東京図書館制覇!へようこそ

東京図書館制覇!

東京23区の区立図書館約250館を全て制覇(訪問)し、現在は多摩地域、島しょ部の図書館巡りをしています。いろんな視点での図書館ランキングやリストも掲載しています。
トップ図書館訪問記今はない図書館 > 改修前の足立区立興本図書館

CurrentIcon 改修前の足立区立興本図書館

足立区立興本図書館は、改修工事のため、2017(平成29)年5月31日から2018(平成30)年3月まで休館しています。休館期間のうち、2017年7月5日から2018年2月21日までは、興本住区センター1階ロビーに毎週水曜だけ予約図書受渡窓口開設を設置しています。
以下は、改修前の足立区立興本図書館の訪問記です。

改修前の足立区立興本図書館 訪問記

last visit:2016/05/01
§ 図書館の場所

興本図書館は、東武東上線・日暮里舎人ライナー・環七・荒川に囲まれたエリアのちょうど真ん中という立地で、鉄道駅からはどの駅から行くとしてもちょっと遠いです。しかも、周辺地図を見るとわかりますが、道が入り組んだ住宅地の中にあり、方向的にはどこに向かうかわかっているのに、近づいているはずが行き止まり、ならばと別の道を進むと、思う方に道が伸びていなくてまた元のところに…と立体迷路をさまよっているような気分になります。初めて行く際には、地図をコピーしていく、スマホの地図アプリを使うなどして迷わないようにしてください。

当サイトでは、最寄駅から図書館までの道のりを調べて言葉で説明するようにしているのですが、興本図書館については、道のりが複雑なうえに、「誰々さんの家の角で曲がる」のような個人のお宅が目印の説明になってしまうので断念します。その代わり、いや、駅から遠いこともあり、道の複雑さを差し引いても、北千住駅と西新井大師をつなぐバス(東武バス 北01)で「興本センター前」停留所で降りるのがお薦め。

バス停からの道のりは、西新井大師行きのバスから降りた場合は、降りたすぐ前の「興本センター前」交差点を右折し、左にあらわれる東京朝鮮学園の敷地の先で左折、学校校庭の斜め右にある建物が興本センターです。建物入口は東京朝鮮学園がある方の反対側になります。北千住駅行きのバスから降りた場合は、バス停から西新井大師方面へ少し戻った小さな路地へ右折、右にある東京朝鮮学園の敷地が終わったところで左前にある建物が興本センターです。

§ 図書館内の様子

興本地域学習センターを入って広いロビーを抜けた、1階奥の区画が興本図書館です。1階の一部分とはいえ比較的面積があり、棚と棚の間も広くて、ゆったり過ごせる雰囲気です。配置としては、図書館入口にカウンターがあり、カウンター前の通路を抜けた先が書架エリア。書架エリアに入る手前に検索機・コピー機・ネット閲覧PCがありますが、検索機は書架エリア中央右の壁際にも1台あるので、本を探している途中に「この本もあるかな」と検索したくなったらそちらをどうぞ。書架エリアに入ると、手前側が児童エリアで奥が一般書架、児童エリアと一般書架エリアの中間左側に新聞・雑誌コーナーがあります。

書架エリアは真ん中で左に折れ曲がるかたちで奥へ伸びていて、内角の中庭がテラスになっており、そこで本を読むこともできます。緑が生い茂っているので陽の光を浴びながらの読書はできませんが、私が行ったときに猫がテラスに迷い込んできたこともあり、館内とは違う気分で読書ができます。テラスへの入口は児童エリアにあり、子ども用の汽車のかたちをしたベンチもあるので、お子さん連れの方にもお薦めです。

§ 児童エリア

書架絵エリア入ってすぐの児童エリアは、中央の通路に対して、左側が絵本や紙芝居、右側が読み物やちしきの本という配置です。左の窓際にある読み聞かせコーナーは、鮮やかなレッドカーペットが印象的。読み聞かせコーナーの色調は柔らかめの色であることが多いので、このレッドカーペットを見たときには、何だかゴージャス!と思ってしまいました(笑)。

絵本は、日本人作家と外国人作家を別にして、おはなし作者の姓名五十音順に並んでいます。児童読み物は、対象年齢によって「やさしいよみもの」と「物語」にわけ、それぞれで日本人作家と外国人作家を別にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。

一般向けの本のうち、絵本ガイドや読み語りに関する本、育児や赤ちゃんの名付けに関する本は、一般書架ではなく児童エリアにあるので、これらの本を探すときには注意してください。これらの本に限らず、児童エリアの本だからといって子どもだけが読む本ではないし、実際に絵本好きな大人も多いです。図書館の分類は本を探しやすくするためのもので、読者としては分類の垣根を気にせずいろいろな本を自由に手に取りたいです。

