水元図書館
葛飾区立水元図書館 訪問記
葛飾区立水元図書館は、都内で唯一の水郷の景観をもった公園、水元公園のすぐ南にある水元図書館。都会の喧騒はどこへやら?の~んびりできる図書館です。
水元図書館は最寄り駅の金町駅から、北に向かって徒歩で20分ほど歩きます。バスで行く場合は、京成バスの「金町駅北口」停留所から「西水元三丁目」行き、または「大場川水門」行きに乗って、「本所工業高等学校前」で降りる。もしくは、「金町駅」停留所から「戸ヶ崎操車場」行き・「八潮駅南口」行きに乗って、「しばられ地蔵」停留所で降りる、のどちらか。
水元図書館は縄でぐるぐる巻きに縛られている「しばられ地蔵」の近くなんです。何でも昔、このお地蔵さまの前で反物が盗まれ、お奉行さまが「盗みを見逃した地蔵も悪い」とお地蔵さまを縄で捕らえちゃった。で、裁きの場に集まった見物客に頓智を効かせて、見物客に紛れていた盗人を捕まえることができたという逸話があるそうです。
そんな由来から、しばられ地蔵には、縄で縛って願い事をし、願いがかなうと縄を解く風習があるんですって。私も願掛けに行ったのですが、本当にお地蔵さまがぐるぐる巻きなんです。毎年大晦日に縄解き供養を行っているということですが、私が行った2月の時点でも、既に胴体はかなり縛られ、顔にも数本縄がかかっていた状態だったので、12月30日なんてお地蔵さまかどうかもわからないのでは(笑)?!
水元図書館は水元保健センターと併設の建物です。建物の西側(本所工業高校側)に水元図書館の入口があり、東側(しばられ地蔵側)が水元保健センター入口になっているので、しばられ地蔵方面から来た場合は、向かって右の自転車置場を通り抜けてください。すると、水元図書館の入口前に出ます。
図書館入口は二つに分かれており、向かって右が一般書架への入口、向かって左が児童コーナーの入口です。一般書架と児童コーナーは、建物内でも行き来できます。児童コーナーは1階だけですが、一般書架側には2階があり、事務室と社会人用閲覧室があります。広々とした水元公園の近くというだけあって(関係ないか 笑)、水元図書館も広いです。
児童コーナー側の入口を入ると、正面にカウンターがあり、その左に児童用書架が広がっています。カウンターを越えた右の壁に、一般書架エリアへのドアが開いているので、そこから自由に行き来することもできます。ただ、児童コーナー側は17時で閉まってしまうので、時間に注意。
児童コーナー側入口入ってすぐ左の雑誌ラックには、育児雑誌の「クーヨン」や絵本に関する雑誌「MOE」などが置かれています。置き場所が一般書架の雑誌コーナーではないので、ご覧になる方はご注意ください。
児童コーナーカウンターの正面右には、昔懐かしい丸ポストが鎮座しています。児童がお薦めの本を紙に書いて投函するポストなのですが、可愛い!職員さんから聞いた話では、本物の郵便物が入っていたこともあるそうです(笑)。
児童コーナー入口入って左に折り返した辺りにある読み聞かせコーナーも、バーバ一家のぬいぐるみが並んでいたり、壁に児童書の入っていた箱を弧状に貼り付けていたり。それらが真新しくなく、多少色あせているのが、かえって大人も子供の頃に戻ったような、ほんわかした気持ちになります。
これはいいなと思ったのが、児童コーナー左奥の「読んでみない?」コーナー。図書館からのお薦めの本をポスターで紹介しているのですが、その手前に紹介されている本が何冊も積んであるんです。単に紹介するだけでなく、すぐそばに、しかも複数冊あれば、本当に気軽に手に取れますよね。友達と一緒に同じ本を借りることだってできる。手前に置かれた本をよく見ると、水元図書館以外の葛飾区立図書館のものもあるので、このコーナーのために他館から借りているのだと思います。
一般書架は、児童コーナーとは逆に、入口から右に書架が広がっています。入口正面が新聞・雑誌コーナー、その右に郷土資料・参考図書コーナー、更に右が一般書架で、一番右奥に閲覧机が並んでいます。カウンターは郷土資料・参考図書コーナーの手前付近。カウンターの右には、CD・カセットコーナーがあります。
図書館の除籍蔵書をもらうことができるリサイクル本コーナーは、一般用入口を入ってすぐ左にあります。除籍蔵書だけではなく、古本を持ち寄ることもできるのですが、古本は勝手にこの棚に入れるのではなく、カウンターに持ってきてくださいとのこと。図書整理日直後に行くと、棚にぎっしりとリサイクル本が並んでいます。
新聞・雑誌コーナーの手前には、漫画本の棚があります。この棚にもそこそこの冊数が揃っていますし、これとは別に閉架にも漫画を所蔵しているとのこと。閉架で所蔵している漫画本は、表紙のコピーがこの棚の側面に吊るされており、それを見てカウンターに請求すれば閲覧できます。
