が印刷されているのも、観潮楼に植えられていた沙羅との関連からですね。本郷図書館の場合、単に近代文学の資料が充実しているのではなく、図書館を出て付近を歩いても、近代文学との繋がりを感じられるのがいいんですよね。そういわれても、ゆかりの場所などよくわからないという方には、本郷図書館が発行している図書館だより「book+cat」がお薦め。概ね4ヶ月に1度の割合で発行している図書館だよりで、文京ゆかりの文人を1人ずつ詳しく紹介したり、本郷図書館から始まる散歩ルートを紹介する「山羊さんぽ」コーナー、その他にも地域のことをいろいろ紹介してくれています。

ちなみに、この「山羊さんぽ」、山羊のヤギ男とヤギ美が散歩するという設定なのですが、創刊号ではプレイボーイのヤギ男とそのガールフレンドのヤギ美ということになっていたんですね。それが、号を重ねるごとにヤギ男が落ち着いた男になって、浮ついているヤギ美にあきれたりしているのも面白い。今後、この2人(2頭)はどうなるのか、ヤギ男はプレイボーイからすっかり足を洗ったのかにも注目です(笑)。

近代文学ゆかりの地で近代文学を読める本郷図書館。図書館の中でも外でも、ぜひ近代へのタイムトリップを楽しんでください。

文京区立本郷図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  第6回ビブリオバトル 池波正太郎編
―2014年2月9日のイベント
毎回作家をテーマにしている本郷図書館のビブリオバトル、2014年2月9日に開催された第6回は池波正太郎をテーマに、6人のバトラーさんがお薦めの作品を発表しました。
  第5回ビブリオバトル よしもとばなな編
―2013年7月7日のイベント
本郷図書館がある千駄木で育った作家・よしもとばななさんをテーマにしたビブリオバトルを観覧してきました。
  第3回ビブリオバトル 夏目漱石編
―2012年7月8日のイベント

文京区立本郷図書館 データ

住所東京都文京区千駄木3-2-6 汐見地域センター1階,地下1階 →大きい地図を開く
Tel03-3828-2070
開館時間
月~土曜9:00~21:00
日曜・祝日、12/299:00~19:00
定休日第4月曜(祝日の場合は開館し、翌日を休館)
12月30日~1月4日
最寄駅東京メトロ千代田線 千駄木駅から徒歩3分
都営三田線 白山駅から徒歩15分
東京メトロ南北線 本駒込駅から徒歩15分
最寄バス停「千駄木一丁目」停留所から徒歩3分
都営バス 草63(浅草寿町~西日暮里駅前~巣鴨駅前~池袋駅東口)
「団子坂下」停留所から徒歩4分
都営バス 上58(早稲田~根津駅前~上野松坂屋前)
「千駄木駅」停留所から徒歩4分
台東区循環バス 東西めぐりん(台東区役所~上野駅・上野公園~浅草駅 循環)
駐輪場建物入口手前左に駐輪場あり
駐車場建物入口手前右に障害者用駐車場1台分あり
所蔵資料
図書所蔵数2012/04/01現在 94,446冊
漫画地下1階YAコーナーに漫画あり。複数巻まとめて貸し出すセット漫画の代本板も同じ場所にあり。
外国語新聞The Japan Times/International New York Times、MAINICHI WEEKLY(以上、英語)あり
外国語雑誌なし
外国語図書なし
外国語児童書外国語絵本の棚に英語児童読み物あり
外国語絵本英語絵本が約80冊、ドイツ語絵本が1冊あり(数字は開架の冊数)
音声資料
CDカセットレコード
ありなしなし

試聴設備CD試聴機1台あり。利用は30分3枚まで。申込用紙に記入してカウンターに持って行くと、ヘッドホンを借りて試聴できる仕組みです。
映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
視聴設備なし
資料のリサイクル入口入って右のエレベーター脇にリサイクル本コーナーあり。1人につき、図書10冊、雑誌12冊まで。
設備
検索機2台(1階1台、地下1階1台。全てマウス&キー&タッチ入力機)
検索結果印刷機能あり
資料の複写1階CD棚の先と地下1階レファレンスカウンター向かって右にセルフ式コピー機あり。B5・A4・B4・A3モノクロ10円。
ブックポスト建物入口手前右の壁面にある2つの展示ケースの間にブックポストあり
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
座席数一般用77席、児童用18席
1階児童用椅子席6席
児童用机席12席
新聞・雑誌コーナー(椅子)12席
交流スペース(机)8席
地下1階YAコーナー(机)4席
椅子席29席
机席24席
飲食設備着席時の蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)からの飲料摂取はOK。飲むとき以外は、机の上に置かず、鞄の中へしまってください。
ネット閲覧PC地下1階レファレンスカウンター横にネット閲覧PC2台あり。利用は1回1時間、次に待っている人がいなければ30分のみ延長可能。プリントアウト1枚10円。
データベース・CD-ROM閲覧なし
持参PC利用地下1階の机席のうち3席(COM席という表示がある席)で持参PCの利用可能。電源あり。
LAN接続1階コピー機周辺に「ソフトバンクwifi」「au wifi」のアクセスポイントあり
その他設備1階カウンター対面の記載台に意見箱あり
児童用資料・設備等
紙芝居あり
布絵本なし
児童向け視聴覚資料CDコーナーに児童向けCDあり
おはなし会赤ちゃん向けおはなし会が月2回、子ども向けおはなし会が月2回あり
靴脱ぎスペース児童コーナー奥に絨毯敷きの靴脱ぎスペースあり
授乳室2階に授乳室あり
オムツ交換台お手洗いにはオムツ交換台はありません。2階授乳室にあるかもしれません。
児童用トイレ特に児童トイレとして設置されているわけではないが、児童エリアすぐそばにトイレあり
バリアフリー
障害者用駐車場建物手前右に障害者用駐車場1台分あり
エレベーター入口入って右手前にエレベーターあり
車椅子用閲覧席なし
誰でもトイレ地下1階から2階まで各階に誰でもトイレあり。うち1階の誰でもトイレはオストメイト対応です。
大活字本地下カウンターの正面右寄りの棚(1番)に大活字本あり
視覚障害者向け資料1階新聞・雑誌コーナーに点字資料やDAISY資料が数点ずつあり
2階に音声読み上げ機能を備えたネット閲覧PC1台あり。利用は1回30分以内で、平日9:00~20:00、土日祝9:00~17:00。1枚10円でプリントアウト可能。こちらは本郷図書館の設備ではなく、汐見地域活動センターの設備で、利用の際は備え付けの用紙に記入、プリントアウトの際には1階の区民サービスコーナーに要申込。
拡大読書器・老眼鏡地下カウンターからみて右の区画に卓上型拡大読書器あり
対面朗読室なし
その他バリアフリー設備等地下カウンターに筆談ボードあり

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