中町図書館
新宿区立中町図書館 訪問記
新宿区立中町図書館は、牛込神楽坂駅から歩いて5分程度の、中町保育園の地下にある図書館。狭いエリアに高い書棚が並ぶ一般書架では、“本に囲まれている”感が味わえます。
中町図書館は都営大江戸線の牛込神楽坂駅から少し歩いたところにあります。駅からの位置関係としては、A2出口から出て、出たときの向きと逆に2区画進んだ通りになりますね。右回りで行っても左回りで行っても同じくらいの距離かな。
もう一つの最寄り駅、東京メトロ東西線神楽坂駅から行く場合は、矢来町方面出口を出て、牛込中央通りを真っ直ぐ進み、大久保通りを渡った二つ目の通りを左に行く、というルートになります。このルートだと新潮社の本館と別館の前を通ることになります。飾り気がなくて重厚な雰囲気の建物で、窓から覗けるカーテンが薄汚れている感じなのも何だか昔ながらの出版社っぽかったりして(笑)。
この辺は町名が細かくて、その分番地等を示す数字部分が少ないんですよね。東京の住所って○○区△△X丁目Y番地Z号といった形が多いですが、中町図書館の住所は新宿区中町25。また、「中町」という町名はそんなに珍しくもありませんが、この近くには「箪笥町」「納戸町」「細工町」「二十騎町」など面白い名前の町が多くあります。いずれも江戸時代から続いている町名だそうで、こんなに昔の町名が残っている地域は23区内でも珍しいのではないでしょか。
そんな場所にある中町図書館は、あいじつ子ども園(幼保連携園)、中町児童館、中町ことぶき館(60歳以上の人のための施設)と同じ建物の地下1階です。児童やお年寄りの方の施設が入居しているわりには、結構階段が急で、エレベーターもありません。おそらくバリアフリー面があまり重視されなかったの古い時代の建物なんだと思います。階段の昇り降りが難しい方は他の図書館を利用したほうがいいかも。といっても、中町図書館から近い新宿区立図書館である鶴巻図書館も戸山図書館もエレベーターはないのですが…戸山図書館は2階につながるスロープがあります。
館内の配置は、図書館エリアに入った目の前が新聞・雑誌コーナー。そこから左へと敷地が伸びていて、カウンター、一般書架、一番奥が児童コーナーといった順に並んでいます。狭い中に本がぎっしり、本棚も高いのですが、「本に囲まれている」という雰囲気が味わえます。
一般書架の本棚は、ジャンルの境目に挟まれる見出しに幅があり、本が揃っている面から大きく迫り出しているので、本が探しやすいです。新宿区立図書館では、本の背に貼る分類ラベルを、100番台は灰色、200番台は緑、300番台は青…と色分けしているのですが、中町図書館ではその分類ラベルの色と棚の見出しの色が統一して、探しやすくしています。狭い図書館って、本を探すときにも周囲の人の邪魔にならないように気を遣いますが、見出しがはっきりしていて見つけやすい棚だと思います。
また、本棚の側面にも、配架図がたくさん貼られています。こうやってあちこちに配架図があると、ある棚を見ていて急に違うジャンルの棚を見たくなったときに、すぐわかりますよね。書架で迷ったときには、書棚の側面を見てください。
日本の小説は、著者の姓名の五十音順。複数の作家による作品集の場合、奥付に著者として複数の作家名が並んでいる書籍は、その書かれた作家達の一番先頭の著者名をとって、五十音順の並びに入れられ、奥付に著者名がない(著者名ではなく編者が記載されている)書籍は、本のタイトルで五十音順の並びに入れられています。外国の小説は、英米文学・ドイツ文学・フランス文学…と国別に分類された上で、日本の小説と同様に並んでいます。
地域資料の棚には、「神楽坂まちの手帖」「神楽坂ニュース」「ここは牛込、神楽坂」などのタウン誌のバックナンバーがあります。どれも古い発行日のもので、どうも全て今は廃刊になったようです。昔読んだものを久しぶりに読みたい方はぜひこの棚へどうぞ。
そうそう、一般書架でぜひ見て欲しいのが、吉川英治と松本清張の全集の棚。児童コーナー手前にある回転棚に、この2つが一緒に納まっているのですが、棚の上に吉川英治と松本清張の似顔絵があるんです。職員さんに聞いてみたところ、以前中町図書館に配属されていた絵の上手な職員さんが描いたものだそうです。どちらも、吉川英二は実物よりちょっと格好良く、松本清張は実物よりちょっと可愛いかも(笑)。ぜひ、見てみてください。
児童コーナーは一番奥のエリア。向かって左の方が絵本で、右の方が児童用読み物です。児童コーナーも面積としてはけっして広くはないですが、中央に大きな机があり、窓に面していることもあって、狭いながらも中町図書館の中では開放的なエリアです。
絵本の棚は、日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、タイトルの頭文字で分類されています。下から4,5段目まで使っているので、絵本の棚としてはかなり高く、小さい子どもさんが自分で読みたい本を取れないこともあると思いますが、図書館自体が狭いので仕方ない面もありますね。絵本を取りにくそうにしているお子さんを見かけたら、絵本をとってあげましょう。
外国語絵本は、英語(50冊ほど)だけでなくフランス語(20冊ほど)もあります。また、布絵本も所蔵しています。小規模でもいろんな種類の資料があるっていいですね。児童コーナーと一般書架コーナーが区画としてはっきり分かれているわけではないので、高学年の児童が読む本を探しているうちに、自然と一般書架にも手が伸びることもありそう。
中町図書館は小規模ながら多めの蔵書量を有している図書館なのですが、その狭さを解消する工夫が館内のあちこちに見られます。
書棚の壁際にある6つの閲覧机は、四角い板ではなく、人が入るところだけ丸くくぼんでいるという変わった形です。この形も、狭さを解消する技の一つでしょう。この机は狭いながらも一人ずつデスクライトがついています。
検索機も面白い置き方をしていて、付属の卓上タイプのプリンタを、卓上ではなく壁に掛けているのです。モニタの上の柱にプリンタの底をくっつけて、印刷用紙が横に出てくるような形で、ちょっと面白いです。
こうして狭さを解消する工夫をしながら、事務所の入口脇には、突然雨が降ったときに貸出できる傘を用意しています。利用者の方がご好意で図書館に寄付したもののようです。神楽坂の人情味溢れる様子の表れかもしれませんね。
最近の図書館は、車椅子でも不自由なく動けるよう棚と棚の間を広くとるところが多く、そうした図書館に慣れている人が中町図書館に来たら、少し圧迫感を感じると思います。私も、一番最初に行ったときはそう感じたのですが、4回目の訪問をした今は、むしろ本がたくさんある感じが気に入ってます(笑)。本がぎっしり並んだ中から本を探すのがお好きな方は、ぜひ中町図書館に行きましょう!
