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CurrentIcon 改築前の足立区立東和図書館

足立区立東和図書館は、改修工事のため、2016(平成28)年5月31日から6月30日まで完全休館しています。休館期間のうち、2016(平成28)年7月1日から2017(平成29)年8月までは規模を縮小した仮事務所を設置しています。
以下は、改築前の足立区立東和図書館の訪問記です。

改築前の足立区立東和図書館 訪問記

last visit:2016/04/23
§ 図書館の場所

東和図書館の最寄り駅は亀有駅です。最短距離になる道のりはこちらに書きましたが、東和図書館のある東和地域学習センターが発行している「待夢」という広報誌には、葛西用水親水水路を通るルートが記されており、そちらの方が道も広くていいかもしれません。私はまだ春に通ったことがないのですが、この親水水路は足立区HPの「花・桜の名所」にも挙がっているので、いつか桜の季節に通ってみたいです。

東和図書館は東和地域学習センターの中にあるのですが、その東和地域学習センター自体も東和住区センターとの複合施設になっていて、入口も複数あるのでご注意ください。東和図書館は、東和地域学習センターの入口から入って2階にあります。

§ 図書館内の様子

図書館エリアに入ると、すぐ右にカウンターがあり、左手前に新聞・雑誌コーナー、入口の正面から左へと児童コーナーがあり、その更に左に一般書架が続いています。児童エリアも一般書架も、棚に差すタイプの見出しが大きくて、何がどこにあるのかわかりやすいです。

難点を言えば、パソコン優先席を含めて大人用の机席が15席と、座席数が少ないこと。しかも、奥の閲覧席は1つの机に3人が横並びになるタイプなのですが、隣の椅子との距離が近すぎて、真ん中の席に座ったらかなり肩身が狭い。実質的な奥の閲覧席の数は8席という気もします。机席が少ないことによる利用者同士のトラブルを避けるせいか、書架内にある机席2席、パソコン優先席1席、奥の閲覧席12席の全てが申込制になっています。

§ 児童エリア

児童エリア内の配置は、図書館エリア入口正面にある靴脱ぎスペースの周囲に絵本があり、その左手前に児童読み物、左奥にちしきの本が並ぶかたちです。絵本は、日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして、おはなし作者の苗字頭文字で分類しています。作家名の見出しもありますが、サイズの問題で見出しとは別の段に入っている絵本もあるのでご注意ください。検索機で在庫になっているのに見つからない場合は、遠慮なく職員さんに聞きましょう。

児童エリアでぜひ手に取って欲しいのが、手作りの布絵本。布絵本サークル「たまご文庫」さんが寄贈した布絵本約20点は、ボタンやマジックテープでパーツを取り外すことができ、まだ物語がわからないようなお子さんも、布で作られたパーツをさわりながらモノの名前を覚えたりできます。

児童読み物は、日本人作家と外国人作家を交互にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。交互というのは、まず苗字が「あ」で始まる日本人作家の本が並び、次に苗字が「ア」で始まる外国人作家の本が並び、その次に苗字が「い」で始まる日本人作家、「イ」で始まる外国人作家の本、苗字が「う」で始まる日本人作家…といったかたちの並び順です。

児童読み物の棚のなかでも、五十音の並びの先頭では、「はじめてのよみもの」と題して、絵本から読み物にステップアップする段階にお勧めの本、「朝どくしょ」と題して、短めの名作選など読書が苦手な子どもにも読みやすい本を集めています。たくさん本がありすぎて何を読んだらいいかわからない子どもや、シリーズものを読破して次に何を読もうか探している子どもなどは、ぜひ参考にして欲しいです。

§ 中高生コーナー

児童エリアと一般書架の間の棚2列分は、中高生コーナーです。中高生向けの読み物や専門書が並ぶなか、児童エリア側の棚の最上段には「羅針本」「深い絵本」というラベルが貼られたお薦め本コーナーがあります。棚上の看板には「羅針本」の脇に「未来への道しるべ」という説明がありますが、本のラインナップをみると「視野を広げる本」という感じ。また、「深い絵本」は絵本というかたちをとっているけど、内容は大人が読んでも考えさせられるようなものが集まっています。

また、中高生コーナーと新聞・雑誌コーナーの間の柱には、「背のび文庫」というコーナーがあり、こちらはちょっと背伸びした文学を読みたい中高生向けの文庫本を集めているそう。一般書架も含めて、東和図書館の中にはこうしたコーナーがちょこちょこあり、特に読みたい本が決まっていないときなどに覗いてしまいます。こうしたミニコーナーにある本は、検索機で調べると「YB/あく/背のび」のように請求記号の最後にコーナー名がつくので、探している本の最後に「背のび」「羅針本」などの名前が入っていたら、そのコーナーの棚を見てください。

§ 一般書架

児童エリアの左にある一般書架も、入口から見て手前側に小説・エッセイなどの読み物、奥側に専門書や実用書が並んでいます。

日本小説は他の足立区立図書館とは少し違う並び方になっており、苗字の頭2文字と名前の頭1文字をとって、その五十音順に並んでいます。例えば、赤川次郎だったら「あかじ」となります。したがって、純粋な姓名五十音順とは並び方が前後する場合があり、例えば、姓名五十音順では、中野独人(なかの ひとり)→永山則夫(ながやま のりお)→中脇初枝(なかわき はつえ)となるところが、この並び方だと、永山則夫(なが の)→中脇初枝(なか は)→中野独人(なか ひ)という順になります。