新聞・雑誌コーナーには、菖蒲を描いた絵が飾られています。やはり、近くの水元公園の風景画なのかな。水元図書館以外でも、葛飾区立図書館では絵や版画が展示されていることが多く、とりわけ菖蒲を描いた作品は多いんです。葛飾区は、「区の花」も花ショウブなんですよね。
新聞・雑誌コーナーから棚一列隔てた郷土資料・参考図書コーナーは、長机が3つ並んでいます。この長机、それぞれに2席分椅子があるのですが、長方形の長い辺に椅子を2つ並べるのではなく、短い辺にそれぞれ1脚、向かい合わせに座るようにおいてあるのですよ。短い辺もそれなりに長さがあるので、これでも確かに不便ではなさそう。ちょっと面白い使い方ですね。
郷土資料・参考図書コーナー向かって右の棚は、「シニア向けの本」コーナーです。『50歳からの体力づくり』とか『60歳から国家試験に合格する法
』などの、ずばりと読者年齢を絞った本から、ウォーキングの本、囲碁の本など、範囲は広いですね。まだ働きたい方も、趣味に没頭したい方も、参考になる本がこのコーナーで見つかるかもしれませんよ。
「シニア向けの本」から一列右にずれると中高生コーナーです。一気に若返る書架配置ですね(笑)。中高生コーナーの中の「修学旅行コーナー」は特徴的。23区内で「修学旅行コーナー」なるものを設置している図書館は、私が見た限り水元図書館だけです。京都・奈良・福島を中心にガイドブックなどが並んでいます。
しかし、この「修学旅行コーナー」、京都・奈良は修学旅行の定番だとして、福島というのは不思議だなあと思って、以前の訪問記にその旨書いていたんです。すると、読んでいただいた方から情報をいただきまして、葛飾区は安達太良山の中腹にあだたら高原学園という施設を持っており、葛飾区の中学校の移動教室をここで行っているのだそうです。葛飾区の公立中学校のホームページをいろいろ見てみると、確かに皆安達太良山に行っているのですよね。教えていただいた方、ありがとうございます!
こういう地元の学校に関連したコーナーが図書館にあるというのはいいですね。生徒さんもこれからいく場所のことを調べられるし、学校の図書室ではなく図書館にあれば、親御さんやまだ中学校に上がる前の小学生も調べられます。
書架を見ていて、あれ?と思ったのが、ビジネス関連本。他の葛飾区立図書館のビジネス関連本コーナーは、「就職情報・会社情報」「起業・開業」「資格試験」等々、葛飾区共通の分類をしていることが多いのですが、水元図書館のビジネス関連本(入口から見て、CD・カセットの右隣)は、単に「335 企業・経営」から「338 金融・銀行・信託」までの資料を別置きしただけ。しかも、330番台の棚は、特に説明もなく「334 人口・土地・資源」から「339 保険」に飛んでいるだけ。これでは、読みたい本を見つけられない人もでてきてしまいそう。
私が直近に行ったとき(2010年2月)は、CDが整理中だったので、その隣のビジネス関連本も、CDの後にでも整理する予定なのかもしれません。というか、そうだと思いたい(笑)。図書分類順の書架の一部を移動させただけでは、むしろわかりにくくしているだけ。従来の図書分類以上に使いやすくなってこその特設コーナーだと思います。
一般書架奥の閲覧席は、長机1つに椅子2脚(こちらは参考資料コーナーと違って、長い辺に2席並ぶ形)という組み合わせがずらっと並んでいます。アクセスがいいとは言えない場所柄か、空席率は結構高いと思います(といっても、2回しか行ったことないのですが)。金町駅すぐそばの葛飾区中央図書館が満席だったら、ちょっと足を伸ばして水元図書館に来れば、席が空いているかもしれません。
1階奥の閲覧席のほかに、2階にも閲覧室が用意されています。2階は閲覧室と事務室なので、利用者が使う設備としては、閲覧室だけですね。ここは社会人用閲覧席ということで、高校3年生以上しか利用できないと書いてあります。それに、図書館の本を持っていく場合は、貸出手続きをしてから持って行かないといけません。こちらの席は2人ずつ向かいあう形の机ですが、間に仕切りがあるので、1階の閲覧席よりは集中しやすいかな。
水元図書館って、皆さんの~んびり読書を楽しんでいる様子で、ちょっと施設も古びていて、「昭和」っぽい図書館なんです。一方、金町駅そばの葛飾区中央図書館は、2009年10月にできたばかりで、貸出はもちろん、返却も自動、閲覧席の確保もパソコンで行う等々、新しい技術をふんだんに使った図書館。たった20分歩いただけで、十数年くらいの差を感じます(笑)。
でも、図書館って、新しくて施設が充実していればいいってものでもない。のんびり読書をするには、人が少なくて、利用者の平均年齢が高いくらいの方が落ち着くという方もいると思います。
新旧の図書館が徒歩圏内にある金町、その日の気分で図書館を使い分けてみてはいかがでしょうか。