§ 一般書架

一般書架は見出しが細かく、本が探しやすいです。例えば、医学の内科の本は「糖尿病」「花粉症・アレルギー」「痛風・リウマチ」「うつ病」「認知症・アルツハイマー」等々…と、具体的な病名で見出しがついているのでわかりやすい。医学や家事関連の棚は、他の図書館でも比較的細かく分類してくれていることが多いですが、興本図書館では、他の図書館ではそれほど細かい見出しをつけていない福祉の棚なども、「福祉全般」「障害者福祉」「介護方法」「介護体験」といったように、わかりやすい見出しをつけてくれています。

日本の小説は著者姓名の五十音順で並んでいます。但し、複数作家による作品集は五十音の並びの先頭の棚の裏側にまとめておいてあります。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」といったように言語別に分類したうえで、著者姓名五十音順に並んでいます。

パソコン関連の本は、一般的な図書館の分類だと、パソコンソフトに関する本は「007 情報科学」、インターネットに関する本は「547 電気通信」といったように、別の分類になってしまうのですが、興本図書館では、雑誌ラックの裏にまとめてあります。パソコン関連本内でも「パソコン全般」「ウィンドウズ」「パソコン辞典」「インターネット」「SNS」「デジタルカメラ」「ソフトウェア」「スマートフォン」「マッキントッシュ」と、図書館分類用語ではなく一般になじみのある用語で分類していてわかりやすいです。

奥の通路わきには「ビジネスコーナー」があり、「起業」「就職・転職」「副業」「資格」「ビジネス関係辞典」という項目で本を分類しています。ビジネス本コーナーを設置している図書館は多いですが、「副業」という項目を立てているところは珍しい。でも、最初に就職した会社の正社員として定年まで働き続けることが当たり前ではなくなった時代、「起業」「就職・転職」以外の選択肢として「副業」もあって当然で、そんな時代に対応した項目だと思います。

ビジネス関連では、足立区立図書館全館で行っているユニークな活動として、図書館に「ビジネス相談箱」を設置し、相談内容を書いた用紙を入れるとあだち産業センターに回送されて対応するというものがあります。興本図書館では、ビジネスコーナー対面のビジネス関連チラシのラックにぶら下がるかたちで相談箱が設置されています。チラシで紹介されている区や都のビジネス支援サービスとともに活用したいです。

§ 読書のきっかけを作る工夫いろいろ

興本図書館では、本の紹介となる掲示物や本を次々と読みたくなる配布物で、次に何を読んでみようかなというときのヒントを教えてくれます。

例えば、興本図書館の新聞ラックの脇にある「多読倶楽部」。ここでは、畠中恵さんのしゃばけシリーズ、佐伯泰英さんの居眠り磐音江戸双紙シリーズ、小路幸也さんの東京バンドワゴンシリーズなど、人気シリーズのブックリストが配布されています。図書館の場合、人気作家だからといって1館で全作品を所蔵しているとは限らないし、シリーズが揃っていても他の人が借りて棚にないことがある。更にシリーズによっては、それがシリーズであることやシリーズ何作目になるのか表紙に書いてないものもあり、こうなるとどういう順番で読んだらいいのかわからない。そんなときにこうしたブックリストがあると助かるし、東京の図書館を制覇したくなった私と同様、長いシリーズの存在を教えられると制覇したくなる人もいるのでは。

児童向けにも同様のものがあり、「こども読破シート」と題して、ハリーポッターや精霊の守り人シリーズのブックリストを配布しています。「多読倶楽部」は小説だけですが、「こども読破シート」は読み物だけでなく、ちしきの本のシリーズのブックリストもあり、お子さんの興味に合うシリーズを選ぶことができます。

また、館内の柱に新聞書評が貼られており、よく見ると書評欄に出てくる書名に「◎」「×」といった印がついています。これは足立区立図書館での所蔵状況を表したもので、「◎」は所蔵しているので予約・貸出が可能、「×」は所蔵なしを意味しています。図書館での所蔵状況は、検索機で調べれば利用者でもわかることですが、書評を読んだ時点で所蔵の有無がわかると、「そのうち読んでみようかな」くらいの気持ちが「では読んでみよう」に上がります。そうやって調子に乗って次々予約すると、思わぬ時に一気に届いて苦しむときもありますが(笑)。

鉄道駅から遠い住宅地のなかという立地から、来館するのは周辺にお住いのかたがほとんどなのでしょう、混みすぎることなくのんびり読書ができる空間です。「多読倶楽部」や「こども読破シート」も、そんな風に本の世界に浸りやすい環境から生まれたのかもしれません。来館者数に対して座席も多く、じっくり読書できる図書館です。

Copyright(c) 東京図書館制覇! All Rights Reserved.