また、複数の作家による作品集は、五十音順の頭文字の先頭にあります。つまり、小説の「あ」の棚に行くと、まず、書名が「あ」で始まる複数作家の作品集が並び、その次に、著者姓名が「あ」で始まる小説が、苗字2文字+名前1文字の五十音順に並ぶという方式です。言葉で説明すると複雑ですが、棚を見ればすぐわかると思います。

対して、外国小説の翻訳は、「中国文学」「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別にわけたうえで、苗字の頭文字2文字で並んでいます。変に名前からも1文字とるより、こちらの方がシンプルでいい気がするのは私だけでしょうか。

医学の棚は、分類が具体的で助かります。「循環器科」「内分泌科」のような用語で分類されてしまうと、自分の調べたい病気がどの分類になるのか迷ってしまうことがありますが、東和図書館の医学の棚は「アレルギー」「糖尿病 肥満」「うつ病」「強迫神経症 パニック障害」のような具体的な病名で見出しがついています。医学を勉強している人は別にして、一般に医学の本を読むときは自分や身近な人がその病気に罹るなど困っているとき。困っているときに読みたい本が探しやすいのは嬉しいです。

読みたい本が決まっていなくて何かいい本を探したいときには、気になった本を見つけた際に本の見返しを見てみてください。全ての本ではありませんが、本を買ったときに付いてくる帯を見返しに貼っていることがあります。本の帯にはその本の内容や推薦文などが載っていて選ぶ際の参考になるので、図書館用の装備をした後もこうして見られるのは嬉しいです。

§ 小さなコーナーがいろいろ

中高生コーナーのところでも書きましたが、一般書架にもテーマで集めたコーナーがいくつかあります。

まずは、一般書架のうち、一番入口に近いところにあるのが「子育て」コーナー。足立区立足立区立図書館は昔各図書館で特色となるテーマを決めていて、但し今はその特色が残っている館とそうでない館があるのですが、東和図書館の昔からの特色テーマが「子育て」なのです。私の勝手な想像では、前述した布絵本の多さからこのテーマを選んだのかなと思っています。

子育てに関する本といっても、一般的な図書館の分類だと、名前の付け方に関する本は「148 占い」に、家庭でのしつけに関する本は「379 社会教育」に、こどもの病気に関する本は「493 内科」に、育児については「599 育児」に、とあちこちの棚に分かれてしまうのですが、東和図書館の子育てコーナーにはそれらが集まっています。ただ、子育ての本全てをこちらに集めたわけではなく、本来の分類番号の棚に入っている本もあるので、子育てコーナーを見て読みたい本がなかったら、本来の分類番号の棚も見てください。

また、公共図書館の子育て本コーナーならではの資料として、市販の本だけでなく、足立区が発行している「あだち子育てガイドブック」もあります。「あだち子育てガイドブック」は区の施設で配布しており(東和図書館でも、児童エリアで配布しています)、こちらのページから電子版を見ることもできるので、あえて借りる必要はないですが、東和図書館の子育てコーナーには過去の年度の版もあるので、過去版のコラム部分を読んだりするのもいいと思います。

もう少し奥に入ったスポーツの棚の中には、「スポーツ特集棚」コーナーがあり、2か月ごとの入れ替えで一つのスポーツにスポットを当てて展示しています。いつもそうなのかはわからないのですが、私が見た限りでは「フィギュアスケート」「剣道」など、通常の分類ではそれだけで1つの分類にはなっていないスポーツにスポットを当てていました。実は、東和図書館の棚だと、フィギュアスケートの本はスキーの本などと一緒に「冬季競技」に、剣道の本は柔道などの本と一緒に「武術」に分類されてしまうんです。冊数が少なくて大きな分類の中に埋もれがちなスポーツの本も、表紙を並べられると手に取りたくなります。

「336 経営管理」のそば、というか、「経営管理」の中にあるビジネスコーナーには、「開業・開店・独立・起業」「中小起業の経営」という切り口で、図書館の分類だと別になってしまうビジネス人生訓の本や商業の本を集めています。ちなみに、ビジネス支援という点では、足立区立図書館全館に「ビジネス相談カード」が用意されていて、備え付けの投稿箱に入れるとあだち産業センターに回送して対応してもらえます。東和図書館のカード・投稿箱は図書館エリア入口入って左手前の記載台にあるので、相談したい方はご利用ください。

長くなりましたが、最後にご紹介するのが「将棋コーナー」。館内のトイレを利用すると、出るとき目の前に将棋盤があるので知らないとびっくりするかもしれません。数冊の将棋本と将棋盤が置かれた小さなコーナーですが、何でも東和地域学習センターで将棋に力を入れているそうで、広報誌を見ると実際に将棋イベントは賑わっているようですし、プロの棋士をお招きしたりもしています。

こんなかたちで小さなコーナーがあちこちにあり、特に読みたい本が決まっていないときも書架を一巡りして面白い本を探したくなる図書館です。自分で買う本となると既に好きな作家の作品や仕事で必要な本などに偏ってしまうところ、幅広いジャンルの本を気軽に手に取れるのが図書館のいい点だと思います。書架をあちこち散歩して、本との出会いを楽しみたいです。

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